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7474. 匿名 2024/04/25(木) 20:31:11
>>7471 『おいしいコーヒーが飲みたくて』⑩最終話
⚠️伊黒さんとウィーン🇦🇹で出会う話 ⚠️季節は3月のつもり ⚠️趣味に全振り
「ねえ、この数日間一緒にいてくれてありがとうね。ザルツブルクは一人で行ったはずなのに伊黒くんといっぱい話して一緒に観光したみたいな気持ちになって。昨日のハルシュタットも連れて行ってくれてありがとう。私ずっと楽しかった」
ケーキの最後の一口を食べ終えて、いよいよこの旅も終わる。旅の終わりに伊黒くんに直接きちんとお礼が言えて良かった。
「ハルシュタットに連れて行ってくれたのは君の方だろう」
伊黒くんが可笑しそうに小さく笑う。
「君がハルシュタットに行くと言わなかったらきっと俺は行くことはなかった。楽しかったのは俺の方もだ。久しぶりにこんなに誰かと過ごして誰かと話した」
優しい瞳に見つめられそんなことを言われると、好きとか恋とか勘違いしてしまいそう。そうだ、勘違いだ。伊黒くんは異国で一人留学中で、言葉や生活にきっと不自由もある中で同じ日本人に出会って少し安心した。その日本人が困っているようなので助けてくれた、それだけのことだ。私は単になんでも話せる話し相手だっただけなのだ。それじゃあ私は話し相手に徹すれば良い。
「私で良ければ夜とか長電話できるよ。社会人って時間なさそうに見えて、予定のない一人暮らしの社会人は平日の夜とか時間持て余してるの」
「時差あるの分かってるか?」
「確かに。じゃあ土日だ」
私の安直な提案に、伊黒くんは言った。
「じゃあ、君の週末を俺にくれるか?」
その一言に、私は今日も胸をドキンとさせられる。彼の射るような瞳から逃げるように目を逸らしてテーブルの上の飲みかけのメランジェに視線を落とした。
(伊黒くん、やたらドキッとする言い回しするよね。まあ誰かに聞かれたところで日本語の分かる人はいないけど)
「じゃあほら、日本食とか恋しかったら送るよ。社会人はお金の使い方も自由だから」
「それには及ばない。俺も4月には帰国するからな」
ドキドキする胸を落ち着けようとしてるのに、そこに衝撃の発言をされる。
「えええ?じゃあ時差なんてなくない??」
目を丸くして伊黒くんを見ると、伊黒くんは確かに、と口元に手を当ててふふっと笑う。
「じゃあ、美味しいコーヒー屋さん教えてあげる。鬼滅公園分かるでしょ?その近くにあるの。今度は私が案内する」
「ああ、コーヒーも君との週末の時間もどちらも楽しみにしている」
伊黒くんは頬杖をつき、手のひらで支えるその顔は楽しそうに笑っている。
伊黒くんに会うのは昨日が最後だ、今日これが最後だと会うその度に思っていたのに、今日もまた私たちは次の約束をしている。落ち着かせようとしていた胸の高鳴りはもはや抑えられそうにない。もうこれ以上、この真っ直ぐな瞳から目を逸らせない。
「ねえ、そう言えば思い出したドイツ語があるの。多分、合ってる」
伊黒くんの綺麗な瞳が私の次の言葉を待つ。私も真っ直ぐその瞳を見つめ返す。
そう、多分合ってる、きっと私の心も。
「多分、Ich liebe dich.(意味:私はあなたが好き)」
私の言葉に、伊黒くんが驚いたように、照れたように僅かに口元を歪ませる。そしてすぐにいつもの涼しい表情に戻ってその口を開いた。
「ああ、合ってるみたいだ。そしてその返事は、Ich dich auch.(意味:私もあなたが好き)」
隣のテーブルでコーヒーを飲むこちらの土地の好好爺に私たちの会話が聞こえていたようだ。彼は微笑を湛えてこちらに向けてぱちぱちぱちと手を叩き、私たち二人を祝福した。
おしまい
(プラスやコメント、読んでいただきありがとうございました!
