1. 2022/11/23(水) 14:29:44
「作家は実家住まいだったんですが、本人は不在。それに家族にはライトノベルを書いていることは一切話していなかったようで、自分が何者かを説明するのに一苦労でした。そうこうしているうちに本人が帰ってきたので話をしたんですけど『もう、どうやっても書けません』と話すばかりでした」
この時点で、あと20日程度で原稿が揃わなければ発売日に本が出ないタイミングだった。このままだと、作品はおそらくお蔵入りになってしまう。編集者としての責任感から、なんとしてでも作品を読者に届けたいと決意したAさんは、ここで奥の手を使うことにした。
「旧知のライターに連絡して、20万円払うからすぐに残りの原稿を埋めてくれるよう依頼したんです」
まったく読んだことない小説、かつ埋めなければならないのはクライマックスの部分。依頼を受けたライターも戸惑ってはいたが、そこはプロの技で辻褄の合うように文字を埋めてくれたという。
「自分が口頭であらすじを説明しながら作業してもらったんですが、皮肉なことに読者の評価が高かったのは、その追記してもらった部分でした」
出典:news-careerconection-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com
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今回、ある出版社に勤務する編集者のAさん(30代男性)が語ってくれたのは、せっかくデビューしたのに「2冊めが最後まで書けなかった」作家のエピソード。ところが、その2冊目もちゃんと発売されたそうで……。いったい何が起きていたのか、編集の裏側を聞いてみた。