ガールズちゃんねる
  • 833. 匿名 2024/04/13(土) 07:22:48 

    >>593
    【マニアックお題】

    いつもはきちんとしてる👔憧れの推しが珍しく遅刻

    昨日は定時帰社だったはずなのに
    よくみたら昨日のシャツのまま…

    ガル子👩🏻珍しい…夜忙しかったんですか?

    推し そういうことにしてください…
    (口調は推しの口調に変更オッケー)


    から始まるストーリーお願いします

    +23

    -2

  • 1204. 匿名 2024/04/13(土) 22:11:25 

    >>833⚠️🔥
    お題
    そういうことにしておいてください

    欠伸をかみころしながらふらふらと執務室を出た。
    春の陽気のせいか眠くてたまらない。飲み物を買いに行こうとお財布を手にぼんやり歩いていたら、めずらしく遅刻してきたらしい煉獄課長をちょうどみつけた。

    たしか昨日は定時で帰ったはずなのに、よくみるとシャツもネクタイも昨日と同じだった。
    いつもシャツもスーツもピシッとしていて、ハンカチにすら綺麗にアイロンがかけられている。
    いつも観察している私はそこを見逃さなかった。

    「おはようございます」
    「うむ。おはよう!!!」

    朝の挨拶は相変わらず元気な大きい声。
    でも近くでみるとやはりネクタイもシャツも同じもの。
    「今やってる案件、大変なんですか?…私にも出来ることがあればお手伝いしますし…」

    …なんてちょっと差し出がましかったかな。
    もしかしたらどこかで夜遅くまで仕事してたのかも。

    とはいえ、憧れの煉獄課長は今日も素敵だ。
    春を迎えやっと“新人”と呼ばれなくなったまだ野暮ったい私は課長の隣はきっと似合わない。自分の気持ちにそっと蓋をして見ているだけで精一杯。

    似合うとすればもっと大人の女性って感じの…
    例えば…そう。
    あんな感じの。ちょっと遅れて登場した隣の課のモブ川さんのような。

    ん?
    ハイヒールの音を響かせながらにこりと笑顔を振りまいているモブ川さんも昨日と服装が同じではないか。

    羽織っているカーディガンで誤魔化そうとしてるけれど下に着てるワンピースは同じものだ。
    つまり、それって……

    「……あっ」
    思わず口を手で覆った。

    そんな私を見て煉獄課長は人差し指を唇に寄せてにこりと優しく微笑んだ。

    「…そういう事にしておいてくれ」

    耳元でそう囁くと、ふんわりと石鹸の香りを残し煉獄課長は去っていく。

    施す術もないくらい完敗し更に課長の色気にとどめを刺された私は、下を俯き、色気もないただのぺたんこ靴の自分のつま先をしばらく見つめるしかできなかった。

    おしまい

    +36

    -8

  • 1779. 匿名 2024/04/14(日) 22:10:47 

    >>833🐢⚠️🍉解釈違い
    憧れの不死川先輩👔

    「あのぅ…不死川さん、昨晩はお忙しかったみたいですね」
    「・・へ、なんでだ?」
    「だって。言いにくいのですが、昨日と全く同じ服装なので」
    それ👈🏻。と取れかかっている右手のボタンを控えめに指差した。
    「やっべ!バレた?」
    ほら、やっぱり…。きっと、素敵な彼女さんとラブラブな時間を過ごしてるに違いないよね。

    お隣の不死川先輩とは、ここ最近、親しくなってきた矢先だった。「今度休みにどっか行こ!」って誘ってくれたけれど、社交辞令に決まってるじゃない……
    私を期待させた仕返しにと、ちょっぴりいじわるに言い返してみる。

    「充実されてるみたいで羨ましいなぁ」
    やっとのことで作り笑い。口元が引きつってるの、自分でわかってる。目元は笑ってるハズだから、まだマスクを外さなくて良かったと思ってみたり。

    「あーー…、そういうことにしといて!頼む、見なかったことに🙏🏻」
    (やっぱりそうなのかぁ…)と口をつぐんだ。胸がちくんと痛むのは気のせい。

    「なんてなwそんなカッケーこと言ってみたい人生だった!」
    「え……どうして??」
    思わぬカミングアウトにびっくりして、不死川さんと視線を合わせた。

