1. 2023/06/06(火) 18:54:15
血のにじむ思いでその月の目標をクリアしても、月をまたぐと、またまっさらの状態に。「月初めに1.5件を出すと気持ちに余裕が出て、楽にその月を過ごせます。でも、毎月毎月が自転車操業で、その繰り返しでした」。上司から「友達が大事なら、友達のために勧めないと」と言われ、勧誘の連絡をしまくった結果、LINEグループから追放、着信拒否。多くの友人を失った。忍足さんはあえぐ中でメンタル面を崩し、一時休職。入社3年目を前に、契約手続き上の問題を起こしたこともあって退職となった。
「バレンタインデーにチョコを持っていくのは当たり前で、自腹でした。顧客のお宅を1人で訪問する営業活動があります。新人時代に先輩に同行したことがありますが、先輩はスーツの胸元を開くような格好で、顧客のおじさんに相手していました。1人で男性の家に上がり込みますが、ハイヒールなので何かあっても走って逃げられない。私自身、危ないなという思いはずっと持っていました。他にも、パンフレットを見せて説明するときは必要以上に近付くなど、『女を売る』ような雰囲気はありました。別の先輩女性は、ちょっと勘違いした男性客からバッグやお菓子のプレゼントが贈られるようになって。既婚者で子どももいるんですよ。担当エリアが生活圏なので、スーパーで買い物中にその男性と出くわしたり、お子さんが話しかけられることもあったそうです。その先輩はもう辞めています。あと、今回の本を出してから元生保レディーの方と話す機会があって、『私のところは枕営業あったよ』と言われ、驚きました」と明かす。
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ライフステージを重ねる中で、人生設計に欠かせない生命保険。顧客勧誘や手続きを担うのが保険外交員だ。女性が多い職場というのが一般的なイメージで、「生保レディー」とも呼ばれている。一方で、激しい契約ノルマが従事者を苦しめる“負の構造”が指摘されている。セクハラや枕営業といった妙なうわさがあることも確かだ。