1. 2022/09/20(火) 22:00:46
――なぜ芸備線全線での鉄道としての存続をうったえているのですか。
芸備線は、地方創生や街づくりの点からも重要な交通ネットワークであると考えている。芸備線があることが観光の目的となって来訪利用する方がいることや災害時における迂回ルートの確保等という点からも必要な路線である。
利用者が少なかったとしても地域での生活を営むためにそこにある公共交通機関に依存せざるをえない人は必ずいる。例えば通学や通勤、通院で利用している人がおり、鉄道網を維持することは交通弱者を支えるうえでも重要であると考えている。
また、注目されている芸備線の山間部の区間については末端区間という意識は持っていない。広島駅を起点とするならば終点の備中神代駅では伯備線に接続しており、岡山県や鳥取・島根県側に抜けることができることから重要な鉄道ネットワークの一部を形成していると考えている。鉄道はいったん廃止されてしまうと簡単には復活できないことから、鉄道をなくす議論については慎重に行うべきだ。
――JR西日本の赤字30線区の収支状況の公開についてはどのように考えますか。
JR西日本の赤字30線区の合計額は約250億円であるが、一部の赤字路線の数字だけを開示しても意味がない。コロナ前の2020年3月期決算では鉄道事業を中核とする運輸部門では1053億円の営業利益を計上しており、内部補助も含めてローカル線の維持を本当にやれないのかという点については議論の余地はあるのではないか。
出典:images.keizai.biz
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JR西日本の赤字ローカル線30線区の収支状況の発表に端を発し、全国に危機感が広がっているローカル線の存続問題。広島県では芸備線や福塩線の一部区間や木次線が対象となり、しかし、広島県は鉄道路線維持の立場を表明。湯崎英彦知事は、鳥取県の平井伸治知事らとともに28道府県知事の連名で斉藤鉄夫国土交通大臣あてに鉄道をユニバーサルサービスとして位置づけることなどを求めて「未来につながる鉄道ネットワークを創造する緊急提言」を行った。