-
9681. 匿名 2024/04/30(火) 17:17:30
>>9334
お題:推しとBUMP OF CHICKEN
タイトル『あの時、君に。』💎第二話
⚠️話数未定(今Partで完結予定) ⚠️解釈違い⚠️BUMP好きをまろび出した話
歌詞カードを受け取り、そっとCDケースへ入れ直す。うっかり折り皺がつかないように、慎重に。くるりとアルバムの向きを宇髄の方に変えて、緊張しながら両手で手渡した。
「は、はい!いっぱい聴いて!」
「了解、いっぱい聴きますw」
「返すの、ホントいつでもいいから!」
「サンキュ。あ、オススメとかある?」
「あるよ!ある!ええと、さっき...。」
「...あぁ、歌ってたヤツ?」
口籠る私を、宇髄は茶化しはせずとも楽しそうに覗き込んできた。下を向いてコクコク頷き、もう一度ちゃんと目線を上げる。このまま恥ずかしがっていたら、恋心まで悟られてしまう気がしたからだ。もしかしたら、もうとっくに見透かされているかもしれないけど。
「メ、メロディーフラッグって曲!」
「覚えた、帰ったら早速聴いてみるわ。」
「う、うん!!な、7曲目だから!!」
「7曲目ね、ご丁寧にどうもw」
若干テンパリ具合を面白がられている感じもするが、もう今はそれでもいい。喜びで舞い上がっていると、頭の上に手が置かれた。
「じゃ、また明日な!」
爽やか全開で教室を出て行く宇髄に、なんとか手を振り返した気がする。目を瞑り、今あったばかりの出来事を何度も何度も噛み締めた。小刻みに震える自分が気持ち悪いけれど、こんなの嬉し過ぎてジッとできる筈ない。帰り道はもちろん、夜になっても頭の中は宇髄でいっぱいだった。
なんかもう、まだ信じられない!
だってさ、あの宇髄だよ宇髄!!
宇髄にCD貸しちゃったんだよ??
もうどうしよ青春みたいじゃん!!
ベッドに寝転びながら、特大サイズのクマを抱き締め足をバタバタ。またしても自分キモいなと思いつつも、ニヤけた顔が一向に戻らない。
唇に力を入れて、目一杯に口を窄める。落ち着く為に、細く長く息を吐いた。
宇髄、今頃聴いてるかな...?
明日、感想言ってくれるかな...?
もっと、仲良くなれたりするかな...?
次から次へと思考が浮かんで、どうにもこうにも全く眠れそうになかった。ベッドから起き上がり、部屋の窓を開ける。涼やかな夜風をスゥと吸い込み、遠くに煌めく星を見つめた。瞼を閉じて、また想いを馳せながら祈る。
───宇髄がBUMPを好きになりますように。あと、私のことも。
「......キモッ!」
本日三度目の客観的自分への感想をとうとう声に出して、私はやっと部屋の電気を消した。
つづく💿ヨンデクダサリアリガトウゴザイマス
+37
-7
-
9689. 匿名 2024/04/30(火) 17:30:30
>>9681
キモいどころか可愛いよ!!
こっちまでドキドキする〜🫀+21
-4
-
9701. 匿名 2024/04/30(火) 18:12:04
>>9681
更新楽しみにしてました♡
好きな人と好きな音楽で盛り上がって、思い返した時のあのドキドキ感がたまらない🥰続きも楽しみにしてます!+17
-9
-
9724. 匿名 2024/04/30(火) 19:06:39
>>9681
青春〜〜♡
私も足をバタバタさせながら読んでる!!+19
-5
-
9725. 匿名 2024/04/30(火) 19:12:52
>>9681
わー♡このガル子ちゃんと恋バナしたい!!+19
-5
-
9727. 匿名 2024/04/30(火) 19:20:07
>>9681
皆さんのコメントから気付いて読みました!
青春だぁ✨好きな音楽で憧れの人と繋がるなんて✨眩しいそしてかわいい✨+22
-6
-
9728. 匿名 2024/04/30(火) 19:22:26
>>9681
ガル子ちゃんの気持ちめちゃくちゃ分かるし、jupiter私も大好きなの!!
アオハルにキュンキュンするよー🩷
楽しみに追わせていただきますね💎+22
-5
-
9744. 匿名 2024/04/30(火) 19:58:24
>>9681
好きな人に好きなものを好きになってもらえたら嬉しいよね😆✨
他推しですがBUMPめちゃくちゃ好きなので、これからどんな曲が出てくるのか、2人がどうなるのか、ワクワク待ってます!!
+18
-3
-
10226. 匿名 2024/05/01(水) 19:55:11
>>9681
お題:推しとBUMP OF CHICKEN
タイトル『あの時、君に。』💎第三話
⚠️話数未定(今Partで完結予定) ⚠️解釈違い⚠️BUMP好きをまろび出した話
落ち着かなくて、ずっとソワソワしながら次の日登校したのを覚えている。一時間目が始まる前、宇髄が隣に座ってきた時は思わず背筋をピンと張った。
「おはよ、コレありがとな!」
差し出されたのは、もちろん昨日渡したCD。けれど、もう返却させるなんてちょっと予想外だった。しばらく宇髄の手元に置いてもらえるとばかり思っていた私は、地味にしょんぼりした気持ちを隠し切れないまま受け取った。
「う、うん...!あっ、おはよ...!」
「いいなBUMP、なんか壮大だったわ!」
「...だ、だよね!そうそう...!」
「あとアレ、メロディーフラッグも!」
「...で、でしょ??いいよね...!」
「うんマジで!良かったわ!」
なんか、なんかどうしよう...。
なんていうか、どう返したら...。
たぶん、この感じだと宇髄には...。
すると、予鈴のチャイムが鳴った。
「うわ、怠ィな!もう授業かよ!」
「...だ、だね!アハハ...!」
「お前、小テスト赤点取んなよ〜?」
「と、取んないよ赤点なんて!」
笑って自分の席へと戻っていく宇髄の背中を、誰に見られているかもわからないのにずっと見つめてしまった。宇髄はもう、横の男子と楽しそうに喋っている。
ショックを受けている自分に、羞恥心が湧いてきた。
この落胆は、期待し過ぎていたせいだ。
もっと違う反応を貰えると、勝手に。
本当は宇髄がBUMPにハマって、はしゃぎながら感想を言ってくれるかもなんて思っていた。それで一緒に話すことが増えて、今よりもっと距離が縮まって。心のどこかで、きっと好きになってもらえると信じていたんだ。私は駄目だったとしても、BUMPのことは。
そうすれば、きっかけにだってなれた。
宇髄がBUMPを好きになったきっかけ。
せめて、そうなれたら良かったのにな。
一方で、仕方ないとも感じた。
何に感性を刺激されるかなんて、そんなの自由だし。それに私だって、初めの初めからBUMPに撃ち抜かれたわけじゃない。お兄ちゃんが聴いている側で耳を傾けているうちに、だんだん惹かれて好きになった。
残念だったけど、別に大丈夫。
こんな青春らしいイベントを起こしてもらえただけでも、宇髄とBUMPに感謝しなきゃ。仲良くなる機会は、まだこれからもいっぱいある筈。
そう切り替えて過ごしていた私が、しとしとと降る雨に梅雨の始まりを感じた頃。
宇髄に彼女ができた。
つづく💿 ヨンデクダサリアリガトウゴザイマス+31
-9
削除すべき不適切なコメントとして通報しますか?
いいえ
通報する