ガールズちゃんねる
  • 519. ĺŒżĺ 2024/04/12(金) 21:13:23 

    >>482
    ‎🤍お題🤍

    「推しと桜🌸」
    イラストでもお話でもなんでもOK!
    お待ちしています!

    +40

    -1

  • 615. ĺŒżĺ 2024/04/12(金) 21:53:21 

    >>519
    夜桜の舞い散る中で、日舞を舞う童磨たんが見てみたいです
    ライトアップとBGM係りはもちろんガル子が勤めます🌸🙋🌸

    +21

    -0

  • 619. ĺŒżĺ 2024/04/12(金) 21:55:11 

    >>519
    ️⚠️💣🌸

    『今宵、桜酔い』
    1芹

    4月上旬、穏やかな春の日…とはいかず、世間が通年より遅い桜開花に沸き始めた頃から、経理部の私は月末月初の業務に追われていた。人員不足も原因のひとつで、明らかに去年の今頃よりも残業時間は増えている。
    「モブ山課長、私そろそろ上がりますね」
    「あー、ごめんな、ガル田さん!気をつけて帰ってー!」
    「はーい、お疲れ様でした!」

    ビルを出て駅に向かう。肌寒さを感じでベージュのトレンチコートの襟を立て、肩をすくめる。駅に向かうと言ってもこの時間は人通りも少なくなっていて、街頭があまりない夜道は流石に怖い。
    「あ、桜…満開になってる」
    大きな一本の桜の木が、この辺りには貴重な白い街灯によって照らされている。桜をゆっくり見れていなかったので思わず立ち止まった。こんなに立派な木。この美しい桜の花だって、もっと広い場所で、沢山の人に見てもらいたいだろうなぁ。

    「あれ、ガル田?」
    振り返ると、暗がりから大男が現れた。
    「ぎゃっ!!」
    「おい、俺だよ俺ェ」
    「し、不死川本部長…お疲れ様です」
    「お前、俺を変質者か何かだと思ったろォ」
    「い、いやぁ…あはは…」

    不死川本部長は苦手だ。身体も大きいし目つきも悪いし、よく怒っているイメージだ。月一の会議で顔を合わせる程度なのでよく分からないが、人に刺されたことがあるだの、女癖が悪いだの、そんな噂しか聞かない。
    「何でこんなとこ突っ立てんだよ?」
    「あ、桜が満開だなーと、思いまして…」
    「んあ?あー、皆好きだよなァ、このピンクい花」
    ピンクい花……。

    続く

    +36

    -3

  • 635. ĺŒżĺ 2024/04/12(金) 22:04:18 

    >>519桜🌸>>544歌🎼

    『春なのに…🌸』


    桜の花びらがふわり…とあの人のクセのある髪に止まる
    それを何気なく取ってあげるふりをして、ポケットに忍ばせる
    「ありがとう」と微笑する背の高い先輩を眩しい気持ちで見上げる
    時が止まって欲しい
    桜の花風吹の中、貴方を閉じ込めて
    私だけの宝物にしたい
    「会えなくなるね」
    と貴方が右手を差し出す
    「寂しくなるよ」
    と、少し悲しそうな表情をする
    もっとその先の言葉が欲しい
    それは欲張りですか?
    「義勇!」
    「ぎゆうちゃん卒業派手に祝おうぜ!」
    向こうで友達が口々に声をかける
    軽く手を上げてわかったと合図する先輩
    待って、言葉はもう終わりですか?
    行かないでとは言えずに、友達に向かう姿勢の良い背中を見送った

    自信のない私に、笑顔がいいと褒めてくれた
    貴方の言葉が宝石だった
    だから…流れゆく季節をいつも微笑んで送りたいけれど…

    春なのに、桜がこんなにも綺麗で、
    桜風吹の中の先輩もとても綺麗で…
    それなのにお別れですか?
    涙が一筋頬を伝った

    ❀続く❀

    +30

    -7

  • 649. ĺŒżĺ 2024/04/12(金) 22:09:08 

    お題 >>519 >>559 >>544

    「満月ロゼのおまじない」1/2🐍

    ──満月の夜にロゼをうつして飲むと恋が叶うんだって。

    職場の先輩から、昔ちょっと話題になったジンクスを教えてもらった。
    「気になる人がいるけれど、なかなか進展しなくて……」と相談したところ、試してみたら?と教えてくれたのだ。

    伊黒さんとは学生時代に出逢った。
    ふたりきりで会うようになったのは、最近になってからだった。
    私達は食事を一緒にする仲だけれど、恋人同士ではない──。
    今夜はふたりで訪れたレストランで、窓際の席に案内された。
    大きなガラス窓の向こう側に目をやると、濃紺の夜空に濡れたような大きな満月が浮かび上がっている。

    「この店のワインは充実しているな。ゆっくり決めると良い」

    伊黒さんが私にメニューを渡してくれる。
    私はざっくりと見たあと、「ロゼのスパーリングにする」と言った。
    「君がそれを選ぶとは、珍しいものだな」
    伊黒さんが静かに言った。
    そして、店員を呼び、飲み物や食べ物を注文すると少しのあいだ空白の時間ができた。
    私達はぽつりぽつりと近況報告をし合った。

    しばらくすると、ワインと前菜のカルパッチョが運ばれてきた。
    ふたりで乾杯した後、私はロゼのスパーリングを満月にかざしてみた。淡いピンク色の泡沫の海に、白い球体が艷やかに浮かんでいる。
    「わぁ、きれい」
    思わずそう呟いて、いっきに飲み干した。
    「今宵の月は綺麗だな。──もっとゆっくりと味わえばいいものを」
    伊黒さんがぽつりと呟いて、不思議そうに私を見つめる。金色と深緑色のオッドアイが照明の光をうけて、宝石みたいにきらめいた。
    「これで良かったの」
    私はにっこりと笑って、そう答えてみせた。

    +33

    -10

  • 669. ĺŒżĺ 2024/04/12(金) 22:23:59 

    🍀🍀>>519桜🌸>>544歌🎼
    >>635続き②『春なのに…🌸』


    部活の帰り、先輩は心配して送ってくれた
    白い素敵な喫茶店で奢ってくれた
    オーダーは青いソーダをよく頼んだ
    「青が好きなんです」
    好きですと言えない私の精一杯の言葉

