1. 2023/05/08(月) 15:27:08
奈良の北西部にある平群町。丘陵に広がる住宅街は穏やかな空気に包まれていた。住民が現在の状況について説明する。
「実は、騒音を訴えた奥さんはすでに亡くなりました。一方で、Aさんはいまもあの家に暮らしています。さすがに年をとりましたが、強面はあのままです。ただ、以前のように騒音をまき散らすことはなくなり、私たちにも平穏な日常が戻っています」
事件当初、Aさんを一方的に責める声が相次いだが、裁判の過程でAさんが難病の家族を抱えて心身ともに疲弊していたことも明らかになった。事情を知る住民のなかには同情する声もあったという。
「とはいえ、住民間のしこりはいまだ消えません。Aさんは悪い人ではありませんが、気性の激しいところがあります。しかも、何が引き金になるのか、どこで怒りのスイッチが入るかわかりません。極力かかわらないように、気になることがあっても静観するだけです。あなたもそっとしておいたほうがいいですよ」(前出の住民)
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「騒音問題」が全国あちこちで起きている。長野県長野市では近隣住民からの騒音苦情がきっかけとなり、学童保育施設の子どもたちの遊び場だった「青木島遊園地」の廃止が決定。4月17日から公園の遊具の撤去工事などが始まっている。そんな「騒音問題」の代表格とも言える騒動が起きたのは、18年前のことだ。CDラジカセで大音量の音楽を流し、ベランダに干した布団をバンバンたたきながら鬼の形相で「引っ越し、引っ越し、さっさと引っ越し、しばくぞ」と吠える中年女性の映像を覚えている方も多いだろう。’05年4月、連日ワイドショーで取り上げられていた「騒音おばさん」こと奈良県平群町の主婦Aさんのことである。