ガールズちゃんねる
  • 6879. 匿名 2024/04/24(水) 08:45:20 

    お題 >>630 >>1215 >>3202 >>3883
    ⚠️🌫もガル子も芸能人 ⚠️第三者目線

    『真珠の耳飾りのガル子』①

    大手芸能事務所のカフェはサンルームをイメージしているのか、壁と天井の全面がガラス張りで、陽光がたっぷりと降り注ぐデザインになっている。あちこちに植わっている種類が豊富なグリーンも、めいめい葉を広げたり蔓を伸ばしたりと日光浴を楽しんでいる様子で、どこかの空想世界にある森みたいに神秘的で自由な空間だ。
    ガル子はこの『空中庭園』と名付けられたカフェと相性がいいようで、仕事や学校生活に疲れた時でも、ここに来るとたちまち元気になる。あたしも植物たちの良い香りを吸い込んで、リラックスタイムを楽しんでいた。

    「あ、やっぱり来てたんだ」

    ガル子が無一郎くんに話しかけられた時、彼女はマネージャーから渡された新しい仕事の資料を読んでいた。マネージャーは電話対応でちょうど席を外していたところだった。
    「無一郎くん!久しぶり」
    ガル子がたちまち明るい表情になる。
    無一郎くんは、双子のお兄さんの有一郎くんと『むいゆう』の名で親しまれていて、芸能活動をしている。元々将棋のプロ棋士としてテレビ出演していたが、ビジュアル抜群の双子を業界の人間が放っておくなんてことはなく…モデルの仕事で写真集を出したり、バラエティやクイズ番組にも出演したりしてお茶の間を賑わせている。
    「久しぶりだね、元気にしてた?」
    「まぁまぁ元気。無一郎くんは相変わらず忙しそう。昨日もテレビで見たよ!」
    「実はこの後も収録があるんだ」
    「お疲れ様!大変だ…」
    「まぁね。でも少し時間があったから。ここに来たらもしかしたら会えるかもしれないと思って」
    ガル子が頬を赤らめる。あたしは、いい感じだなぁと思って制服姿のふたりを見守っている。

    続く

    +24

    -6

  • 6883. 匿名 2024/04/24(水) 09:19:05 

    >>6879
    第三者目線の素敵なお話が始まった♡
    ワクワクです🌫✨

    +18

    -6

  • 6934. 匿名 2024/04/24(水) 12:37:16 

    >>6879 続き
    ⚠️🌫もガル子も芸能人 ⚠️第三者目線

    『真珠の耳飾りのガル子』②

    「ここ、座ってもいい?」
    無一郎くんはガル子の右側の席に座ろうとしている。
    「どうぞ」
    あたしは彼が見やすい位置に座ってくれて良かった…と思いながら彼を見つめた。
    「今日もコーヒーだけなの?」
    「うん!」
    「ここ、ケーキも美味しいのに」
    「生クリーム苦手なんだ」
    「チョコとか別の味のもあるよ」
    「…うーん。でも今日は食べない!」
    「徹底してるねー」
    「まぁね」
    あたしは、ガル子が生クリームは苦手だけど、チョコレートは好きなことを知ってる。でもモデルの仕事は生半可な努力だけじゃ成り立たないのよねぇ。
    ガル子は鋼の意志を貫いていて偉いわ。
    「それ、新しい仕事?」
    無一郎くんがテーブルの上に視線を落とす。
    「うん」
    「みても大丈夫?」
    「いいよ」
    無一郎くんが書面に目を通す。
    「これ君が好きなブランドだよね?コラボするんだ、すごいね」
    「ありがとう。ついにだよ!」
    「このタンブラー、買おうかな」
    無一郎くんは水色のタンブラーを指さして言った。
    「買ってくれるの?」
    「だって俺、君のファンだから」
    ガル子が「ありがとう」と嬉しそうに言って、再び頬を赤らめた。

