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5627. 匿名 2024/04/21(日) 23:27:09
>>5616
タイトル「Taboo」
⚠害の無い女子キャラ出ます
⚠義姉弟🌊
⚠何でも許せる方だけご覧ください
②
「何かあった?」
がる子さんに聞かれ、
「…何でですか?」と返すと
「どう見ても落ち込んでるから。進路?それとも恋愛かな?」
…女の人は鋭いな。蔦子姉さんもだけど
いや、あの人は俺の気持ちなんて全く気がついてなかった
でなきゃ繰り返し「義勇は大切な弟だから」なんて言わないと思う
ガル子さんの作ったケーキはいつもうまい
ガル子さんの母親はガル子さんがまだ小学生の時に家を出ていき、以来自分のため、父親のためにと料理の腕を磨いていた
「料理はやらなきゃいけないことだけど、お菓子は趣味だから楽しい」と語っていたのをふと思い出した
その数年後、彼女の母親は一緒に暮らしていた男に刺された
その日家に泊まりに来たガル子さんは、がる実姉さんに泣きついていて、とても痛ましかった
「そういう訳じゃ……でも、そうかもしれない」
「違ったらごめんね、がる実?」
「……っ」
「気が付かないふりしようとしてたの。でも、いつもだったらこんなお誘い断るから、義勇くん。…いくらガル実のこと大切に思ってたって、その、蔦子ちゃんが結婚したって、そこまで落ち込まないでしょ」
「私で良ければ聞くよ。……いくらでも」
そう笑った彼女は、心許してすべてを打ち明けてしまいそうになる、聖母のようだった
続きます
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5638. 匿名 2024/04/21(日) 23:42:38
>>5627
タイトル「Taboo」
⚠害の無い女子キャラ出ます
⚠義姉弟🌊
⚠何でも許せる方だけご覧ください
③(最終話)
幼馴染で親友のがる実が結婚することになった
「結婚式はしないつもりだったんだけど、両親がぜひって」
友達だけのお祝いの会には来てねと言われ、もちろんと答えた
がる実が冨岡家に来たときのことをまだ覚えている
近所にいきなり同い年の女の子が来て、しかもその家の家族になるという
わくわくしない方が無理だった
程なくして私達は親友になったが、私の方は──母が出ていった。何となく予感していた
だから泣くに泣けずにいたのに、がる実が私の代わりに泣いてくれて、私はようやくほっとした
──ああ、私も泣いて良いんだ
そう思った
高校生活も順調で、先の進路を考え出す頃、母が刺されたと連絡があり、警察に呼ばれた
物言わなくなった母親に、私も何と言って良いかわからなかった
がる実の気持ちには気がついていた。……義勇くんの気持ちにも。がる実の恋人で結婚相手はただがる実が好きなんだろうけど、ガル実が好きな相手は貴方じゃない
ねぇ、ガル実
貴方が禁断の果実を齧る勇気があるなら、私は止めなかったよ。でも、背中も推さない
私が言った言葉は毒となって彼女に回ったのだろう
──母が刺されたと連絡のあった日から繰り返し、私は語った
「許されないことしたんだから報いを受けるのは当然だよ。お父さんのことも私のことも裏切って。あれがあの女に相応しい最期だった」
いくら愛していても、冨岡の家に恩義を感じている彼女には、義弟との禁忌を犯せなかったのだろう
──だから貴方の義弟─義勇くんは、私がもらう
親友の愛した人とか、義勇くんもその親友を好きだったとか、どうでも良いほど、私は彼を愛してる
──禁忌を犯し、遠い地で男に刺されて死んだ母親の血は、確実に私に流れているのだ
End+26
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