    「俺ん家、大家族でさ。」
    ひとくちコーヒーを味わった後、マグカップの持ち手を指でなぞり、照れながら続ける。
    「定時で上がれてもバッタバタ。弟たちを迎え行くだろ、そんでスーパー寄って、家の手伝いして。メシ食ったら習い事の送り迎えだ、風呂だ、洗濯だーーって!」
    「本当ですか、すごいです……!」
    「んで、疲れ果ててコタツで寝落ちしてこの有り様。」

    ━━なんにも言えなくなった。
    不死川さんは、会社で誰よりも集中して大量の仕事をこなしてる。お忙しいのに、私からの拙い質問にも真剣に一緒に考えてくれる。
    自分のことより人のことを第一に想える優しい不死川さんのこと、変に疑ってしまった自分に腹が立った。だから━━

    「そのシャツのボタン、私が付けます!」
    「え、マジ?いいのか?」
    「ご家族を支えている頑張り屋の不死川さんは、一体誰に甘えるんですか?」
    「・・・!」
    「私に、甘えてください…!//」

    目をぱちくりさせていた不死川さんは、おのずと短い眉を八の字にさせ、「さんきゅ」と微笑んでくれた。心なしか、ほっぺが赤いような、、

    「それとですね」
    「どした?」
    「昨日から背中にヨーグルト、付けっぱなしです!」
    「は!?・・・クッソあいつらやりやがったwwつぅかガル山も早く言え!今日これから会議ー!!」

    その後はといいますと。お昼休みにコソコソ給湯室でボタンを付け直し、染み抜きをしてあげたのでした😊

    おしまい💻(二人がお付き合いを始めるまで、あと♡♡日)

    +31

    -5

  • 1861. 匿名 2024/04/15(月) 00:43:23 


    >>833【マニアックお題】

    特に急ぎではなかったが午前中には終わらせておきたい仕事を思い出して少し早めに出社した。
    エントランスでIDカードを翳し、エレベーターに乗り込み振り向くと密かに想いを寄せている同僚が乗り込んできた。

    「おはよ、宇髄が早いの珍しいね」
    「ちと色々あってな」
    階数ボタンを押すと扉が閉まり、エレベーターが上昇する。
    この男は身なりに気を使っていて、2日連続で同じコーデで出社してきた事はない。それが今日はスーツどころかネクタイもシャツも、昨日と同じ…
    「色々、ね…モテる男は辛いってとこ?」
    「まぁな、離して貰えなかったんだわ」
    「ふーん…」
    自分が降りる階で扉が開く

    程々にね──そう伝えて降りようとしたのに、眼の前の扉が閉まった。閉ボタンを押して見下ろしてくる瞳と視線が絡み、逸らせない。エレベーターは上昇する。
    「昨日は──」

    宇髄がその後話したことは、後輩(男)から飲みに誘われ、その後輩が宇髄と張り合って飲んだ結果、案の定泥酔した後輩を送り届けたものの玄関先で盛大に──その片付けやら後輩の介抱で終電を逃したらしい。
    彼の階に到着し、エレベーターの扉が開く

    「まっ、そういう事でな…俺様の朝帰りの原因が男っつー噂が流れんのは地味過ぎだろ、誰にも言うなよ」
    その釘を刺す為に私をエレベーターから降ろさなかったのか、人の気も知らず勝手な人ねと、ため息交じりに了承の返事をして自分のフロアの階のボタンを押す。この不毛な恋心にいつ決着がつけられるのだろうか、エレベーターの扉が閉まると同時に、私の恋心も扉が閉まればいいのに──

    宇髄は締まりかけた扉に腕を差し込んで再びこじ開けると、扉が閉まらないように寄りかかって腕を組み、私と視線を合わせた
    「まだ何かあるの?」
    「誰かに事情聞かれたらお前と過ごしてた、って事にしとくわ」
    「そんなの嘘じゃん!やめてよ!」
    本当にこの男は人の気も知らず──慌ててつい語気を強くした私を宥めるように片手でどうどうと身振りする
    「嘘じゃなかったらいいんだな?」
    妖艶な笑みを浮かべて、射抜くような眼差しを向けられ、言葉を失いはくはくと口だけを動かす私はきっとここ最近で一番間抜けな顔をしているだろう。
    「近い内に落としてやる。俺は狙った獲物は逃さねぇし、一度手に入れたら離さねえ、案外重い男だ。覚悟しとけよ」