    わからない所があると相談すると勉強も教えてくれた
    「先輩のおかげで点数が上がった」と報告すると一緒に喜んでくれた
    「卒業してもあの素敵な白い喫茶店
    今まで通りに会えますね」と、
    『遠くに行っても元気で』と手紙付きの花束を持った先輩に
    「君の話は何だったの?」
    と聞かれるまでは言う気でした

    「記念に下さいボタンを1つ」
    最後のワガママを言った
    この澄み渡る青い空に捨てたら
    この想いも晴れるだろうか?
    今日の空は、貴方の瞳の色
    私の1番好きな色───

    ボタンは捨てられずに
    手に握られたまま
    涙が零れ落ちる
    空の青が眩しい
    ため息またひとつ


    ・。+*+。・★・。❀Image Song❀・。+*+。・★・
    柏原芳恵『春なのに』
    作詞作曲/中島みゆき

    +31

    -8

  • 677. ĺŒżĺ 2024/04/12(金) 22:33:23 

    >>519推しと桜🌸
    >>559お酒にまつわる話🥃

    「重…っ!」
    ガル子は両腕にたくさんのビニール袋を持って歩いていた
    袋の中には牛乳、鶏肉、じゃがいも、にんじんなどが入っている

    「もう無理」
    どさりと道路に荷物を置く、ガル子は腰に手を当てて伸びをした
    するとヒョイっと誰かが荷物を取りあげた

    「あーっ!泥棒!!」
    ガル子が大きな声で叫び振り替える
    「えっ?」
    「あっ!」
    目の前にいたのは明日の昼に帰ってくるはずの彼氏の姿…
    「粂野さん、どうして⁈」
    「ただいま、一日早く帰らせてもらったんだ」

    ガル子は両手で顔を隠してくるりと後ろを向いた
    「…ガル子ちゃん?」
    恥ずかしさで顔が赤くなる、風呂上がりのすっぴんジャージ姿、頭はちょんまげだ、ガル子は顔を隠したまま呟く

    「明日、ちゃんと部屋も片付けて、オシャレして、料理も作って迎えようと思ってたのに」

    「ゴメン…連絡しなくて、少しでも早くガル子ちゃんに会いたかったから」

    ガル子はふるふると頭を振る…私だってずっと会いたかったのに、どうしてこんな態度をとってしまっているんだろう、でもこんな姿見られたくなかった

    帰ったら部屋はごちゃごちゃだ、ガル子は自己嫌悪と恥ずかしさで泣きそうになる

    すると指の隙間からふとピンクの色が視界に入った、顔から両手を離してゆっくりと顔を上げる

    すると目の前に大きな桜の木が見えた


    +22

    -5

  • 836. ĺŒżĺ 2024/04/13(土) 07:39:44 

    >>505二次絵
    >>519推しと桜🌸
    ⚠二次絵苦手な方はスクロールお願いします
    ⚠初心者オブ初心者
    🍉満開の桜の下でガル子と待ち合わせ💜‪



















    +58

    -7

  • 907. ĺŒżĺ 2024/04/13(土) 11:39:39 

    >>519【推しと桜🌸】

    「もう今年の桜も散っちゃったね…綺麗だったな…」
    お付き合いしている炭治郎との帰り道、寂しそうに呟く
    「ガル子、明日うちに来ないか?」
    「うん!行く行く!」
    特に約束は交わしてなかった時の突然のお誘いはとても嬉しい

    ────翌日────

    「お邪魔しまーす♬」
    「いらっしゃい。今日は突然誘って悪かったな。」
    「ううん、今日も会えて嬉しい。」
    「来てもらって早々悪いんだけど、目瞑ってもらえるか?」
    「え?なになにー?」
    不思議に思いながらも言われた通り目を瞑る
    「いいか? 3、2、1で目を開けて。3、2、1………」


    はら。はら。はら………


    「う…わぁーーーー!!」

    目を開けると目の前が綺麗な桃色で埋め尽くされていた
    彼が一生懸命用意してくれたであろう桜の紙吹雪がこれでもかと部屋の中を綺麗に舞い散っている
    「え?これ炭治郎が作ったの?」
    「あぁ。昨日桜が散って寂しそうにしてたガル子に見せたくて。俺頑張ったんだぞ?」
    そう言って笑う彼が愛しくて愛しくてたまらない
    「ありがとう。大好き。」
    「俺も大好きだよ。喜んでもらえてよかった。」

    私たちは何度も何度も紙吹雪を舞わせて儚さを感じなくても大丈夫な桜を楽しんだ


    「さぁ、そろそろ片付けるか。」
    大量の桜吹雪の片付けは大変だ
    拾っても拾っても家具の隙間から出てくる
    「ごめんな、片付け大変だなw
    また後で片付けるからもういいぞ?」
    「ううん、宝探ししてるみたいで楽しい。炭治郎と一緒だったら何でも楽しいよ。」
    そう笑って見せる私
    するとふいに炭治郎の手が私の髪を掬う
    「もう…そういう可愛い事言うの、反則だ。」
    突然の出来事に顔を赤らめる私
    「ここにも花びら見つけた」
    髪についた花びらを取ってくれた彼の手は私の頬へと触れ、そのまま優しい口づけを落とされた🌸

    +36

    -6

  • 908. ĺŒżĺ 2024/04/13(土) 11:44:48 

    >>519 推しと桜お題🌸

    桜の花がちらちらと舞い落ちる昼下がりの公園
    後藤は桜の木の下に立っていた

    「葉桜が目立ってきたな」
    桜を眺めながらひとりごつる
    スプリングコートのポケットに手を入れる
    「よし…大丈夫」
    後藤は手を胸にあてて息を吸い深く吐いた

    「後藤さん!お待たせしました」
    パタパタとガル子が駆け寄って来る
    「あ、ガル子ちゃん、そんなヒールで走ったら危ないよ」

    「はあ、ごめんなさい、電車が少し遅れてしまって」
    眼鏡を上げながらガル子は謝る
    「ううん、俺も今来た所」
    「良かったです」

    ガル子は桜の花を見渡しながら
    「綺麗な桜…!視界が全部ピンク色ですね」と呟く
    「私ももっと明るい色を着てくれば良かったかな」と言ってはにかんだ

    紺のカーディガンにグレーのズボンは桜の中で浮いてしまっていないだろうか、少し後悔していた

    「全然!とても素敵だよ」
    「ありがとう」

    ひらひらと桜の花びらがガル子の黒い髪に落ちた

    「あ、ガル子ちゃん花びらが」
    「!」

    ふと頭に手を回されてガル子はドキリとする
    ご、ごめん急に!と後藤は赤くなる、ガル子も赤くなり俯いた

    ひらひらとまたガル子の頭に花びらが落ちそうになる、後藤はヒュッとその花びらを掴んだ
    「あ、凄い」
    「ヘヘッ桜の花びらを掴んで願い事を言うと願いが叶うんだって」

