1. 2023/02/22(水) 00:36:15
「知的障害や発達障害などと診断されると例えば学校では特別支援の対象になりますが、境界知能の子どもたちは、ほとんど気づかれず、支援対象外となってしまうことも少なくありません。境界知能の子どもたちは、知的障害とは認識されないことが多々あり、一方で、勉強などで遅れを取ることも多いので、周囲からは『やる気がない』『さぼっている』という誤解を受けがちです」勉強だけでなく、運動やコミュニケーションが苦手なケースも多いです。大人になってからは、経済面や就労面などさまざまな領域で本来は支援を必要とするのに気づかれない…というケースもよくあるそうです。
では、境界知能やグレーゾーンの子どもたちが抱えている生きにくさを、どうしたら見つけることができるのでしょうか。じつは、比較的簡易な心理検査から、その状態を大まかに判別することが可能なのだとか。
「たとえば、『ひし形とバツ、三角、丸の図形を書いてみて』という模写課題があるのですが、もし子どもが年齢相応にうまく図形を書けなかった場合は視覚的な認知機能に何かしらの課題があるとも考えられます。仮に視力が正常でも、視覚認知に弱さがあると、正確に形や文字を認識できないこともあります。その場合、ひらがなや漢字などの文字が覚えにくかったり、図形への理解が苦手だったりするため、勉強にも支障が出ることがあります」
大切なのは、何かおかしいなと思ったらその違和感をそのままにしないこと。
「発達に課題がある子や虐待を受け心に傷を負った子、不登校の子、自傷を繰り返す子、摂食障害のある子の中にも、境界知能やグレーゾーンの子どもたちが隠れているかもしれません。各種の心理検査を通じて、その子の発達段階がどうなのかを教員や親が知り、『どんな部分で子どもがつまずいているのか』『どうしたらその状態をサポートできるのか』をきちんと把握することが大切です」
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人口の約14%が該当すると言われる、IQ70~84くらいの人を指す「境界知能」や、それ以外に何らかの問題を抱える「グレーゾーン」。