1. 2020/02/01(土) 18:14:16
そうして本当にやりたいことも表現できず、世間のイメージや周囲の意見に振り回される時期が続いたものの、「そばにいるね」以降再びヒットが訪れることはなかった。周りに大勢いたスタッフや友人もどんどん減っていったという。すると、テルマの心身に変化が起きる。
街ですれ違う人には「笑われているんじゃないか」、電車に乗れば「売れなくなったから電車かよという目で見られている」などという被害妄想が止まらなくなったのだ。人混みを避けるようになり、テレビの中で活躍するミュージシャンに嫉妬し、仕事が減っても友達には忙しいふりをして、とにかくネガティブ思考で人間自体が嫌いになった。
それでも歌詞を書くことを辞めなかった。医者に「休め」と言われても休むことが怖かった。立ち止まったら自分が消える気がした。この時も、誰にも見せられなかった弱い自分を音楽にしか託せなかった。悩みを誰にも話せずにもがいた状況が数年続くと、家で電気をつけることすら怖くなり、仕舞いには「死ねよ」「死んだほうが楽だよ」という声が聞こえてくるようになった。
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…「『そばにいるね』がバラードなので、ちょっとおしとやかで大人っぽいイメージが先行して強かったと思うんです。でも、基本的に私はすごくポジティブで明るい性格だし、笑うことが好きなタイプなので、そのギャップは大きかったかもしれないです」と、イメージを壊しちゃいけない、というプレッシャーとも常に隣り合わせだった当時を振り返る。...