    後藤は目を閉じてぶつぶつ呟く
    「何をお願いしたんですか?」
    「んー、今日うまく行きますようにって」
    「?」
    不思議顔のガル子に後藤は向き合う
    「ガル子ちゃん」
    「は、はい」
    後藤はコートの中に手を入れた
    「お、俺と…」

    +26

    -8

  • 914. ĺŒżĺ 2024/04/13(土) 12:00:59 

    >>519
    推しと桜🌸

    「あれ?」
    待ち合わせ場所に現れた彼は制服姿
    「2学年からは私服で出かけられるって言ってなかったっけ?」
    「ああ、そうなんだが。今日は制服で君に会いたいと思ったんだ」
    規則の厳しい全寮制の学校に通う彼
    1学年は私服での外出が禁止されているとのことで、ピシッと制服を着こなす彼の姿に会うたびに見惚れていたなんて言えない

    ネットで見て気になっていたお洒落カフェでランチ
    「このサンドイッチプレートが気になってたの」
    「なかなかこういうお洒落なご飯を食べる機会がないから、気後れしてしまうよ」
    「そんなこと言っちゃって」
    セットの紅茶を飲む姿がサマになっている
    カップをテーブルに置くと、腕を私の前に差し出して
    「2学年からは腕にこれをつけるんだ」
    制服の袖口近くに桜のバッジのようなものがついている
    「厳しい1学年の生活を乗り越えられたのは、同期や上級生のおかげだけでなく、君とこうして会える時間に癒されていたからなんだ。これから学年が上がるにつれて、桜の数は増える。責任がそれだけ増えていく。桜に恥じない生き方をしていこうと思うよ」
    体格に恵まれた同級生たちについていくのが大変だったこともあるのかもしれない
    こうして無事に進級した姿を見せてくれたことが嬉しい
    「これからもずっと小芭内くんの隣にいたいな。わたしもいろいろ頑張らなくっちゃ」
    「君は今のままで良いよ」
    一瞬目を伏せたのち
    「平日は会えないから。君が今以上にキラキラ輝いていくと、君の同級生たちに嫉妬してしまいそうなんだ」
    「もぅ!可愛いんだからっ!」
    たまに飛び出すヤキモチ焼きな物言いが可愛くてたまらない
    あんまり可愛いって言うと、拗ねちゃうから抑えないと

    「食後は近くの堤防を歩こうか。まだ桜が咲いているみたいだ」
    「うん!」
    桜を見ながら歩く幸せな時間
    袖の桜が増えても、可愛いところは変わらないで欲しいな、なんて言ったらどんな反応が返ってくるかな

    +29

    -7

  • 930. ĺŒżĺ 2024/04/13(土) 13:31:27 

    お題 >>519

    🌫『春めいて』1/2

    ──ここは、都心にあるビルの48階。
    大きなガラス窓の向こう側には、真っ白な綿雲が浮かぶ水色の空、そして大都会の景色が広がっている。初めて来たときは『わーい、絶景!展望台から見下ろしてるみたい!』なんて思っていたけれど、毎日ここで過ごしているうちに見慣れてしまった。
    あんなに素敵な景色だったのに、慣れって恐ろしいなって思う。

    社会人2年目の私は、先輩から『これシュレッダーかけといてね』と死ぬほど分厚い紙の束(たくさんの個人情報が記録されている)を、押し付けられたところだった──。
    味の薄くなったガムみたいに代わり映えのしない毎日……いやんなっちゃうな。
    街を歩けば、ショーウィンドウの向こう側は明るくて柔らかな色彩で溢れている。せめて気分だけでも…とパステルカラーの服に身を包んでみたけれど、やっぱりまだなにか足りない──。
    ──なんか、いいことないかなぁ……。
    私は心の中でぼやきながら窓の外を見た。
    灰色の草臥れたようなビル群の隙間に、パステルピンクのコットンキャンディみたいなこんもりとしたかたまりが見える。──近隣の公園に咲き誇る満開の桜だ。
    あそこの公園では今の時期『桜まつり』をやっている。
    通りがかる度に、──好きな人と一緒に行けたら幸せだよなぁ、なんて思ってた。
    窓の向こうの景色を眺めながら、私はシュレッダーに紙をばりばりと食べさせる。次から次へと。
    やがて、ごみ捨ての赤いランプが点滅した。
    ……すぐいっぱいになっちゃうんだよな。
    ごみを捨てようと屈んだ瞬間、視界の隅っこにミントグリーンのネクタイが揺れた。

    続く

    +25

    -6

  • 934. ĺŒżĺ 2024/04/13(土) 13:52:48 

    >>519 推しと桜⛏
    ⚠️去年の桜お題で書いたお話(リンク先)の、続き?というか対応してるお話です
    >>925お題【桜】鬼ぃちゃんと夜桜⚠️遊郭の桜の描写がありますが、時代設定とか詳し... | ガールズちゃんねる - Girls Channel -
    >>925お題【桜】鬼ぃちゃんと夜桜⚠️遊郭の桜の描写がありますが、時代設定とか詳し... | ガールズちゃんねる - Girls Channel -girlschannel.net

    女子の女子による女子のためのおしゃべりコミュニティ。女子の好きな話題にみんなでコメント、みんなで投票して盛り上がれる匿名掲示板「ガールズちゃんねる」へようこそ。


    元々、ツーリングにはよく行っていた。春先に出向けば桜が咲いている時期と合致する事もあり、薄桃色に染まった風景を目にすれば綺麗だと思う事だってあった。しかし、花見そのものを目的としてわざわざ出かけた事はなかったと思う。そこまでして花を愛でる心なんざ俺は持ち合わせていなかったし、花見に適したような場所は人がうじゃうじゃいて喧しく、鬱陶しかったから。
    その俺が、彼女を連れて桜を見に行きたい、と思った。いや、この感覚は「見せてやりたい」と思った…の方が近いかもしれない。なんでそんな事を思うのかは、俺自身にもさっぱりわからない。桜なんか日本に住んでいれば嫌でも目に付くし、桜の名所と呼ばれるような場所だって、恐らく彼女は今までの人生の中で何度も訪れているだろう。『俺が』『見せてやりたい』なんて思う理由はどこにもないはずなのに。

