ガールズちゃんねる
  • 8178. 匿名 2024/04/27(土) 02:03:28 

    >>8177 ⚠️出られない部屋シリーズ💎②
    ⚠️何でも許せる人向け!鬼の顔は遊郭編の蚯蚓帯っぽい顔を思い浮かべてください ⚠️🐚?

    『んんッ!?んうんんんん〜〜〜ッ!?』

    目を閉じ損ねた私の視界に入ってきたのは、あろうことか音柱様が目と唇だけのキモ鬼にくち◯けを食らわしている姿だった。

    え"っ!!そっち!?私とじゃなくて!?!?
    嫌…嫌ァ音柱さまぁぁぁぁぁぁ…

    あまりのショックに崩れ落ちることすらできず固まってしまった私と対照的に、ピンクの部屋がぐにぐにと揺れ始める。

    『んん…あ…なんだこれ…なんだか気持ちいい…』

    「ダメダメダメーッ!!嫌です音柱様〜ッ!!」
    気付いたときには私は音柱様に体当たりして唇鬼から引き剥がしていた。
    「てめっ…がる山!俺を信じろって言ったろ!」
    「ダメですッ音柱様にこんなことさせられません!それならいっそ私がぁッ!」

    ぶっちゅう!!

    『!?!?!?』
    「がる山!こんのバカっ!何考えてやがる!女のテメェじゃ意味がねぇんだよ!離れろッ!」
    「嫌です〜(号泣)鬼とはいえ声にやたら色気がある女性と!音柱様がこんなこと…。うぇっ生臭っ、げぇほげほげほっ…」
    「鬼に生身でぶち当たるなんて危ねーだろうが!お前に何かあったら俺はっ…」
    「それは音柱様だって危ないじゃないですかっ!」
    「危害が無いように忍法を使ったんだよ!薬返しの術!甘い匂いがしたろ?あいつは今俺に惚れてるから大丈夫なんだよ!」
    「なんですかそれ!聞いてませんし!音柱様の口からなんかその一連の言葉聞くのも嫌です〜…!」

    『…お前たち…』
    こちらサイドの混乱を静観していた鬼が口を開いた。

    『…アタイは人間時代…誰にも愛されなかった…ましてやこんなふうに誰かに口吸いしてもらえたり、そもそも女扱いさえされたことがなかった…。それをお前たちは接吻してくれて…色気があるだなんて言ってくれた…なんだかすっかり満たされちまったよ…』
    「え…そ…それじゃあ…」
    『あぁ…もう心残りもなくなった…。お前みたいな超絶男前の鬼狩りに昇天させられるならそれも本望だ…お前の刀でここのあたりをひと突きしておくれ…』
    え…昇天てそういうこと?それでアリなの?こちらとしちゃ有難いけど…

    音柱様が鬼の示した場所に日輪刀を突き刺すと、ピンクの部屋がぐにゃんぐにゃんと大きく揺れ出した。
    『…これでいける…お前たち…悪かったねぇ〜…』

    私と音柱様は夜の森の中に放り出されると、背後で大きな音がしてピンクの部屋は消滅してしまった…。
    (つづく)

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  • 8179. 匿名 2024/04/27(土) 02:18:16 

    >>8178 ⚠️出られない部屋シリーズ💎③ラスト
    ⚠️なんでも許せる人向け!連休前の深夜ノリ許せる人向け! ⚠️🐚?

    「がる山、オイがる山大丈夫か!?」
    草の上で脱力してしまって立てずにいた私の側に、音柱様が慌てて駆けつけてくださる。
    「あ…ハイ、大丈夫です。色々衝撃展開すぎて…」
    「派手なのか地味なのかわかんねぇ鬼だったな…」
    「…ですね…」

    引っかかっていたことを思い切って聞いてみる。
    「音柱様こそ…2本もお薬飲んでしまわれてお身体大丈夫なんですか?…それにどうして始めからその…せ、接吻を私になさろうと思われなかったんですか…?」
    「俺は毒も薬も大して効かねぇからな、お前と一本ずつ飲むよりも勝算があった。それにお前は大事な…仲間だ…たかが鬼の指示でそんなことできるわけねぇだろ。第一、鬼の提示したお題には主語や対象が明記されてたわけじゃなかったからな。誰が何を飲んで、誰に何をしようが構わねえだろと思いついたまでだ」
    こちらの身を案じてのこととはわかっていても、音柱様と口付けできる絶好の機会を逃してしまった落胆の方が正直大きい。

    「それよりがる山…お前は地味に平気なんだな?」
    「はい?何がですか?」
    「薬返しの術は忍法だからな。元々鬼に対して使うものじゃなくて対人用だ。…だから、お前にも負担がかかったんじゃないかと…」
    「あーそれなら元々音柱様をお慕いしてる私には無駄な術でしたね、あはは」
    「・・・」
    「はは…は…」

    自分が何を口走ったか気付いたときにはもう遅かった、音柱様が目を見開いてこちらをじっと見つめている。
    「あ…あの…聞かなかったことには…」
    「それはできねぇ相談だな…」
    「も…っ申し訳ございません!お忘れください!」
    「忘れたくねぇって言ったら?」

    音柱様の大きな手のひらが、私の両頬を包む。
    「何だよ、こんなことならハナからお前に口付けちまえばよかった」
    ふ…と目の前で愛しげに目を細める音柱様の柔らかい笑顔と、両頬に感じる手のひらの暖かさと、気持ちの追いつかない急展開に心臓が口から飛び出てきそうだ。

    「…ま…待ってください音柱様…わたしたち今…口が生臭いです…」
    「ぅぐ…っ」
    さっきの吐き気のする感触を思い出させてしまったようで、さすがの音柱様も青ざめる。

    「…仕方がねぇ、屋敷に戻って口をゆすげるまで口吸いはお預けだ。急いで戻るぞ」
    「は…はい!」
    音柱様は私をお姫様抱っこすると両腕を首にまわさせた。きゃっ…夢みたい…♡♡♡

    「それとがる山…屋敷に戻るまでにその先も覚悟しておけよ?」
    「はい?」
    「薬、大して効かねえとは言ったが全く残ってねぇワケじゃねぇからな。さっきの告白を聞いてから、お前が可愛くて辛抱たまらねぇんだ…」
    「(ぎゃあっ…反則!アップでその顔反則ですー!)はっはいっ!私でよければ…受け止めさせてください!」
    「何言ってやがる。私でよければじゃなくて、お前がいいんだよ。よし!ド派手に戻るぜ!しっかり掴まっておけよ!」

    鬼〜!!ありがと〜〜〜!!!!!!

    (おわり)

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