1. 2023/05/15(月) 10:53:45
「『統合失調症にはなりたくない!』なんて思ったこともあったので、『まさか自分が?』と驚きました。でも自分がこの病気を患って、その考えが間違いだと気づいたんです。一方で、診断されて奇異な症状に病名が付いたことで、ホッとした気持ちもありました。ただ、中には病名を受け入れられなくて、治療を拒んでいる人もいらっしゃるようです。ネットなどでは、キツイ言葉で揶揄されたりすることもありますから…」症状のため栄養士の仕事は退職。その後、社会復帰を試みるも、なかなか難しかった。
「薬を飲んで症状が安定してからも、体調を崩すことが続いて、異様な疲れやすさもありました。同級生や同世代の人と同じように働けないことが一番つらかったです。家族は『ゆっくり休めよ』と言ってくれますが、申し訳ない気持ちのほうが強くて…。働けない自分への負い目で本当に苦しかったです」
(中略)
「昨年の6月にも調子を崩して入院したのですが、そのときに同じ病気の方々とお話する中で、『地域で暮らしている私たちを、多くの人に身近に感じてもらいたい』という情熱が湧いたんです。それで、退院した直後から描き始めました。伝わりやすく、かつ読者が苦しくならないような表現を心がけたのと、統合失調症の症状は人それぞれなので、私が統合失調症の代表みたいな位置づけにならないように心掛けました。困っている心の動きを描くことに重きを置いて、病気を身近に感じてもらえたらと思っています」
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「周囲に監視されている」「隣の人の貧乏ゆすりは私への暗号」など、統合失調症の症状を赤裸々に説明するHimacoさん。22歳で発症し、28歳の今も病と戦いながら、社会復帰への道のりを模索している。100人に1人は発症するとの病気だが、症状は人によって様々。突然大声で叫んだり、妄想が聴こえたりする症状もあり、「何をするか分からない」「関わりたくない」という世間の偏見から守るために、病気を公にしない家族もいるという。Himacoさんは、自身の経験をSNSや著書で広く情報発信しながら、「治療を受けながら暮らしているので、みなさんと一緒に地域で生きていきたい」とメッセージを伝えている。