いただいたコメント、どれも本当に嬉しかったです😊)+35
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7484. 匿名 2024/04/25(木) 20:48:09
>>7474
うわー!すごく良かったー。
一緒にウィーンを旅行している気分にもなれたし、要るものと要らないもののくだりもめちゃくちゃ刺さりました。
すごく好きなお話だったのでちょこちょこコメントもさせてもらっていましたが、ハッピーエンドにリアタイできて嬉しい✨
2人の未来に幸あれ🪄+28
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7488. 匿名 2024/04/25(木) 20:51:55
>>7474
連載お疲れ様でした✧︎*。
異国の地で繰り広げられるストーリー、現地はきっと素晴らしい場所なんだろうなって思いながら読ませてもらっていました。
ドイツ語での告白がカッコよくて、それを聞いていたおじいちゃんが祝福してくれるというホワホワする演出まで込みでときめきました♡+21
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7527. 匿名 2024/04/25(木) 21:29:39
>>7474
伊黒さんにすぐまた会えるの嬉しい♡と思ってたらドイツ語で告白しあうの素敵🥰
素敵な旅を私までした気分💞
読ませてくれてありがとう+26
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7532. 匿名 2024/04/25(木) 21:33:05
>>7474
連載お疲れ様でした☕他嫁ながら、伊黒さんとの異国旅行にきゅんきゅんし、ほぼ毎回🌾させていただいておりました✨ウィーンとザルツブルグは行ったことがあるのですが、そこで食べたものや美しい街並みを思い出しました🥰ハルシュタットは行ったことがなく写真だけだったのですが、美しい景色が目に浮かぶようで…✨このお話を読みながら本当に訪れたような気持ちになりました☺️
素敵なお話を読ませてくださってありがとうございました🤗💕また何度でも読み返したいです。
+24
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7542. 匿名 2024/04/25(木) 21:38:38
>>7474
長文お疲れ様です。
一緒に楽しい旅をしているようでした、2人がハッピーエンドでとても嬉しいです!
ありがとうございました😀+21
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7555. 匿名 2024/04/25(木) 21:47:09
>>7474
はぁぁ✨✨とっても、素敵でした。
オーストリアの美しい情景が浮かんできてその世界に入り込んで旅をしたみたいな気分になりました。
メランジェ、飲んでみたいなぁ。最後の告白の場面もオシャレでドキドキしちゃった♡伊黒さんとの未来に胸が高鳴りますね。
読んでいて心が癒やさせる様な素敵なお話をありがとうございました。+21
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7556. 匿名 2024/04/25(木) 21:47:17
>>7474
とっても素敵でした!
オーストリアの美しい情景の浮かぶ綺麗な文章で、自分も一緒に旅をしているような感覚になって毎回楽しませていただきました。
要るもの、要らないもののくだり、私も好きで何度も読み返しました。
ラストのドイツ語の告白も本当に素敵でした✨
連載お疲れ様でした!
素敵なお話を読ませてくださりありがとうございました♡+23
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7717. 匿名 2024/04/26(金) 06:10:22
>>7474
連載おつかれさまでした
オーストリアの街並みを伊黒さんとガル子さんが仲良く散策している様子が仲睦まじく素敵でした
一緒に観光している気分で拝読しておりました
三月という時期設定&ドイツ語の記憶が朧げなガル子さんの設定回収がお見事だと思いました
作中の伊黒さんもガル子さんもこんな素敵なお話を紡がれた作者さまも、Ich liebe dich.です!+26
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7751. 匿名 2024/04/26(金) 09:10:14
>>7474
ずっと旅行気分で読んでいて、今最後まで読みました
最初はドキドキしながら旅をしていたガル子ちゃんが、地下鉄をするりと抜けてカフェに向かって街を走っていくシーンが凄く好きです
ラストのドイツ語の告白シーンもとても良かった…好好爺に混じって私も拍手したくなりました
伊黒さんとガル子ちゃんがカフェの後に鬼滅公演でのんびりしている姿まで想像してしまいました、2人お幸せに💕+26
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8192. 匿名 2024/04/27(土) 07:41:53
>>7474
🐢完結お疲れ様です。
旅の始まりから終わりまでとてもロマンチックでドラマチックでした✨
最後のドイツ語の告白、現地の方からの祝福のシーンもすごく素敵。カフェツェントラルはどんなお店だろうと検索してみたらこちらもすごく素敵なお店ですね。ああ、語彙力なくてすみません
お話の世界観や異国の風景にどっぷり浸かりました!大好きなお話です。うっとりするようなお話をありがとうございました!+23
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