1. 2022/12/17(土) 00:56:01
「60歳にして2人目です。子ども1人だけだと嫁さんが寂しいというので、なけなしの精力を振り絞ってつくりました。今、7か月目。女の子です」
南国のフィリピンからそう近況を報告してくれたのは、現地在住18年になる吉岡学さん(60歳、仮名)だ。「嫁さん」というのは、彼のフィリピン人の妻、ロナさん(28歳)で、年の差は32歳である。
出典:jprime.ismcdn.jp
フィリピンで経済的に困窮してしまった日本人のことだ。その多くは中高年層の男性で、日本のフィリピンパブにハマり、若い女性を追いかけて南国へ渡る。
ところが女性とその家族に有り金を注ぎ込んでしまい、金の切れ目が縁の切れ目で女性から見放され、フィリピンの庶民に助けられながら何とか生き延びているのだ。
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そう振り返る吉岡さんが困窮に至るきっかけも、地元四国のパブだった。そこで親しくなった若い女性と結婚し、「フィリピンで商売できるから来ない?」と誘われ、2004年に南国へ飛んだのが運の尽きだった。
「でも到着してみたらね、商売の話はデタラメだったのよ。いろいろあって彼女の家族とも関係が悪くなった。日本にも借金があったから、帰国したくなかったんです」
吉岡さんは、フィリピンに骨を埋める覚悟で、合鴨の卵を拾い集める仕事や縫製工場など職を転々とするうちにロナさんと知り合い、彼女の家に転がり込んだ。
ところがそこはスラム街だった。吉岡さんは、水道も電気もない、ブロックが積み上げられただけの粗末な家で暮らすことに。
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日本を捨て海外に拠点を置く芸能人が増えている。しかし快適に暮らせるのは一部のお金持ちだけ。待っていたのは究極の困窮生活で──。彼らを追い『日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」』の著作があるノンフィクション作家の水谷竹秀氏が特別寄稿。夢を追った先で彼らが見た景色とは──。