1. 2017/10/30(月) 12:26:33
●私は産婦人科の専門医です。その中で妊婦が危険な状況に陥ったときに処置する「産科救急」の対応にも携わってきました。最近、妊婦が危険な状態で運ばれてくることが多くなっていることに危機感を覚えています。
出典:president.ismcdn.jp
妊娠9カ月になる妊婦さんが、家族旅行で行った温泉地から緊急搬送されてきたそうです。奥さんは旅行初日に「お腹が痛い」という自覚があったのですが、我慢をしてしまって時間がたち、いよいよ腹痛がひどくなってから病院に駆け込んだということでした。
この妊婦さんは「常位胎盤早期剥離」という、胎盤が子宮壁から剥がれ落ちてしまう状態になっており、医師の必死の治療もむなしく、母体死亡、胎児死亡という悲しい結末となりました。
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そうした記事の中には、つらい出産期間を少しでも快適に安心して乗り越えられるように、という良心的な意図から提供されているものもあります。私も出版社の求めに応じて、記事の執筆や監修をすることがあります。
ただし、医師である私からみると、その中には無責任な記事も目に付きます。妊娠中という「特別感」で財布のひもが緩くなっている妊婦や家族を相手に、活発な消費をうながそうとするあまり、妊娠・出産のリスクを高めることも紹介されているのです。そのひとつが妊娠中に旅行をする「マタニティ旅行」、いわゆる「マタ旅」です。
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妊娠中に旅行をする「マタ旅」が静かなブームになっている。旅行会社などは「今しか行けない」「夫婦水いらずで」などと謳うが、そこには大きなリスクが潜んでいる。30年間、産科救急に携わってきた小川博康医師は「危険な状態で運ばれてくる妊婦が増えている」と警鐘を鳴らす――。