1. 2022/09/04(日) 14:16:01
▽以下抜粋
8月下旬の夕方。NPO法人「ぱんだのしっぽ」(宇都宮市)の小川達也代表は、栃木県内のひとり親家庭に米、レトルト食品や生理用品などを配って回った。小学1年生と2歳の子どもを育てる女性(38)は4月に離婚したばかりで、初めて利用した。「冷凍食品で何とか学童のお弁当をやりくりしたけど、苦しかった。お菓子もあるのがうれしい」と喜んだ。
「ぱんだのしっぽ」には夏休み直後から新規相談が急増し、1カ月で普段の倍近い40件ほどになった。小川代表は「例年、給食がなくなる夏休みは困窮する世帯にとって生活が苦しくなる時期。今年はそこに第7波と物価高が重なり、三重苦になった」と振り返る。食料品だけでなく光熱費やガソリン代の高騰も家計を圧迫した。
新型コロナウイルスの影響で休園や休校になれば、ひとり親家庭は仕事に行けなくなり、給料は大きく減少する。母親と子ども3人全員が新型コロナに感染し、「仕事に行けず、食費に回すお金がない」とLINEで相談が寄せられたこともあったという。
+28
-354
困窮する子育て世帯にとって、この夏休みは三重苦だった――。ひとり親家庭の支援をするNPOは、こう訴える。国も支援策を進めているが、必要とする世帯に必ずしも届いていない。NPOの活動に同行し、さまざまな「三重苦」の現場を見た。