ガールズちゃんねる
  • 11249. 匿名 2016/05/02(月) 14:33:45 

    #745 / 2011.06.26
    モンスター被災者

    東日本大震災から100日以上が経ちました。
    震度6強をくらい震度5クラスの余震にも耐え抜いてきた地域に住んでいる身ですが、生活自体はとっくに元通りに戻っています。
    幸いにして自宅や親戚、友人等にも甚大な被害は無く、いまだに地元テレビ局で放射線量数値を発表している以外は普通の生活が戻っています。

    あれから福島県内各所を見て回って、さまざまな方に見聞きしてきました。
    詳細は後述する追記にまとめましたが、聞き逃せない話もいくつかありました。

    その一つは「モンスター被災者」です。
    実際に「モンスター被災者」という言葉を発した人はいませんでしたが、自己利益だけを要求する人達に「モンスター」の蔑称を冠する風潮に従って、ここでは勝手にそう呼びます。

    自宅が流されたり、警戒区域指定で自宅に立ち入れない人達がたくさんいる現状は今でも続いています。
    確かにかわいそうなのですが、なかには被災を免罪符にとんでもない要求をするヤクザまがいの被災者もいるのが現実です。
    一言で言えば要求水準が高いのです。
    ある被災者は県の借上げ住宅に水道・照明・ガスコンロがついているだけでは飽き足らず、エアコンをつけろと要求してきました。
    またある被災者は電気代や水道代を払いたくないからと、仮設住宅への入居を拒みました。
    なかには噂ですが、避難所や旅館を出たのに食事のときだけ顔を出すという被災者もいるということです。

    ここぞとばかりにせびってやろうとしているのか、かつての潤っていた生活水準を取り戻してやろうとしているのかはわかりません。
    ただ、「被災者様ヅラ」して要求してくる姿勢は全くほめられたものではありません。

    避難先にて横柄な態度でいる被災者もいるらしく、被災地域住民のイメージを貶めてしまっているのです。
    私自身も同じ県内の被災者で行政にいっさいの要求をしたことが無いのに、こうした連中と一緒くたにされるのではと考えると、非常に悲しくなります。

    また、家屋に被害が無かったのにも関わらず被災証明を交付してもらう人も出始めました。
    被災証明があると東北地方の高速道路を無料通行できるために、わざわざ長い列に並んで発行してもらうのだそうです。
    そして役所側も捌ききれないから、被災状況を厳密に確認するわけでもなく口頭で申請を受けてその地域の住民であれば誰でも発行している状況です。
    運転免許を持っているというだけで、運転しなさそうな老婆までもが列に並ぶ光景を見たときには、本当に浅ましくて哀れな人達だと感じてしまいました。

    こうした状況は福島県内だけでなく、岩手、宮城の沿岸自治体の他、茨城県内38市町村でも行なわれているようです。
    最近、一般道を走るクルマの数が減ったような気がしていたのですが、納得しました。
    そういった問題を受け、青森県では、みちのく有料道路と青森空港有料道路で被災証明書を使った無料通行を認めないことを決めました。(河北新報 2011年6月24日付)

    これら以外にも見聞きした話はたくさんあるのですが、いずれも度を超していて、手を差し伸べることでかえって自らの復興を阻害しているとしか感じませんでした。

    たしかに、タダでもらえるならばもらいたくなるのが心情です。
    とはいえこういった場合、往々にしてさらに要求がエスカレートするのがオチです。
    こういうのは「復興支援」では無く、「たかり」というのです。

    「与えれば与えられる 奪えば奪われる」とはよく言ったものです。
    ただ、解釈通りに使ってはいけない言葉だとも思います。

    与えるためには自分の余裕も必要だし、かつ相手を活かすために使う視点が必要です。
    慈悲の心から「なんでもかんでも与えるだけ与えろ!」では、活かす視点がおろそかで与える側も与えられる側も不幸になります。

    また奪うことは、短期的な利益しかもたらさず長期的には損失にしかならないことも知る必要があるでしょう。
    自分の状況を盾にして「なんでもかんでも寄こせ!」では、いずれ自分の力で立ち上がることすらもできなくなります。

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