    一体何なのよ──
    「とっくに落ちてるっての…」
    扉が閉まり下降していくエレベーターの中に私の呟きが響いた。
    重い男…上等だよ。こちとら数年片思いを拗らせている。
    今日、惚れた男の沼に更に深く沈められた。

    その日の昼前に彼を見かけた時には、ネクタイとシャツは別のものになっていた。後日知ったが、汚れたときの為にロッカーに替えを置いてあるとの事で…

    おわり

    +31

    -7

  • 2542. 匿名 2024/04/16(火) 14:35:54 

    >>833
    マニアックお題回答
    そういう事にしておいてください ⚠少々長くなってしまいました

    いつもはきちんとしてる我妻さんが珍しく遅刻、しかもシャツは昨日のままだ。昨日は全員定時で帰ったのに…
    遅刻も、同じシャツを着て来た事も、とりあえず自分が知っている限りなかったはずだ
    バタバタと現れた我妻さんが「ごめん、鍵と資料代わりに預かっててくれたんだよな」と声をかけてくる
    部署内のなんとなくソワソワした…何か言うかな聞くかなという一瞬の空気を無視もできず、これは直属部下の私が聞くしかない
    「いえ、それより遅刻珍しいですね、昨夜忙しかったんですか?」と聞くと、「あ?あぁそう、そうなんだよね、ほんっとそうなんだよ。忙しくて。」と答える。これで役目は果たした…よね…?
    預かった物を渡したり一通り連絡を終えると、
    カラカラ と椅子が近付いてきて、「あのね、なんで、なんで聞くかな!君が昨日公園であんな泣いてるから、付き合って散々飲まされたんですけど」と小声で言ってくる
    「ですよね、すみません💦だって昨夜はありがとうございましたも変な誤解されそうだし、みんなの空気無視できないじゃないですか」
    「ほんと君さ、…は〜…」
    「かわいい部下の為にありがとうございました」別れ際にしっかりお礼を伝えたので、今度はふざけて言ってみる。かわいいは図々しかっただろうか
    「そ。かわいいんだよな。」
    「え?」
    「かわいくて、泣かせたくなくて、放っておけなかった」
    「えっちょっと待って我妻さ」
    「あれー?ガル山顔赤いけど大丈夫?熱ないか?」
    「声大きい!なんでもないです!平熱です平熱!」
    この人なんなの?いつももっと優しくて、仕事もスマートで、でも今目の前で、男の子みたいにちょっと意地悪な顔で笑っている。こんな急に、恋に落ちるものなんだろうか。
    「嫌じゃなければ、今度ちゃんとデートしようか、ガル山。」
    「…いいですよ」
    「じゃあ金曜日に」

