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69. 匿名 2016/06/29(水) 12:26:59
何かの気配にはっと目を覚ましたとき、光は既にそこにありました。私は自分が再びその圧倒的な光に包まれていることを知りました。私はほとんど無意識に両方の手のひらを大きく広げて、そこに太陽を受けました。それは最初のときよりずっと強い光でした。そして最初のときよりもそれは長く続きました。少なくとも私にはそう感じられました。私はその光の中でぼろぼろと涙を流しました。体じゅうの体液が涙となって、私の目からこぼれ落ちてしまいそうに思えました。私のからだそのものが溶けて体液になってそのままここに流れてしまいそうにさえ思えました。この見事な光の至福の中でなら死んでもいいと思いました。いや、死にたいとさえ私は思いました。そこにあるのは、今何かがここで見事にひとつになったという感覚でした。圧倒的なまでの一体感です。そうだ、人生の真の意義とはこの何十秒かだけ続く光の中に存在するのだ、ここで自分はこのまま死んでしまうべきなのだと私は思いました。(p302-303)
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