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8581. 匿名 2024/04/28(日) 10:09:31
>>8555
スイーツの粂野さん🍰 銀座で初めての○○②
穴子屋を出て三原通りを少し歩くとピカピカの大きなGINZA SIXのビルが見えて来た
中に入ると大きな太陽の塔をモチーフにした猫のオブジェがビルの吹き抜けにドーンと飾られている
「すごい、迫力!」とガル子はエレベーターからスマホで写真を撮る
「3階に行きたいお店があるんだ」と粂野が言うので着いていくと、赤茶の外装の西洋風なアーチが目に入る
アーチをくぐると静かに仄暗い空間に同じ形状のガラス瓶がぐるりと並べられていた
「素敵、香水のお店?フエギア…」ガル子が木目の看板の店名を読むと、全身黒ずくめのサングラスの男性が近づいて来た
「こちらのフレグランスは月下美人と言う花の香りなんですよ」
ガル子の目の前にあるフレグランスの説明を始めてくれた、あ、このお店の店員さんなんだ…腕にびっしりと入ったタトゥーに一瞬警戒したが、柔らかな接客にガル子はホッとする
「月下美人は南米の花で、夜に決まった条件で一斉に咲く美しい花なんです」
「一斉に…!凄いですね、昼には咲かないんですか?」
「そうですね、気温や湿度などきちんと条件が揃った、夜にしか咲きません」
「へーそれは貴重だな」
「もちろん天然の月下美人を使用している訳ではなく、当店で精密に管理して栽培した月下美人の花で製造しているのですが」
「それはそれで凄いね」
2人でふんふんと頷きながら店員さんの話を聞く
香りを嗅がせてもらうとジャスミンの様な上品な香りがふわりと漂う
「凄い、大人っぽい香り…素敵」
ガル子はうっとりする、こんなラグジュアリーな香水をつける女性、どんな人なんだろう、銀座が似合う素敵な大人な女性なんだろうな
「買ってあげようか?」
突然の粂野の言葉にガル子は驚く
「えっ、イヤイヤ、いいよ、何言ってるの?」
頭を思い切りぶんぶん振る
「こちら銀座店にしかないフレグランスとなっております」
当たり前だが店員さんも乗り気である
「あの…自分には身分不相応なので、もう少し考えます、すみません」
ガル子は店員さんにぺこぺこしながら粂野を押して店を出る
「ちょ!粂野さん何言ってるの、あんな高級な物…突然プレゼントなんて」
「うん、そっかゴメン、付き合ってもうすぐ一年だから何か記念にと思って」
ああ、そうかもう一年経つのか、何も考えていなかったガル子は少し気まずくなる
「ありがとう、気持ちは嬉しいけど、ちょっと驚いちゃったよ」
そうか、一年経つんだ…こう言う時恋人同士は贈り物をし合ったりするんだ
粂野が初めて付き合う男性なのでガル子は恋人同士のルールが良く分からないのであった
エレベーターの6階に行くと蔦屋書店がある、少し見慣れたお店にガル子はホッとした
📸GINZA SIXの吹き抜けアート「BIG CAT BANG」とFUEGUIA 1833の店内です
写真はガル子が撮りました
+25
-10
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8650. 匿名 2024/04/28(日) 14:12:34
>>8581
銀座にもスイーツにも詳しい粂野さん何者?!写真めちゃくちゃ綺麗だね〜✨+19
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8657. 匿名 2024/04/28(日) 14:57:13
>>8581
フエギア好き!!📷️お上手ですね!銀座デートいいな~♡こんなふうにスマートに連れてほしい♡+17
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9219. 匿名 2024/04/29(月) 17:51:49
>>8581 スイーツの粂野さん🍰③
店内に入ると沢山の絵が飾ってある広いギャラリーが目に入る
その周りを本や雑貨の売り場がぐるりと並ぶ
「そうだ、キメ的5月号、市松模様のコスメポーチが付録なんだよね、買っていこうかな」
そう言って周りを見渡すが、あれ、雑誌が無い、待ってコミックも文庫も無い?
キョロキョロするガル子を見て「ここの蔦屋書店はアート関係の書籍が中心で、雑談や漫画は置いてないみたいだよ」と粂野が言う
「そうなの?」
「さっきの吹き抜けも森美術館監修だしね、ショッピングと言うよりアート鑑賞に来たみたいな気分になるね」
へー、とガル子は返事をする、ねこぱんち、立ち読みしたかったのにな…
そう思いながらふと雑貨コーナーを見ると、フレグランスが目に入る
「あはは、見て粂野さん『力士』って香水があるよ」
「本当だこっちは黒皮だって、わ、本当に黒皮の香りがする」
2人はまたフレグランスを眺める
「ジェイセントか、ニッチな香りが沢山置いてあるね」
「あ、これ…」ガル子はラムネの香りを手に取る
熱い真夏の夜に染み渡るラムネの爽快感─ふわりと爽やかな甘い香りが広がる
「これ、友達に誕生日に買ってもらった事あるんだ、また買ってみようかな」
「そうなんだ、いいね」と粂野は頷いた
「レジ行ってくるね!」
ガル子はラムネの香りを両手で大事に抱えてレジに向かう
GINZA SIXを出てみゆき通りを歩き松屋通りを曲がるとすぐに粂野が行きたかった「マリアージュフレール」に着いた
「フランスの紅茶の老舗店なんだって、紅茶の知識は全然無いけど俺も行ってみたかったんだ」
「私も紅茶はキメトンのティーバックくらいしか…」
土器土器しながら2人でお店に入る
ゆったりした優雅なホテルの様な雰囲気の中、2人は窓側の席に通される
「ここのケーキも美味しそうだから、ガル子ちゃん喜ぶかなと思って」
ガラスケースに並べられているケーキは美しくてとても美味しそうで目が釘付けになる、しかし実はガル子はお腹がまだ空いていたのであった
(どうしよう、ケーキじゃ足りない…せめてスコーンだったらボリュームがあって少しはお腹が満足するかも)
ガル子はオペラと言う緑茶ベースのフレーバードティーとスコーンのセットを頼んだ
スコーンとお茶が運ばれてくる、オペラを一口飲むと緑茶の味の中にほのかにフルーティーな香りが広がる、優雅なティータイムにガル子はうっとりした
(そう言えばスコーンって、フォークとナイフでどうやって食べるんだろう)
ガル子はハッとする、試しにナイフで切って見るがぼろぼろと崩れる、フォークでも掴みづらい
(手で…手で掴んじゃう?でもこんな優雅なお店で手で食べてる人いる?そう言えば斜め前のマダムがスコーンを頼んでいたはず、どうやって食べているか参考に…、しまった!もう食べ終わっている)
頭の中でぐるぐるしながらスコーンと戦っていると
「スコーン美味そうだね」
と粂野がニコッと笑う
「そ、そう?」
「ガル子ちゃん俺の抹茶ケーキと交換しない、おれ一口食べちゃったけど」
「え、うん、いいよ?」
ガル子は内心(助かった〜)と思いながら抹茶のタルトレットを受け取りスコーンを粂野に渡す
「わあ、これバタースカッチが入っているんだね、抹茶のムースと合うー美味しー」
ケーキを頬張るガル子を見て粂野はニコニコするのだった
📸食べ辛いけど美味しかったスコーンと抹茶のタルトレット、オペラ🫖です+27
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