    よく晴れた花日和の休日、誘いに応じた彼女をバイクの後ろに乗せて、山道を走る。公園だとか庭園だとか人の手が入った場所より、山がいいと思った。好き勝手に咲き乱れる桜に囲まれた道の途中にあるパーキングに駐車して、近くの店で休憩を取る事にした。
    彼女がヘルメットを外すと、柔らかな髪が陽の光に透ける。浅青の空に舞う淡い色の花弁と、背後に広がる桜の群れに彼女の姿が重なって、痛い程眩しい。
    その光景が目に、脳に、突き刺さって動けなくなった。なんだ?これは。俺はもう随分昔から、この光景を思い描いては焦がれてような気がする。

    「…どうしたの?」
    俺の様子がおかしいのに気付いた彼女が、怪訝な顔をした。
    「いいや…」
    この現象が何なのか自分にもわからないまま、俺は曖昧に言葉を濁した。
    「別に何ともねえ」
    「そう?」
    何ともない事はなかった。どうやら俺は彼女と今ここで桜を見ているこの状況にえらく動揺しているらしい。諦めていたはずのものに触れられたかのような気分だ。きっと、ずっと羨んでいた。今目の前に広がる、明るくてきらきらした光を。
    「すっごく綺麗だね!連れて来てくれてありがと!」
    彼女はそう言って笑うが、逆だ、彼女の方が俺をこの景色の中に連れてきた。何故かそんな風に思えた。
    「ああ…俺も、来てよかった。お前が居なけりゃ、花なんか見てねえからなぁ」
    いつかどこかで、似たような台詞を吐いた。いつどこでだったか、どうしても思い出せない。俺の言葉に頬を染める彼女が、ずっと昔から好きだった。多分。

    +30

    -6

  • 977. ĺŒżĺ 2024/04/13(土) 17:56:20 

    >>519 推しと桜 ⚠️解釈違い

    (────あれ?…先輩、いない……)
    教授や他の先輩方のお酌相手をしていた間に、先輩の姿が消えていた。
    (どこ行ったんだろ……)
    酔っ払いたちをやり過ごし、ビール瓶を片付けに行くふりをして、先輩の姿を探した。───だけどやっぱり見当たらない。それほど得意ではない飲み会に、バイトを休むほどに気合を入れて参加したのに…。
    好きだけどなかなか近付けないでいる先輩に、少しでも近付きたくて。いつも研究室でひとり静かに過ごしている先輩とは、挨拶程度の会話が精一杯で。親しくなりたくてもなかなか難しくて。そんな先輩が珍しくゼミのお花見に参加すると聞いて、滅多に無いチャンスと思った私は今日のバイトを休ませてもらったのだ。なのに───
    (見失うなんて、私のバカ…)
    ため息をついて、その場をそっと離れた。
    桜並木から少し離れると、一気に人の数も減る。花見客の放つ熱気に包まれた先程までの空気とは一転し、静寂と少し湿り気を帯びてひやりとした公園の空気が私を包み込んだ。
    (───この辺には桜、無いんだな)
    新緑と呼ぶにはまだまだ早い木々の間の遊歩道をゆっくりと進む。そのまま歩き続けると、少し薄暗い木々に囲まれた細い遊歩道を折れた先に、小さな池が見えて視界がさぁっと開けた。
    「……あ。」桜がある───
    池のほとりに一本、今まさに満開であろう桜の木が姿を現した。
    「───綺麗…」
    近付こうとして、その桜の足元に見覚えのあるストライプ柄の服がちらりと覗いていることに気が付いた。
    (…え?………先輩?)
    音を立てないようにそぉっと近付いた。こっそり覗き込むと、やっぱり先輩だった。
    「……伊黒先輩?」
    ───返事がない。声をかけたのに、ぴくりとも動かない。桜の幹に身体を預けて少し項垂れたように頭を垂れ、立てた片膝に手を置いた姿勢で先輩は居眠りをしていた。
    あと数歩の距離を保ったまま、そっとしゃがみ込んで先輩の寝顔をじっと見つめた。切り揃えられたその黒髪から覗く、整った横顔に長いまつげに薄い唇───こんなにじっくりと先輩を見たのは初めてかもしれない。桜の花弁がはらりはらりと数枚、音もなく先輩のまわりに落ちてゆく。
    「綺麗………」
    心の中で思っただけのつもりの言葉が、自分の口をついて出てきて思わず口元を手で覆った。
    (聞こえてない、よね?………寝てるんだし)
    目の前の先輩は相変わらず身じろぎもせずに眠りこけている。ほっと胸を撫で下ろし、音を立てないように立ち上がろうとした、その時───
    「──いつまで見ているつもりだ?」
    「ひぇっ」
    寝ているはずの先輩が、体勢を変えずにぼそっと呟き、それと同時に私は変な声で小さく悲鳴を上げた。左右で色の違う綺麗な目が、ゆっくり開いて私を捉える。驚いた私はそれ以上声も出せずに、咄嗟に後ずさろうとした。先輩の手が伸びてきて私の腕をぐっと掴む。先輩の足元にへたり込んだ私は、異色の双眸の放つ射抜くような強い視線に捉えられ、蛇に睨まれた蛙のように身動きがとれなくなった。
    「あの、さ、桜が…」
    「桜?」
    「は、はい。桜が綺麗だなぁって」
    「ふぅん」
    私の手を掴んだまま、先輩が綺麗な目を細めて下目遣いに此方を見やる。もう片方の手が伸びてきて、私の顔に触れそうになったので思わず身を硬くして目を閉じた。先輩の手が私の髪に触れる。軽く引っ張られるような感覚がして、恐る恐る目を開けると、思いの外優しい目をした先輩が自分の指先を見つめていた。
    「───綺麗だな、確かに」
    細い指先には、薄いピンク色の花弁が一枚。先輩がふっと息を吹くと、それはふわりと舞ってから足元に落ち、既に落ちていたたくさんの花弁と重なり合った。くすりと笑う声に我にかえり視線を上げると、さっきよりもっと優しい表情の先輩が私を見ていた。
    「俺にとっては、君の方が綺麗だがな」
    「────はい?」
    何を言われたのか瞬時には理解できず、数秒の間をおいて一気に耳まで熱くなる。先輩がふっと笑い、それからおもむろに立ち上がった。
    「帰るか。皆の所に」
    「…え?あ、はい」
    私に優しい視線をもう一度投げかけて、先輩がゆっくり歩き出す。先輩の耳が少し赤くなっていることに気付いた私は、勇気を出してその隣に並んで歩き出した。
    (おわり)

