1. 2023/02/01(水) 14:45:35
この裁判では、両親の陳述書も読み上げられ、統合失調症とASDの兄弟を育てた両親の心情も明らかにされました。
父親の陳述書:「何年刑務所にいても(兄の)丈治はよみがえらない。うれしいこともつらいことも乗り越えて育ててきた丈治を突然亡くした」「幼いころから(兄は)精神が不安定で、弟より手を焼いていた。2人を平等に接しようとしたが、手間のかかる丈治の方に…。もっと(弟の)春樹と対話をして距離をつめていればと後悔している。丈治を守ってやれなかったことを毎日悔やみ続けている」
母親の陳述書:「2人の子を大切に思ってきた。春樹を許すことは到底できません。喧嘩をしても仲良くしていると信じていた。なんて残酷でひどいことをしたんだと思った。丈治はやさしい心と大切な命の宿った人間なのです」「他人の心を考えられないのが自閉症スペクトラムですが、他人の気持ちをはかる努力をして、長い時間をかけて人間の命の重さを考えてもらいたい」
そして1月31日、弟の髙畠春樹被告に言い渡された判決。そのあと、細野高広裁判長が法廷で被告にかけた言葉は…。
細野裁判長:「これから長い間、刑務所で暮らすことになります。お兄さんのかけがえのない命を奪ったことについて考え直してください。お父さん、お母さんに反省の気持ちが伝わるようになることを願っています」。
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自閉症スペクトラム障害・ASDを抱える髙畠春樹(たかばたけ・はるき)被告(24)は2020年、富山市の実家で、統合失調症と、同じくASDを抱える兄の丈治(じょうじ)さん(当時25)の頭を18回以上もハンマーで殴り、殺害しました。1月31日の判決公判で、富山地裁の細野高広(ほその・たかひろ)裁判長は「精神障害がある兄により家族が迷惑をこうむっているなどとして犯行に及んだが、それは被告の思い込みにすぎない」と指摘。「自殺にみせかけようと、遺体を山に捨てる方法を検索して道具を買ったり、通報できないよう電話線を抜くなど計画性が高い」としました。