    +35

    -6

  • 2552. 匿名 2024/04/16(火) 15:29:22 

    >>833 【マニアックお題】
    ⚠️解釈違い、他キャラ友情出演あり。書いたら長くなりまして、2つに分けます。の1/2

    『おはようございます』
    「あぁ、おはよう」
    隣の席の伊黒先生が、朝礼開始ギリギリに出勤してきた。いつもは自分より早くに来ている先生が今朝はなかなか出勤しなかったから、密かに心配していた私は心の中で安堵した。
    朝礼が終わり、椅子にどさりと座るなり、伊黒先生が盛大にため息をつく。私はちらりと横目で様子を伺った。────やっぱり……先生のスーツもシャツもネクタイも、昨日と同じ物だ。
    いつにも増してどことなく哀愁と疲労感が漂う先生の、艶やかな黒髪が少し乱れている。いつも清潔感のあるきちんとした服装を心がけている先生にしては珍しいと思った。昨日、先生は仕事が終わるとすぐに、慌てるように帰宅した。きっと、そうまでして早く会いたい誰かに会いに。服が昨日のままということはつまり、昨晩はどこかに泊まったということで…想像するだけで気持ちが沈んだ。
    私がキメツ学園に赴任して以来、ずっと密かに想い続けている人───それが伊黒先生だ。この学園で二度目の春を迎えた今もまだ、想い続けているだけで何の行動も起こせてはいないのだけれども。これまで先生に女の影を感じたことは無かった。なので私は仕事の合間に先生との他愛もない世間話を楽しむ日々を満喫し、いつか自分の気持ちを伝えることができればいいなくらいに呑気に構えていた。でも───そうしている間に、誰かにとられてしまったということか。呑気すぎた自分に、今更になって腹が立つ。
    ─『昨晩はさぞかし熱い夜をお過ごしになったみたいですね』……なんて嫌味を先生に言える筈もなく、自分の中に芽生えた醜い感情をぐっと押し殺す。
    『先生が朝礼ギリギリだなんて、珍しいですね。昨晩は忙しかったんですか?』
    なんとか直球を避けて、遠回しに様子を伺った。
    「あぁ────少々な」
    なにが少々よ。彼女とデートだったんでしょ。
    訊いてしまってから自分で後悔した。話を続けるだけ悲しく、虚しくなりそうだ。もうこの話題には触れるべきではないと思って話を切り上げようと、隣に座る伊黒先生にもう一度視線を遣ったところで気が付いた。目が充血しているし、肌艶も悪い。元々血色の良い方ではない人だけど、今日はより一層生気が無い。目の下にクマも出来ている。昨日と同じ服は、よく見ると所々が汚れている。そして何より────
    『先生………鏑丸は?』
    そう、いつも肩に乗っている鏑丸がいないのだ。
    伊黒先生の眉毛がいつも以上に下がり、見るからに情けなさそうな表情になる。
    「………いないんだ…」消え入りそうな声で、先生がぽつりと呟いた。
    『えっ?────いつから?何かあったんですか?』
    「昨日からずっとだ……6コマ目の授業が終わってここに戻って来て、気付けば姿が消えていて、それっきりだ」
    『えぇっ?!!』思わず大きな声を出してしまい、職員室の視線を一身に浴びて私は口を噤んだ。
    「昨日からずっと探しているが、見つからなくてな」先生が顔を手で覆い、また大きなため息をつく。
    あーもう!そんな大変なことになっていたのに、いるかもわからない先生の彼女に嫉妬してただなんて私の大バカ!!自分の頭を殴りたくなる。
    「校内はひと通り探したし、もしやと思って自宅もその途中もみんな探した。でもいないんだ。もしかして事故にでも遭ったか、鳶にでも攫われたか………」
    縁起でも無いこと言わないでと言いかけたが、全くあり得なくも無いから下手に口には出せなかった。

    (続きます)

    +33

    -6

  • 13849. 匿名 2024/05/07(火) 21:27:45 

    >>13843⚠️解釈⚠️見切り発車⚠️自萌え⚠️😼社長。お題>>833同じシャツ、そういうことにしといてください
    年上の後輩📿⑫


    「まさかと思うが俺の会社内で手を出したりしてないよな?」
    昨日と同じシャツを見て山本さんが目を見開いた。

    「まさか。拾って頂いた恩人にそんなことをすると思いますか。」
    「しかねない。手負いの熊みたいな隙を見せるんじゃない。俺の会社にはハンターの女しかいないからな、狙われるぞ。」
    「手負いの熊を?恐ろしいな」
    つい笑うと山本さんは片眉を吊り上げてみせた

    「だいたい、俺は恩を売ってない。おまえが急に誘いに乗っただけだ。
    あの開発計画、本格始動前に抜けた理由はなんだ?今夜吐いてもらうからな。」
    「調べたんでしょう?その通りたいした理由はないですよ。元々、ある程度整えば抜ける予定でした。」
    最後に会社を去る時に、追いかけてきた彼女のことを思い出した。
    泣きそうな顔をしていたから、慌ててエレベーターに押し込めた。どうしました、と声をかけた途端に涙が落ちてしまった。

    はあああ、とため息をついてデスクに腰かけた。
    「なるほど女か。ろくでもない。」
    「そういうことにしといてください。ボス、これ送っておくので確認をお願いします。」
    「……やることやってるからといって俺はおまえを甘やかさないからな。
    悲鳴嶼は使われているくらいが丁度いい。」
    私のヨレた襟を整えると、山本さんは自分の席へスタスタ歩いていった。


