ガールズちゃんねる
  • 7582. 匿名 2024/04/25(木) 22:15:19 

    >>7568趣味全振り 4話目
    ⚠解釈違い⚠💎※見切り発車※長文です
    ※何でも許せる方向け※話が進む中で🐚予定


    「ところでさ、大学時代は天元さんと仲良かったの?」
    モブ美が意味ありげに微笑み、思わずお酒を噴き出しそうになった。元カレはそこで明るく否定した。
    「いや、ホントにただの友達だよ。サークル仲間で飲みに行ったよな?あの頃がホント懐かしいよ」
    「……」
    懐かしい訳がない。サークルそっちのけで遊んでばっかりだったクセに、と心の中で毒づいた。
    饒舌に話す元カレに対し、モブ美は興味深そうに頷きながら聞いている。こっちは話の内容に終始ヒヤヒヤする。うかつに当時の私達の事を話されたら困るからだ。元カレだったなんてモブ美には知られたくない。
    「モブ美さん、もう一杯どう?ほら、そっちもグラス空いてるけど何か───」
    元カレが私に笑顔で尋ねてくるが、無表情で返す。
    「ウーロン茶でいい」
    「またかよ。せっかく俺が奢るって言ってんだ。なんか頼めよ。こう見えて、店出す前にあちこちで修行したんだからさ」
    「───じゃあ、モスコミュール」
    すると元カレが柔らかく微笑んだ。
    「相変わらず好きなんだな、これ。変わってねえなホント」
    不意に優しげに言われ、一瞬胸がギュッとなる。懐かしさが込み上げてくるのをどうにか抑える。
    (…あっぶない。心を許すな、重たいんだよって言った時の冷たい顔!それが本性なんだから)
    そう思いながら出されたモスコミュールに口を付ける。居酒屋で飲むよりも甘さが控えめてピリッとした辛みがある。加えて爽やかだ。
    「あ、美味しい」
    「定番だけど、ジンジャーの擦り下ろしを入れてるから後味がピリッときて美味いだろ」
    「…ちゃんと真面目にバーテンダーやってるんだ」
    「そうだよ。少しは心を入れ替えてね」
    私への当てつけか、わずかに言葉を強調した。
    するとモブ美が口を挟んできた。
    「えー、昔はどうだったの?すっごくモテたでしょ。泣いた女の子たくさんいそう」
    モブ美の言葉にもう一度噴き出しそうになる。
    (…いるよ、ここに。私はきっと泣いた女の子の一人だろうけど)
    私は元カレの顔を見る事が出来ず、再びお酒に口を付けた。

    つづく

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    -6

  • 7585. 匿名 2024/04/25(木) 22:19:18 

    >>7582
    あなたは私の心が読めるの?ってくらい好きな展開すぎてたまりません🤤
    いやほんと…(語彙力)
    ほんっとに…(語彙力)

    +22

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  • 7591. 匿名 2024/04/25(木) 22:24:07 

    >>7582
    あぁ〜更新待ってました💎どんな気持ちでガル子ちゃんと話してるんだろ宇髄さん。もう既に胸がキューッとするー。

    +25

    -4

  • 7596. 匿名 2024/04/25(木) 22:26:11 

    >>7582
    ドキドキとザワザワが止まらない...
    続き楽しみにしてます☺️

    +22

    -2

  • 7600. 匿名 2024/04/25(木) 22:28:35 

    >>7582趣味全振り 5話目
    ⚠解釈違い⚠💎※見切り発車※長文です
    ※何でも許せる方向け※話が進む中で🐚予定


    モブ美の問いかけに少し考えた後、
    「あー、まぁ正直、泣かせた子はいたかな」
    話を逸らすかと思いきや、素直に話し出す元カレに私は動揺した。
    「え、付き合ってた彼女?」 
    「そ。俺が原因で別れたんだ。かなり傷付けたし、今でも後悔してる」
    「連絡取ってないんですか?」
    「…取ってないよ。音信不通にしたから今どうしてるかもわからない」
    「……」
    私はモスコミュールの炭酸がグラスの中で弾ける様子をずっと見つめていた。顔を上げられない。昔の事を色々思い出してしまう。すごく好きだったのにどうしようもなくて、ケンカしては泣いての繰り返しだったあの頃を。
    (せっかく、ここまで立ち直ってたのに)
    治りかけの傷をえぐられるような気持ちだった。
    元カレは一体どんな顔してそんな話をしているのだろう。後悔してる?そんな事絶対にあるわけない。
    元カレの事だ、私以外にも本気になって泣いた子がいたかもしれず、後悔しているなんて私の事を言ってるとは限らない。相変わらず元カレの気持ちなんてわからないのだ。
    だから、余計に苦しくなる…
    もうこれ以上ここに居たくない、そう思った。

    「ごめんモブ美!うちの彼氏から連絡来ちゃった。迎えに来てくれるって」
    私はバッグからスマホを取り出してLINEを開き、慌てたようなフリをした。
    「え!?今日はずっと私と飲むんじゃなかったの?今から面白い話が聞けるかと思ったのに〜」
    モブ美が心底残念そうな顔をした。
    「ホントごめんね。私だけ帰るからゆっくり飲んでて。あと私の会計分…」
    「いいって。俺の奢りだって言ったろ」
    「じゃあモブ美の事よろしく。あと、わかってると思うけどあまり酔わせないで」
    つい怒ったような口調になる。
    「そんな事するわけねえだろ」
    「とにかくお願いね。大事な友達だから」
    私はモブ美にもう一度謝って、元カレの事は見ないように店を出た。

    つづく

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