1. 2021/03/09(火) 21:19:56
浦安市高洲の「高洲中央公園」の駐車場で、存在感を示す高さ約1メートルのマンホール。液状化被害の象徴として残すことに賛否が巻き起こった
「ドアが勝手に」 街並み一変した高級住宅街、液状化で揺れた住民の思い【#あれから私は】 | 千葉日報オンライン
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東京に隣接し、千葉県内でも屈指の高級住宅街がある浦安市。2011年3月11日、美しい街並みが液状化により一変した。被害は市域の86%におよび、インフラも大きくダメージを受けた。こうした中、行政が打ち出した対策工事の条件は実施地区の「全戸合意」。「安心が買えるなら安い」、「でも、本当に工事に効果があるのか」――。「二度と被害に遭わない」との願いは共通だが、住民の思いは複雑に揺れた。
「あれ、おかしいな。ドアが勝手に動く」
JR京葉線の開通間近、35年ほど前に粉川英夫さん(72)は「便利になるだろう」と浦安市に引っ越した。3月11日は自宅で被災したが室内で大きな被害はなく、幸いけがもなかった。
だが、家の外に出てみると、地面に亀裂が入り、水が噴き出していた。「大地震で地面が割れたのか」。液状化の文字は浮かばず、すぐに110番通報したがつながらない。「ようやく来た折り返しで『今どこでも起こっています』と伝えられた。ここだけだと思っていた」。家に戻るとドアが閉まらず、傾いているような感覚。自宅が12センチほど沈んでおり「半壊」と判定を受けた。
同市は漁師町時代からの「元町」、埋め立てで計画的なまちづくりが行われた「新町」と「中町」の三つのエリアに大別され、粉川さんが住んでいたのは中町に当たる。埋め立て地であることは知った上で暮らしていたが、心配していたのは地震より洪水。元町と新町に挟まれたエリアは街の心臓部とも感じており「大丈夫だと思っていた」
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この言葉を掲げ「復興」へとこの街は動き出した。震災から半年たたずに学識経験者で構成する市独自の調査委員会を設置。翌年には具体的な工法を考える検討委員会が発足し、2013年、「格子状地中壁工法」を採用することとなった。宅地の境界の地盤中に、セメント系の固化剤を流し込んで碁盤の目のように囲む壁を造ることで、地盤の液状化を起こしにくくする工法だ。既存の住宅地での着工は前例がなかった。
工費は国や市の補助を受けた上で、1戸当たり最大200万円程度の個人負担とされた。この多額の住民負担に加えて、着工の条件は「全戸合意」。10世帯以上をひとつの区域とし、全戸の合意が得られることが必要となった。一カ所でも不同意がある場合、格子の設計が成り立たないと想定されたからだ。
結局、3割の住民からは同意を得られなかった。「市の対応は十分と感じる。ただ、全戸合意はなかなか厳しい」と粉川さんは振り返った。
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