ガールズちゃんねる
  • 8675. 匿名 2024/04/28(日) 16:57:47 

    >>8599続き
    ⚠解釈違い⚠なんでも許せる方向け
    ⚠血鬼術捏造設定有り
    🍃🐶⑪🐶🍃
    再び目を覚ますともうすっかり日が昇り部屋に気持ちのいい日の光が差し込んでいた。そして目の前にはモゾモゾと動くモフモフの犬柱様の体。
    はっ!やっぱり夢じゃない!……!風柱様は!?

    布団から起き上がり辺りを見回すが風柱様の姿はどこにも無い。
    まずい。やってしまった…!!!

    私が畳に這いつくばりうぁーっと声をあげ頭を抱えていると犬柱様が尻尾を振りながらペロペロと私の顔を舐め、「ワン!ワン!」と元気に吠えた。
    え…そんな…犬みたいに…って!犬じゃん!ワンワンって!完全に犬!犬に戻ってる!?
    てことは風柱様も…!


    急いで庭に出るとそこには荷車に大根を積む察志良杉先輩の姿があった。

    「あ、がる山くん、おはようございます。やっと起きた」
    「おっ、おはようございます!あの、風柱様の姿が見えなくて…」
    「風柱様でしたら早朝に出かけられましたよ。昨日の残りのおはぎを召し上がられて」
    「えっ…?」
    「がる山くんはまだ新人だから知らないかもしれないけど、あの手の血鬼術は珍しくないんですよ。そして普通は半日から1日も過ぎれば解けるものなんです」
    「…!!そうだったんですか!?」
    だから先輩達は余裕そうにしていたのか。

    「風柱様がくらってしまうのは珍しい気がしましたが…ひょっとしたら案外早めに術は解けていたのかもしれませんね」
    その言葉に驚く私を見て先輩が何かを察したような表情で微笑んでいる。大根をロープで荷台に固定しながら。

    「風柱様から伝言があります。がる山くんは連日の任務で疲れているだろうから今日は1日休むように。休息をとって体調を万全にし今後に備えるのも任務のひとつであるそうです。あと、犬を頼むと」

    「は…はい。ありがとうございます」
    足下では犬が遊んでくれと言わんばかりに元気に頭をこすりつけている。

    「いやぁそれにしても私も人の心の機微に鈍くなってみたいものです。『女心なんて分かんねェ!』なんて言って恋の駆け引きしながらやきもきしてみたいなぁ。ははは」

    何やら訳の分からないことを言い残して大根を山盛りに載せた荷車を引きながら察志良杉先輩は風柱邸を去っていった。

    つづく
    (ダラダラとマイペースにすみません。もうすぐ終わります。お付き合いくださってありがとうございます)

    +33

    -8

  • 8703. 匿名 2024/04/28(日) 17:58:06 

    >>8675
    察志良杉先輩がいったい何を察していたのか気になる察志悪井ガル子です🐶

    +23

    -0

  • 8727. 匿名 2024/04/28(日) 19:04:23 

    >>8675
    アァアアア!!犬柱様がァ!!風柱様に戻っている!!
    添い寝からの展開にドッキドキです♡
    続き楽しみにしています✨

    +25

    -6

  • 8734. 匿名 2024/04/28(日) 19:27:43 

    >>8675
    第一話で盛大にガヤって以来、静かに追わせていただいてたのですが、⑩のダブル添い寝にすっごくキュンとしてしまいました…続きが本当に楽しみです☺️

    +25

    -4

  • 9066. 匿名 2024/04/29(月) 07:51:25 

    >>8675続き
    ⚠解釈違い⚠なんでも許せる方向け
    🍃🐶⑫🐶🍃最終話
    急に一日休みと言われても、昨日はぐっすりと眠ってしまったし、そのおかげで気持ちが晴れ晴れとしていて今日は体が軽い。
    私はじっとしていられず風柱邸で掃除や洗い物をしながら犬と戯れて過ごした。洗いたての寝具を干しているとその下でお腹を見せながらゴロゴロと遊んでいる犬の奔放で愉快な姿を見て思わず吹き出す。きっと元々人懐っこくてやんちゃな性格の犬なんだろう。

    次の日の朝、風柱様が屋敷に戻られた。その両手には沢山の赤い花が抱えられている。
    「お疲れ様です。凄い…!そのお花、何事ですか?」
    「牡丹一花という花らしい」
    らしい…?
    そう言ってずいっと渡された花を受け取ると爽やかな甘い香りが広がった。

    「その辺よく散歩している婆さんがいるだろ?その婆さんが庭で育ててるやつだァ」
    あの近所のお婆さんのこと、風柱様も知っていたのか。
    「少しだけ分けてくれって言ったら、もう自分は十分楽しんだから全部持ってけって…」
    「ああ…一昨日の朝、私もおすそ分けって1輪いただきました。私のは白いのだったけど赤もあるんですね」
    「…その…まァ…悪かったな。その花、駄目にして」
    風柱様がちょっとばつが悪そうに目線を逸らしながら頭をかいている。
    「いえ、花を叩いてしまったのは犬と入れ替わってしまっていたからですし…。あ……だからその代わりにこのお花を?」
    「まァ…、今回は色々迷惑かけちまったし…。いつもお前には世話になってるし…。その…なァ…分かるだろ?」彼には珍しく何かをはぐらかすように言葉を詰まらせている。
    「……?分かる?なんのことですか?」
    何を言いたいのがさっぱり分からない。察しろってこと?彼の顔をじぃっと見つめる。

    「じゃあ、はっきり言うわァ。お前の寝顔、けっこう可愛かったぜェ。これからもここのこと頼む。犬も懐いてることだしなァ」

    風柱様は柔らかな笑顔でそう言うと、一瞬私の頭を撫でるように軽く触れ、背を向けて再び出かけてしまわれた。

    え…可愛かった??寝顔?え?え?

    急な出来事に混乱して立ち尽くす。しばらくして風柱様に触れられた頭の感触と一昨夜胸元に抱き寄せられて眠った記憶が蘇りみるみる顔が熱くなる。
    私はその場にしゃがみこみ花の中に顔を埋めてはぁっと深く息を吐いた。
    犬が近づいてきて何事かと私の周りを尻尾を振りながら弾むように歩き回っている。

    私に背を向けた時、一瞬だけ見えた風柱様の耳がこの花のように紅く染まって見えたのは私の勘違いでは無いだろう。

    おわり🐶🐾✻*˸ꕤ*˸*⋆🌼*・
    (最後まで読んでくださってありがとうございました。コソコソ裏話に続きます)

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