1. 2023/04/24(月) 22:25:06
「父親は知的障害を持つ兄だった」と聞いた時、あまりにグロテスクな事実にこちらが気分が悪くなった。
「犯人は本当に兄なのか?」
「合意の可能性はあるのか?」
結局、そこまで真相を追求することは病院の仕事ではないので、児童相談所と連携し知的障害を持つ兄を一時保護することで解決となった。「でも、もし違うなら調べたほうが」とさすがに口を挟んだが、「それは病院の仕事じゃないから」と一蹴された。
事件はさらに闇深い結末を迎える。
少女の家族を見る限り、明らかな知的障害を持つ次男の他にも、そもそも少女も学校に馴染めず不登校だし、長男が仕事に就けず引きこもり、三男も発達障害疑い。家族全員何らかの障害の疑いがあり、どこか遺伝的に異常があるのは明らかだった。近親相姦で産まれた子は、他人同士の子よりも障害を持つ可能性が12倍上がる。
しかし、話し合いの結果はこうなったのだ。
「(赤子の)養親候補たちには、未熟児であったことは公表しますが、その他全ての事情は伏せて縁組することとします」——
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彼女は夜間、激しい腹痛を訴えて救急外来へ運ばれて来た。当直の医師が問診をしようとしたが、痛みに耐えきれないと、すぐにトイレにこもってしまった。そして長い時間出て来なかったという。ようやく扉が開き、看護師が「大丈夫ですか?」と声をかけた瞬間、彼女は信じられない光景を見た。呆然と立ち尽くす少女の後ろで、血まみれの赤子が産声を上げていたのである。