1. 2023/06/26(月) 11:24:56
「僕がレジに立っても、彼女はまったく寄ってきません。そして、『今日は、ありがとうございました。インスタに載せておきますね』と、なぜか帰ろうとしています。『あのぉ、お会計……』と思わず声をかけると、『え、お会計って?』と、女性はキョトン」
藤高さんは思わず「いやいや」と心の中でツッコミながら、「お食事代とハンドメイド雑貨の代金です。まだお支払いいただいていないので……」と、遠慮気味に伝えてみる。すると、「えっ、お金いるの? 私、インフルエンサーなのに?」と態度が急変。
「当たり前だろ!と言ってやりたい気持ちをグッと我慢し、『申し訳ございません。当店では無料提供や無料サービスなどはおこなっていません』と伝えると、彼女は数十秒の間を置き、『じゃあ、いくらよ?』と怒りを露わにした超不機嫌な声と態度で聞いてきたのです」
(中略)
面倒くさそうな態度でインスタの画面を見せてもらった藤高さんは、さらに衝撃を受ける。女性はインフルエンサーを名乗っていたにもかかわらず、なんとフォロワーは1000人ちょっと。開いた口がふさがらなかったという。
「目に飛び込んできたフォロワー数が衝撃的すぎて、英文字のユーザー名を確認する間もなく、彼女には逃げるように帰られてしまいました。それ以降もたまにSNSにアップしていいか聞かれますが、みんなきちんと料金を支払ってくれますし、感じのいい方ばかりです」
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ある日、藤高昇さん(仮名・41歳)が経営する店に、「私は、A子という名前で活動しているインフルエンサー」と名乗る女性がやってきた。ランチタイムが終わるギリギリの時間。入店した女性はぐるりと店内を見回し、ある提案をしたという。