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6935. 匿名 2024/04/24(水) 12:39:22
>>6934 続き
⚠️🌫もガル子も芸能人 ⚠️第三者目線
⚠️自萌に突っ走り気味ですいません
『真珠の耳飾りのガル子』③
「あっそうだ!今度ね、いつも出てる雑誌でカフェ巡りのコーナーつくってもらえることになったの」
「いいね。今度さ、君のお気に入りのカフェに連れて行ってよ?僕らのマネージャーや兄さんも一緒に」
「そんなことしていいのかな?写真撮られたりしたら大変じゃない?」
「だからそのために大人数で行くんじゃない」
「あ、そっか…」
「まぁ僕は君とだったら、──噂になっても構わないんだけどね…」
無一郎くんはガル子に身を寄せると、右の耳元でそっと囁いた。
ガル子は右耳(あたしのことも一緒に)を抑え、かあっと頬を赤らめた。
「ちょっと…もう」
無一郎くんの吐息(薄荷みたいないい匂い)がダイレクトに吹きかけられたあたしも一緒に赤くなる。──このままピンク色に染まってしまわないか、心配になるくらいに。
無一郎くんだけが、余裕の笑みを浮かべていた。
「これ僕のマネージャーの連絡先。ここに僕の連絡先も書いといたから、あとで連絡して?」
「わかった」
ガル子は無一郎くんから名刺をもらうと大事そうにしまった。
「いつも思ってたんだけどさ。これ、素敵だよね」
無一郎くんがあたしのことをぎゅっと摘んだ。柔らかな指があたしのカラダをそっとなぞる。……もうっ。あたしはまた、ピンク色……//////(興奮のあまり以下略)
「ありがとう。ママから貰ったの。仕事に行くときはいつもつけてるんだ。お守りなの」
「そうなんだ。清楚で可憐な君の雰囲気によく似合ってるよ」
無一郎くんが目を細めて言った。
ちょっと、もう……!色々とびっくりしたわよ。
無一郎くんて本当にとんでもない子!!
本当にガル子と同い年の14歳なの?
あたしは火照ったカラダをぷらぷらとさせて、ぱたぱたとあおいだ。
続く
+27
-5
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6936. 匿名 2024/04/24(水) 12:41:56
>>6935 続き
⚠️🌫もガル子も芸能人 ⚠️第三者目線
『真珠の耳飾りのガル子』④《終》
「ねぇ、無一郎くんはさ。こんなに忙しいのに私と一緒にカフェに行く時間なんてあるの?」
「時間はあるものじゃなくてつくるものだよ。いくらでもつくる、君のためなら──」
──あら、なんてかっこいいの。あたしは関心して、また惚れ惚れとしてしまう。
他にもガル子に言い寄ってくる男の子はたくさんいるけれど、ミュージシャン?は浮ついてて胡散臭いし、子役上がりの役者は甘やかされていて自己中心的な印象。同級生の男の子達はまだまだ幼くて可愛いって感じ。だから、あたしは無一郎くんを一番気に入ってるの。──思慮深くて誠実そうなんだもの。この人にだったら安心してガル子のことを任せられるわ。
その時、遠くから声が聞こえた。
「無一郎!そろそろいかねぇと収録の時間に間に合わなくなるぞ」
マネージャーと一緒に現れたのは双子の兄の有一郎くんだった。──二人そろうと圧巻なのよねぇ。
「あ、もうこんな時間か。じゃあまたね」
無一郎くんは手をひらひらさせると、行ってしまった。
「またね!」
ガル子も手をひらひらさせる。
そして、名残惜しそうにしばらくの間無一郎くんが消えていったほうを見ていた。
迷ってるふりしてたけど、あなたは絶対に無一郎くんとカフェに行くわ。──それも彼が提案した通りのメンバーで。
彼の余韻にうっとりしているあたしとガル子のことを、左耳の真珠のイヤリングが呆れたような表情で見ている。(あなただってガル子の可愛いモデル仲間が近くに来ると、鼻の下伸ばしてるくせに!)
──そう。あたしは、ガル子の右耳の真珠のイヤリングなの。
遠い昔、海の底で眠っていた頃のことはもう全然覚えていないんだけど、あたしには装身具として生まれた瞬間からずっと〝つがい〟がいる。
でも人間ていうのは生きていく中で、つがいとなる相手を見つけるみたいね。あたしにとっては、変わった風習だと思うわ。だけど、ひとりよりもふたりでいたほうがきっと楽しいわよね。おしゃべりもできるし。
だからあたしは、こんな風に思ってるの。
──ガル子。無一郎くんがいつかあなたのつがいになってくれるといいわね、って。
おしまい+30
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