-
537. 匿名 2015/12/22(火) 02:31:22
みなさんは「押しつけ憲法」という言葉を聞いたことがありますか。
いまの憲法は戦争で負けたときに外国から押しつけられた憲法だから、自分たちでつくった憲法とはいえない、だから自分たちの手で新たな憲法をつくらなければならないという主張です。
いまの日本国憲法は本当に外国から押しつけられたものなのでしょうか。
そもそも押しつけというのは、その人の意思に反して強制することをいいます。では、日本の国民の意思に反して強制された憲法なのでしょうか。そんなことはありません。
たしかにマッカーサー案をもとに憲法草案はできました。しかし、その後、普通選挙で選ばれた国民の代表者がしっかりと審議し、みんなが賛成してできたものです。
しかも、審議の過程では、前文に国民主権が明記され、二五条に生存権の規定が設けられ、国家賠償請求の条文(一七条)や刑事補償の条文(四〇条)なども追加されました。国民はもちろん反対することもできましたが、多くの国民はこの憲法を支持しました。
ただ、「押しつけられた」と感じた人たちもいたようです。明治憲法のように、天皇を中心とした憲法のままにしておきたいと考えていた政治家たちです。その当時の権力者の一部は、自分たちが考えている憲法と違うものができたので、これではイヤだと思い、押しつけられたと感じたのです。
ですが、そもそも憲法とは何だったでしょうか。
憲法とは、国家権力を制限し、国民の人権を守るものです。つまり、権力者に歯止めをかけるためのものですから、権力者が押しつけられたと感じるのはむしろ当然のことなのです。
それに対して、国民は権力者に憲法を押しつける側にいるのですから、自分たちが押しつけられたと感じる必要はまったくありません。
もちろん、日本人だけでつくることができたらもっとよかったと思う人もいるかもしれません。ですが、どこの国の憲法もさまざまな混乱のなかから生まれるので、いろいろな問題をかかえているものです。どのように生まれたかよりも、現在の国民がその憲法にどのような意味を与えているのかのほうがよほど重要なことなのです。
「国民が改憲論議にあまり熱心ではない」と嘆く政治家がいるそうです。それはそうです。国民は現在の憲法で、とくに不都合は何も感じていないのですから。
政治家の人たちが戦争のできる国にしたいと考え、そのためには自分たちに課せられた歯止めをはずさなければならないので、改憲が必要だと主張しているのです。....+0
-0
削除すべき不適切なコメントとして通報しますか?
いいえ
通報する
中高生のための憲法教室~法学館憲法研究所