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5616. 匿名 2024/04/21(日) 23:15:02
>>630
お題【自萌全振り】
タイトル「Taboo」
⚠害の無い女子キャラ出ます
⚠義姉弟🌊
⚠何でも許せる方だけご覧ください
①
姉が結婚した。まだ二十歳。
学生結婚だった
両親も蔦子姉さんも「まだ早いんじゃない?」と心配しつつ、「本来なら同棲が正しいのでしょうが、それでは誠実さに欠けると思いました」と土下座を決めた相手の男に心を打たれたようで、何も言わなかった
まだ高校生の俺の反対など届くはずもない
結婚式は親族のみで先日、静かに行われた
姉と言っても血の繋がりは遠い
まだ俺が幼かった頃、姉は冨岡家に連れてこられた
「今日から冨岡のうちの子だ」
父が笑った
両親をいっぺんに亡くしたがる実は、うちの養女になったのだ
姉が結婚すると聞いたとき俺は
──それが答えか、と
ただ、そう思った
「こんにちはー」
母親に頼まれ、俺は近所の家に向かった
「義勇くん?どうしたの?」
玄関先のガル子さんは、エプロンをしていた
「先日はお祝いありがとうございました。これ、姉、から頼まれて」
「えー、わざわざありがとう」
リビングからはとんでもなく甘い匂いがして、怪訝な顔の俺に気がついたのかガル子さんは
「あー、林檎がね、沢山贈られてきて。ケーキにしてたの。義勇くんの家にも持っていこうと思ってたんだけど、今お願いして良い?」
「ああ全然…」
「義勇くん、ケーキも食べていかない?あまり甘くないし…」
がる子さんはがる実姉さんの幼馴染で、親友でもある。そのせいか俺のこともよく弟扱いをしてくる
「……じゃあ戴いて良いですか」
いつもなら断ったと思う。でもその日は
家に居たくなかった。ただ誰かに優しくされたかった
「少し落ち着いてからのほうが美味しいんだけどね、焼き立ても別格だから」
そう言って出されたのは林檎のスライスが上に乗り、アーモンドの風味のするどっしりとしたケーキだった
続
+26
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5627. 匿名 2024/04/21(日) 23:27:09
>>5616
タイトル「Taboo」
⚠害の無い女子キャラ出ます
⚠義姉弟🌊
⚠何でも許せる方だけご覧ください
②
「何かあった?」
がる子さんに聞かれ、
「…何でですか?」と返すと
「どう見ても落ち込んでるから。進路?それとも恋愛かな?」
…女の人は鋭いな。蔦子姉さんもだけど
いや、あの人は俺の気持ちなんて全く気がついてなかった
でなきゃ繰り返し「義勇は大切な弟だから」なんて言わないと思う
ガル子さんの作ったケーキはいつもうまい
ガル子さんの母親はガル子さんがまだ小学生の時に家を出ていき、以来自分のため、父親のためにと料理の腕を磨いていた
「料理はやらなきゃいけないことだけど、お菓子は趣味だから楽しい」と語っていたのをふと思い出した
その数年後、彼女の母親は一緒に暮らしていた男に刺された
その日家に泊まりに来たガル子さんは、がる実姉さんに泣きついていて、とても痛ましかった
「そういう訳じゃ……でも、そうかもしれない」
「違ったらごめんね、がる実?」
「……っ」
「気が付かないふりしようとしてたの。でも、いつもだったらこんなお誘い断るから、義勇くん。…いくらガル実のこと大切に思ってたって、その、蔦子ちゃんが結婚したって、そこまで落ち込まないでしょ」
「私で良ければ聞くよ。……いくらでも」
そう笑った彼女は、心許してすべてを打ち明けてしまいそうになる、聖母のようだった
続きます
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6207. 匿名 2024/04/22(月) 23:41:39
>>4623
>>5616
この話のコソコソ(というほどのものじゃ無いんですが)
実は最初は爽やかなアオハルで、「俺にしておけよ」お題返信でDK冨岡くんがちょっと手の届かない関係の年上女性に人知れず失恋→たまたま居合わせて慰めたJKガル子が慰める→「私にしておきなよ」でフラグエンドで考えていたのに、何故か、本当に何故かストーリー組み立ててたら途中からドロドロの展開に……
どうでも良いですが、林檎出てきてるし季節外れお題にもかかってますね
禁断の果実はやはり林檎が似合うと思うので、ここは拘りました
冨岡の家族はガル実と義勇の気持ち気がついてたと思うけど、外聞考えるとちょっと…となってたのが本音です。だから結婚話は渡りに船でした
世の中綺麗事じゃないですしね
聖母マリアだって、イブの子孫ですから(なんのこっちゃ)+25
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