    +30

    -6

  • 1000. ĺŒżĺ 2024/04/13(土) 18:57:42 

    >>519
    推しと🌸
    「ガル子帰ろ、迎えにきた」
    私のクラスの入り口から覗くのは時透無一郎くん
    去年の冬から幼馴染から彼氏になった男の子
    今日さ、小テストあった〜終わったかも
    ガル子が終わってるなら僕もダメかも
    なんて他愛もない話をしながら下校する
    ふと見上げると、ずいぶん背が伸びたなぁ…中学の頃はそんなに変わらなかったはずなのに
    「ねぇ、むいくんまた背、伸びた?」
    「うん?あぁこの間身体測定したら178あった」
    「わ、どこまで伸びんの?」
    「さぁね、ガル子は?ちょっとは伸びた?」なんて頭をギューギュー押してくる
    「ちょっと!縮むから、やめて!」
    「ははっ」
    「ねぇ公園よって帰ろうよ、桜見たい」

    小さい頃から遊んでいた公園は桜が満開で手を繋いで話をしながら歩く
    「そろそろ帰ろうか」「そだね!」
    階段を数歩昇った所であ、と思いつくタタッと階段を駆け上がった私は振り向いてむいくんの前に立つ
    「?何?ガル子」
    「これでむいくんと同じ位?いや私の方が高い!」
    えっへん!とドヤ顔をする私に呆れたように笑いながら
    「これだったら背伸びしなくていいんじゃない?」
    とむいくんは顔を近づける
    「どうする?」
    「どどどどどうするって、何?」
    「まぁ、でもやっぱり」
    と私と同じ所までスタスタと登って唇が触れたのは一瞬の出来事だった

    そういえば友達が「彼氏が背が高いと話する時とか首辛くない?」言っててよく分からなかったけど、それはいつも私が話しかけるとむいくんは自然と顔を近づけて聞いてくれてるからなんだと気づいた恋人になって初めての春

    そんな優しいむいくんは自分の唇に花びらがついてたと気づくと「邪魔された」と私にもう一度キスをした
    おわり

    +26

    -4

  • 1127. ĺŒżĺ 2024/04/13(土) 21:08:52 

    >>519桜🌸>>552お花見💮

    W帰宅🏡
    ♞ナイト義勇🌊&🍸ダンディ鱗滝👺


    義勇
    「ただいま
    今日は『お父さんの日』だ
    鱗滝先生と帰ったぞ👺
    俺にとって大事なお父さんだからな
    夜桜が綺麗だから先生夫婦と見に行こう
    夫婦でデートだ
    桜色のワンピースを買ってきたんだが着てみてくれ
    うん、綺麗だ…桜の妖精みたいだな🌸
    では、俺はナイトになろう
    エスコートするので御手をどうぞ」

    鱗滝
    「嫁、ただいま
    今日は義勇と帰ったぞ
    夜桜の名所に連れて行ってくれるらしい
    夫婦一緒にデートしようって言うんじゃ
    桜柄の着物を着てみてくれぬか👘
    どうしたの、って買ったんじゃ///
    照れくさいのう
    ダンディな儂をご披露する時が来たか」
    仮面外す👺
    イケオジ爆弾🌟

    +35

    -3

  • 1235. ĺŒżĺ 2024/04/13(土) 22:38:44 

    お題 >>519 >>574 >>544
    ⚠️ガル子も🌫も24歳の設定 ⚠️🐚出現有の長編です。

    🌫『10年のキセキ』①

    「今日は僕がやってあげるよ」

    夕食の後、むいくんが率先してお皿洗いを始めた。
    私達はもうかれこれ10年以上のお付き合いになるけれど、一緒に暮らし始めたのは最近だ。
    でももう本当に長い付き合いなので、「あれ」とか「それ」が何を指しているのかがすぐにわかるし、相手が話し始めた内容についても全体が見える前からすぐに推測ができるので、会話がぽんぽんとスムーズに進む。
    一緒に暮らす前から家族みたいな感覚だったので、すんなりとお互いがいる生活に馴染めた。使い込んだマグカップだとか肌触りの良いタオルみたいに慣れ親しんだもの──そこにあって当然の存在──として、お互いのことを認識している。それでも知らないことがあったりするので、そういうことがあった時は新発見みたいで面白いね、こんなに長く一緒にいるのに知らなかったね、と笑い合う。
    私達は、刺激は少ないけれど、まったりと落ち着いた日々を過ごしている。

    「ガル子、なにかあったの?」
    腕まくりをしてガチャガチャと食器を洗いながら、両手を泡だらけにしたむいくんが私に言った。
    「え?」
    「夕食のとき少し上の空だったから」
    「実はね……、中学のときからずっと一緒の人と付き合ってるなんてつまらなくない?って会社の人に言われたの」
    それが喉にささった魚の小骨みたいに、ずっと気になっていたのだった──。
    それを言ったのは、空気が読めない上に人のテリトリーに遠慮なく土足で踏み込んでくるような男の上司だった。
    そんな男に言われた言葉だから気にする必要はないのだけれど、心の中に変なわだかまりとして残ってしまっていた。
    「それを言ったのは例のあいつでしょ?」

    続く

    (『HANABI』/Mr.Children)