    『──へぇー。よくそんなんで芸能界やってこれたね』
    これは、ガル子が無一郎くんに出逢った頃に言われた言葉だ。その頃、彼女は低迷期だった。
    元々前に出るのが苦手な性格だし、周りの評価を気にする繊細さも持ち合わせている。
    芸能界はシビアな世界だ。無一郎くんみたいな淡々とした物怖じしない性格の子には、合ってると思う。
    『──こんなんじゃ他の子に潰されるよ?』
    無一郎くんに活を入れられて、ガル子も変わっていったような気がする。元々わずかしかなかった負けず嫌いの要素が、日々強くなっている。
    『見た目しか取り柄がなくて、個性がないって言われるんだ』
    自分の持ち味の活かし方がわからないと悩んでいたガル子に、的確なアドバイスをしてくれたのは無一郎くんだった。
    『君の好きなものって何?それを個性に変えていけば良いんじゃないの?僕らも将棋が好きだから仕事にしてるんだよ』
    『……好きなもの?服とかカフェは大好きだよ』
    『だったら、洋服のブランドとコラボしたい、とかカフェ巡りしたい、とか自分から積極的にアピールしていけば良いんじゃないの?』
    『そっかー!ありがとう。やってみるね!』
    あたしは過去のふたりの会話のやり取りを思い出していた。

    続く

    🌾ありがとう♡

    +26

    -3

  • 13988. 匿名 2024/05/07(火) 23:39:34 

    >>13462
    まとめの場をありがとうございます♡以下、まとめとお話の解説、お礼です。

    【お話】
    ①🐍『満月ロゼのおまじない』(2話)>>649
    ②⚡『クローバーを探して』(SS)>>918
    ③🌫『春めいて』(2話)>>930
    ④🌫『10年のキセキ』(10話⚠️🐚含む)>>1235
    ⑤🪓『銀の鍵』(10話⚠️🐚含む)>>4351
    ⑥🌊『イランイランの誘惑』(SS⚠️🐚)>>6158
    ⑦🌫『真珠の耳飾りのガル子』(4話)>>6879

    【2次絵リクエスト🎨】>>1167
    可愛い双子の詰め合わせを描いてくださった>>2418様、美しい双子の王子様を描いてくださった>>11269様、重ね重ねありがとうございました🤗💐✨

    【推しに合う日本のお城🏯】 竹田城跡>>10342

    Part13から参加しているむいくん推しです。このトピに辿り着いた時は🌫神推し状態で、まとめがカラフルになるなんて思ってませんでした😇今回①②で🐍さんと⚡くんを初めて書いてみたのですが、こちらは完全に彼トピの影響です。🐍さんの繊細な美しさに秘められた情熱、⚡くんの明るさの中にある深い安心感が、もう本当に心に刺さって私もお話を書いてみたいと思ったんですね。どちらも🌾たくさんいただけて嬉しかったです。ありがとうございました♡
    ④はずっと構想を練っていましたので、トピ画むいくんの今Partでおとせて幸せでした!(トピ主さん本当にありがとう💕)お気づきの方もいらっしゃったと思いますが、今まで書いた青春ものの集大成です💍✨③は④と対比させて、社会人2年目でむいくんと恋におちる(予定の)ガル子を書いてみました。
    ⑤は前回書いた🌫『白い部屋』の対となるお話です。どちらも職場と大人の恋愛がテーマで、稀に起こり得るトラブルがきっかけとなって身も心も結ばれる話です。合わせ鏡のようでいて一味違った物語になっているといいなと思います。
    ⑥はドキドキしながら投下したのですが、需要あった風な🌾くれた方ありがとうございました😉💙
    ⑦は第三者目線×無機質に挑戦してみました。続編も練り練りしてみます!
    今回も笑いあり涙ありで…本当に楽しかったです😇恋のお話がいくらでも読めて、書いても良いよ…なんて、ここは私にとって楽園のような場所です😌🌴たくさんの🌾とプラスをありがとうございました💕
    またみなさまにお会いできますように…🍀✨

    画像は鬼滅祭で撮ってきた辰年むいくん🐲

    👇前回のまとめ(精神科医🌫や川越デート企画🔥、ブランチ🌊などを書いてました)
    >>12666まとめ置き場ありがとうございます。以下、お話のまとめ&お礼です。?『真... | ガールズちゃんねる - Girls Channel -
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