1. 2020/06/20(土) 22:06:03
そんな滋さんが一度だけ、酒に酔って本誌に本音を漏らしたことがあった。’09年6月23日に高知県で行われた講演会の打ち上げでのことだ。
いつもはコップ一杯の滋さんが、杯を重ね、いつの間にか頬を赤らめていた。
そしてポツリと、こう呟(つぶや)いた。
「めぐみと会いたいなあ……。帰ってきたら早紀江と3人で旅行に行きたい。それを楽しみに生きているのです……」
滋さんの瞳から涙が溢(あふ)れた。奪還運動の精神的支柱として弱みを見せられない彼が一瞬見せた、「父の顔」だった。
+1199
-2
拉致被害者家族のシンボル的存在だった横田滋さんが亡くなった。87歳だった。横田さんが生前『FRIDAY』記者に語っていた、北朝鮮に拉致された娘・めぐみさんへの万感の思いを、その肉声とともに振り返る。