    +24

    -9

  • 1266. ĺŒżĺ 2024/04/13(土) 23:07:22 

    >>519
    桜🍃

    「私の故郷では」
    淡雪のように降る花弁から視線を足元に向ける。うずくまった背中はいつもより頼りなげに見えた。
    「桜の木は墓地……死者の亡骸を埋める場所に植えるんです」
    「故郷は、たしか信州だっけかァ」
    頷いた彼女は泥だらけの手を払おうともせず目元をぐいと擦って立ち上がった。大きな古木の根の傍らに掘った小さな墓には彼女の鴉が埋まっていた。
    「桜の花があの世とこの世を繋ぐ道標になってくれるんです。だからきっと、迷子にならずに天国に行けるはず……」
    鴉のくせに方向音痴なその相棒を彼女は殊の外可愛がっていた。いつも肩に乗せて、握り飯を分け合い、腕の中に抱いて眠った。
    俺の視線に真っ先に気付いたのもあいつだ。翼を広げて主人の顔を隠し、牽制するように首の後ろを毳立たせて鳴いた。急にどうしたのと慌てる彼女に甘えながら俺を得意げに見てきたものだ。
    生意気な奴だ。きっと俺たちは良い好敵手になれるだろう。そう思った矢先のことだった。
    彼女の命が今あるのは間違いなく鴉の功績だ。音もなく飛んできた鉤爪を身を挺して受け止め、切り裂かれ宙を舞った羽根の下をくぐって彼女は鬼の首を落とした。
    『あいつは立派な鴉だよ』
    『主人を守れて本望だろう』
    使い古された陳腐な台詞じゃなんの慰めにもならない。かと言って震える肩を抱き寄せるには俺は彼女を知らなすぎた。
    淋しくなったその肩に、まだ今はあいつの方が近いんだろう。

    「……極楽は毎日が花見どきだろォ」
    桜を見上げていた彼女は俺の言葉に顔を向けた。
    「先に行っていちばん良い場所取っといてくれてるだろうよ、あいつなら」
    手を伸ばして頰に付いた泥を拭きとってやると、ほろりとこぼれた涙が親指を濡らした。
    「そうですね。きっと……そう」
    儚く微笑んだ彼女の頰に今度は桜の花弁が貼り付いて、涙の跡は見えなくなった。

    いつか俺たちもそこへ行くのだろう。だけどそれは今じゃない。だから、
    (だからこれからは、俺が守る)
    頼みましたとでも言うように、降りしきる桜がざあっと風に乗って空高く舞い上がっていった。

    +37

    -5

  • 1447. ĺŒżĺ 2024/04/14(日) 13:17:10 

    >>519
    🍉🌸

    「ガル子、もしかしたら俺は、来年この桜を見ることは出来ねぇかもしれねぇ。隣に居なかったらごめんな」

    玄弥は桜の木を見上げながら言った。

    「…そんなこと言わないでよ」

    鬼殺隊なのだから、仕方ない。頭では分かっていても、言葉にされるととても胸が痛む。

    「もうすぐ大きな戦闘になる気がするんだ、師匠も言ってる。ガル子にはとにかく身体に気をつけて、あと何十回でもこの桜を見てほしい」

    私は涙を堪えることができなかった。

    +29

    -5

  • 1788. ĺŒżĺ 2024/04/14(日) 22:23:09 

    >>572文学>>519🌸
    化狐のガル子が🌈に正体を知られてしまう話です。元ネタは日本霊異記の上巻第二縁、狐女房の説話。微🐚な回想あり、全2話中1話
    ďťż
    【狐日和】①

     うららかな春の午後だった。けたたましい吠え声と短い悲鳴が寺院のぬるい空気を裂いた。

     俺は文机で書き物をしていたが、庭の騒ぎに何事かと縁側へ出てみて驚いた。浄土に見立てた枯山水の真ん中、満開の桜の梢に君がいる。俺の身丈より高い太枝の上で横座りし、竦んで震えてる。桜の下では一匹の犬が狂ったように吠えている。
     役目の者が戸締りを忘れ、野犬が入り込んだらしい─────吠えかかられた君は咄嗟に、手近な木へ取り縋ったのだろう。しかしよくあの高さまで登ったものだ。とにかく犬を追っ払い君を降ろさねばと、人を呼ぼうとして妙なことに気づいた。

     木登りの際に着物が捲れたか、腿まで露わな君の乱れた裾から毛ばたきに似たものが覗いてる。赤みの橙で先の方が僅かに白い。ふさふさと長く、犬の吠え声に合わせて小刻みに揺れ縮こまってる。

    (しっぽのような。うん、しっぽだな。閨ではあんなもの生えてなかったが)

     昨夜の記憶を手繰り寄せるまでもない。君は教祖付きの娘の一人で、よく部屋に呼ぶ戯れの相手でもあった。きめ細かな肌と控えめな物言いが俺好みで気に入ってたが、いつから寺院にいるのかはっきり知らない。
     俺も信徒の全てを把握してるわけじゃない。誰のつてでもなくフラッとやってきて、そのまま居着いてるのは多い。君もそんな迷い猫みたいなはぐれ者の一人だと勝手に思ってた。

    (しかし猫というより、あれは)

     犬が一層激しく吠え猛った。君の艶やかな黒髪から、犬のそれに似てもっと大きな獣耳が二つ突き出ていた。しっぽと同じ毛色でぴんと立ち、忙しなく左右にパタパタ動いている。

     とにかくこのままでは埒が明かない。鉄扇を使うのは大仰なので、床の間にあった玻璃の花瓶を犬めがけて投げつけた。花瓶は犬の脇腹を掠め桜の樹に当たり、派手な音を立てて割れた。野犬はぎゃんと鳴き、敵意に満ちた眼差しを一瞬俺に向けた。手を上げまた投げるふりをしてみせると、素早く飛びすさり影のように走り去った。

     木の上の君が安堵の吐息を漏らし、それからはっと俺を見た。その目には恐れがあった。そこまで行って抱え下ろし慰めてやりたかったが、いかんせん今は昼日中だ。俺は縁側から先に進めない。

    「怖い思いをさせたね。遅くなって済まない、もう大丈夫だよ」
    「ごめんなさい」
     君が呻くように言った。

    「隠していてごめんなさい。出て行きますから許してください」
    「隠していた?何のことかな」
     言いたいことは察したが、知らぬふりで聞いた。

    「ヒトでないこと。私、貴方を騙してました……お側にいたかったんです。この姿を見られたら、もうここに居られません。これが最後です、お世話になりました」

     君の大きな瞳に涙が盛り上がり、膝頭にぼとぼと落ちた。その粒の一つが脚を伝い、しっぽの豊かな被毛へと吸い込まれてく。泣き出した君を、俺は初めてみる珍しい動物のように観察していた。