    エレベーターの中で、彼女ははらはらと涙をこぼしながらじっと私を見ていた。こんなに無防備なひとだっただろうか。タイムリミットのあるエレベーター内で先に根をあげたのは自分だった。
    「…そんな顔をしたら駄目だ。あなたは他の男のものなんだから。」
    目を瞬かせて、恥じ入るように下を向いた彼女が弱々しく呟く
    「どこにいくの」
    「前から約束しているところがあって、そこへ。」
    「もう会えないの」
    見なくてもわかる、ぐちゃぐちゃに泣いてメイクは落ちているだろう。
    「私はあなたを、出会う前から知っています」
    振り向いて、顔を上げさせる。吸水性の悪いビジネスハンカチで擦らないように彼女の顔を拭った。
    別系列の女性幹部となる枠で採用されていた彼女は、男たちの中で本当によく頑張っていた。社内冊子に取り上げられているところを度々見かけた。だがその頑張りは『そこまでのこと』だとも分かっていた。どんなに優秀だとしても、この会社では、女性ならば行けるところが限られている。

    彼女が女性として初めての、そして異例のスピード出世を遂げ、彼女のために新しいポストが作られようとしていた。そのインタビュー記事が社内冊子に載った。

    彼女はここまでだ。
    新しいポストはそのために作られるものだ。悲しい気持ちになりながら読んでみると、ひとつの文に目が止まった。
    『もう少し、もう少しだけと思いながら、毎日走っています。』
    彼女も分かっている。わかっていながら足掻く姿に、強く惹かれた。




    +25

    -6

  • 15654. 匿名 2024/05/10(金) 22:40:05 

    >>15226 お誕生日🎂💐
    >>833 そういうことにしておいて下さい
    🔥⚠️🐦‍⬛(3/1)

    溌剌とした青空に、初夏の爽やかな風が髪を揺らす。
    カラッとした性格で今日がお誕生日の煉獄課長にお似合いの陽気だった。

    私はと言うと、公園のベンチで暗い気持ちのままお昼ご飯のサンドイッチを食べている。

    ─────遡ること数日前。

    その日の前日は定時に帰ったはずなのに、いつもきちんとしてる憧れの煉獄課長が遅刻してきて、おまけに昨日のシャツのままだった。

    なにか理由があるなら知りたかった。聞き耳をたてていると、

    「うちのカナメが…」
    「カナメが可愛くてな…」と嬉しそうな課長の声。

    え、ちょっと待って!
    カナメって誰よ?
    彼女?できたの?カナメちゃん?叶芽ちゃん?
    そのような名前の女の子はうちの会社には存在しない。カミナリに打たれたように動けなくなって、頭が真っ白になって息が苦しくなってきた。目眩もする。

    どうにか絞り出した声でとなりの席のモブ田さんを小声で呼んだ。
    「…煉獄課長って彼女できたんですか?」
    「えっそうなの?知らないけどー」

    興味なさそうにデスクの上の資料を見つめてこちらを見ようともしない。
    そうか。それならば自分で確かめるしかない。

    と思った時には課長はもう既に外出してしまって姿が見えなくなっていた。

    午前中は全く仕事が手につかず、気分を切り替えようと社食に行けば、
    「煉獄課長のカナメ見た?可愛いよねー」「見た見たー!」「私カナメ推し!」「課長も相当惚れ込んでるしねー」
    と、同僚たちの盛り上がる会話が耳に入った。

    「えっ、見せてもらったんですか?!」
    「うん。スマホの待ち受けにしてるし、カナメめっちゃ可愛いからガル山さんも見せてもらいなよ」

    みんなでカナメ…カナメ…って
    課長の彼女そんなに可愛いんだ…
    そうだよね。課長がいい男なら釣り合う彼女もそりゃいい女だわな。

    心にダメージを受けつつくるっと振り返るといつもの様に元気いっぱいに社食の天丼大盛りを頼んでいる課長を見つけてダッシュした。

    「あの…!!!!!課長はせっかちだから単刀直入に聞きますけど!!!!彼女できたんですか?」

    つづく

    +22

    -6