    (なんとも、長生きしてると色々なことに遭うものだ。女を喰うのは俺だけじゃないが、狐と寝た鬼は俺ぐらいだろうな)
    (まぁ鬼がいるなら妖もいて当然か)

     人間の気配に似せてはいるものの、思えば他の娘達と何となく違ってた気がする……何がどう違うとはっきり言えるほど一緒にいた訳でもない。

     ただ俺と同じく君も、人の世とは別の輪に属し、そこにある種の掟が存在するらしいことは今ので分かった。最低限の務めさえ果たしていれば、俺の仕える御方は万事にわりと寛容だが。君の眷族はまた違うのかもしれない。

    (真の姿を見られたら、消えねばならないというやつか。相手が鬼でもか?人外同士じゃあまり意味を成さない気がするが)
    (この娘、俺の正体には気づいてないのか)

     もう身体の隅まで知り尽くしてる筈の君を、改めてしげしげと眺める。獣耳と尻尾を丸出しにしてしゃくりあげる姿は、どこか滑稽だったが憐れで愛らしくもあった。はだけた銘仙の下の白いふくらはぎに、その滑らかな感触を思い出した。すると何故だか、手放すのがどうにも惜しくなってきた。

    +32

    -3

  • 1857. ĺŒżĺ 2024/04/15(㜈) 00:30:50 

    >>519>>544>>621
    お題ミックス


    SEKAI NO OWARI「夜桜」
    作詞 Fukase 作曲Nakajin、Fukase

    今はあの日と同じ季節……
    春の匂いがすると懐かしい感じがする
    もちろん前世の記憶なんてないんだけど、なんとなく懐かしく憶えているような気がする。
    最近、夜が長く感じる……
    前世から、100年以上経っているのはなんとなくわかるけど、わたしは夜に棲む生き物だったような気がする。
    わたしと一緒にいた人?は、その日に会ったばかりで、その日から一度も会っていないけど、そろそろどこかで会える予感……
    わたしとあの人は、あの日に一体何があったのだろう……
    何故、その日から一度も会っていないのだろう……
    その日に死んだのだろうか?
    桜が散る前に、あなたに会いたい……
    何故かそう思っていた。
    「泥に汚れた花びらは戻れない」
    潔癖症のあなたはそう言ってた。
    雨に堕ちていく儚さのように短いいのちだったのかな。

    今日はキメツ学園の入学式
    中等部の1年土竜組はどこかな?
    桜が咲いている入学式なんて珍しいから何かが起こりそうな予感……
    1年土竜組の教室に入ると、どこかで見たような姿があった。
    目を閉じているように見えるけど、彼はこちらに手をかざしたら
    「ガル子、久しぶりじゃのう……100年の間どこにいたのじゃ……」
    と言って、微笑みかけた……

    END

    +24

    -9

  • 1892. ĺŒżĺ 2024/04/15(㜈) 07:53:06 

    >>519
    推しと桜

    暖冬なんて言ってたから、早く咲くんだとばかり思っていた。けれど、今年の桜は丁度入学式の時期に重なった。通勤路にある川沿いの桜は、正に今満開を迎えている。

    「綺麗ですねぇ...。」
    「あぁ、見事だな。」

    朝の爽やかな風が、隣を歩く宇髄先生の髪を靡かせている。桜を見上げながら、その横顔にもちらりと視線を向けた。

    先生も、綺麗...。

    波打つ胸の音を感じつつ、ひらひらと落ちてくる花びらを目で追う。地味に片想いしている間に、すっかり春になってしまった。辺りは全部、白に近い優しいピンク色。先生と一緒だ。

    「やっぱり、同じですね。」
    「あ?何が?」
    「桜と、先生のパーカーの色。」
    「あぁ、コレな。いい色だろ?」
    「はい、あんまり見ない色味ですよね。だからかな...桜を見ると、すぐ先生が浮かんじゃいます。」

    先生に出会ってから、桜がもっと好きになった。きっと、先生のことが大好きになったから。近頃はどんな景色を見ても、気づけば先生を連想してしまう。

    ...あ、そうだ!
    つい最近したばかりの発見を、私は喜びのまま伝えた。

    「そういえば、この前もみじに花が咲いていたんです!私、もみじに花が咲くって知らなくて...蕾が先生の目の模様にそっくりだったんですよ?小さな赤い蕾で、先が線香花火みたいに丸っこくて───。」

    そこまで喋ったところで、急に我に返った。開いて固まっていた唇を閉じ、ぎこちなく瞬きを繰り返す。額に汗が滲むのがわかった。

    ...どうしよう、喋り過ぎた。
    気持ちがバレてしまわないように、いつも気を付けていたのに。

    「へぇ...。」
    先生がゆっくりと口角を上げ、立ち止まって目線を合わせてきた。

    「嬉しいわ、いないとこでも思い出して頂けてるようで。俺もさ、ガル山先生のことがよく浮かんじまうんだよな。何してても、派手に。」

    顔が熱い。先生が近い。恥ずかしい。そんなことを言われたら、どう反応して良いのかわからない。

    下を向く私を覗き込むと、先生は柔らかく微笑んだ。

    「まぁ、近々花見でもしませんか?また、ふたりだけで。」

    期待...してしまってもいいのだろうか。

    おわり🌸

    +29

    -5

  • 2315. ĺŒżĺ 2024/04/15(㜈) 21:36:01 

    >>519推しと桜 >>552花見 
    ⚠️後半に🐚 ⚠️解釈違い🌫️

    最初の夜、最後の恋を君と①

    何となく嫌な予感はしていた。
    いくら観桜会の時期とはいえ、着物を着るよう念を押された時点ですでに。
    そしたら案の定、ただの会食と聞かされていた場が両家の顔合わせのようなものに早変わりしてしまっていた。

    代々政治に携わってきた家ではあるけれど残念ながら私は一人娘で他に兄弟はいなかった。
    女性の政界進出が目覚ましい世の中ではあるものの、私は政治に全く興味も無ければ元々の素質も無い。
    だからなのか、父が自分の後継に一人娘を娶らせて自らの地盤を継がせたがっているということは周りから散々聞かされて育ってきた。
    そんなの口で言ってるだけだと思っていたのに、まさか本気だったなんて。

    そして今、目の前にいるお相手の男性というのは19歳の私の一回り上だという。
    あの父が後継に推したがるくらいだ、なるほど若いがデキそうな風ではある。
    経歴だけでなく外見にも難の無い相手を選ぶ辺りに父なりの愛情を感じないでもないが、無断でこんなセッティングをする行為の前ではそんなもの消し飛んでしまう。
    一年の大半は家にいないくせに、たまに帰ってきたかと思えばこれだ。
    一般的なお見合いではアタリの部類なんだろうけど……と失礼な感想を抱きながら、顔に愛想笑いを貼り付けて居心地の悪い空間に身を置いていた。

    着物が苦しいから外の風に当たりたいとゴネて、なんとか中座することに成功した。
    着慣れている着物が苦しいなんてもちろん方便だけど。
    会食の場である料亭はお城のある公園の敷地内にあったので、私はそのままお濠沿いをとぼとぼと歩く。
    約2週間続く観桜会が始まってから最初の週末ということもあり、桜の名所でもある公園内は観光客で大いに賑わっていた。
    温暖化の影響なのか例年より早く開花した桜はすでに満開に近く、春特有の強風で早くも辺りに花びらを振りまいている。
    花霞でぼんやりした空はまるで、明るい未来を描くことができないでいる今の私の心のよう。
    朱塗りの橋の欄干に凭れ、お濠の水面を埋め尽くす花筏が揺蕩うのを眺めていた。
    私もああやって流されるしかないのかと感傷に浸っていたその時──。

    「綺麗だね」
    不意に隣から若い男性の声がした。
    声がした方に顔を向けると、長い黒髪が風に靡いているのが見えた。
    声を聞かなければ女の子だと思ったかもしれない。
    年の頃は私と変わらないくらいだろうか。
    連れはいないみたいだからどうやら私に向けられたらしい言葉だと判断する。
    「ほんと……今だけの絶景だよね」
    そう返して私が再び水面に目を移すと、その人は「違う違う」とクスクス笑う。
    「綺麗なのは、君。よく似合ってるねその着物。お姫様みたい」
    「え……あ、ありがとう……」
    同世代の男の子に面と向かって褒められたことなんて初めてなので、反応に困ってしまう。
    しかもお姫様だなんて。
    お礼で良かったのかそれとも謙遜して否定すべきだったのか、正解が分からない。
    すると彼は言う。
    「世が世なら、君はここのお城に住むお姫様だったのだから当然だけどね」
    その言葉に、私は弾かれたように顔を上げた。
    「──私のこと、知ってるの?」


    (つづく)

    +35

    -6

  • 2431. ĺŒżĺ 2024/04/16(灍) 00:15:00 

    >>519
    【推しと桜🌸】
    ⚠️解釈違い⚠️高校時代の同じ部活の後輩🪓(1つ下)

    仕事終わりにいつも通る公園の桜を見ようと近くのコンビニでノンアルをいくつか選んでレジで会計し、公園のベンチに座りノンアル(ライチグレフルサワー)のプルタブを開けようとしたら聞き覚えのある男性に声をかけられた。
    ??「もしかしてガル子先輩ですか?お久しぶりです。同じ部活で一緒だった時透有一郎です。」
    顔を上げると高校時代に同じ部活で一緒だった後輩の時透有一郎くんがいた。
    あの頃よりもかなり大人っぽくなっていて、背も高くてスーツがとても似合っていた。
    ガル子「時透くん久しぶり。仕事帰り?」
    ゆう「そうですね。今帰りです。先輩、花見ですか?あの、俺もご一緒してもいいですか?」
    ガル子「そっか、お疲れ様。うん。もちろん。ノンアルしかないけど良かったらどうぞ」
    ゆう「ありがとうございます。ご馳走様です。」
    隣に座る時透くんにノンアル(グレープフルーツサワー)を渡して軽く乾杯してからお互いの近況を話したりした。
    それからはお互いに無言で桜を見ながらノンアルを飲んだ。
    時透くんと一緒にいると自然と落ち着いた。
    ゆう「先輩、ご馳走様でした。先輩の連絡先教えてもらってもいいですか?今度お礼させて下さい。」
    ガル子「いえいえ。お礼なんていいよ。でも、連絡先は教えるね」
    時透くんと連絡先を交換してから帰る事にした。(ノンアルの空き缶はお互いに持ち帰りました)
    その日をきっかけに時々だけど時透くんとメッセージのやり取りをするようになった

    ──終わり──

    +24

    -8

  • 2518. ĺŒżĺ 2024/04/16(灍) 13:26:09 

    >>519
    (お題:推しと桜)

    はれた日にお前と一緒に過ごしたい
    なかよく手を繋ぐなんて恥ずかしい
    のんびりした性格だから見ていると
    くるしくなる程愛おしくなって俺の
    ものに早くなれば良いのになんて…
    ともだちだから何でも相談できるよ
    ゆうじょうが男女でも成り立つのは
    めずらしいよねと無邪気な笑顔で
    みないでくれ…理性が抑えきれない
    ぐっと堪えながらどこまでも続く
    さくらのトンネルを2人で歩いてる

    「…花の雲と夢見草ってあるもの表している言葉って知ってるかァ?」
    『何だろう?うーん…ヒントちょうだい』
    「さの言葉で始まってガル子が好きなもの」
    『…?』
    「目の前にあんだろォ…」
    『さ…桜‼︎』
    「半分は正解…もう一つは…」
    強い風が吹き沢山の花弁が俺達に舞い降りる 思わず後ろからガル子を抱きしめた
    「実弥って言ってくれ…もう友達なんかじゃねェ…俺はガル子がずっと好きだった」
    『…春の風に感謝しなきゃね…私もずっと実弥が好きだったよ』
    桜の神様 弱虫な俺の背中を押してくれてありがとう

    +32

    -8

  • 4476. ĺŒżĺ 2024/04/20(土) 06:12:36 

    >>505 ⚠️二次絵
    >>519 推しと桜
    ⚠️体が上手く書けないの、ごめんなさい🙏


    ガル子おはよ
    まだ桜が残ってる場所見つけたんだ
    おにぎり買って桜の下で朝ごはん食べない?




















    +36

    -7

  • 4656. ĺŒżĺ 2024/04/20(土) 18:18:39 

    >>519お題🌸

    ⚠️付き合う前
    ⚠️お題の🌸ほとんど関係なし
    ⚠️2人ともとんちんかん🔥🤪

    「今夜は桜吹雪がすごいな!この調子じゃ電車も止まっているだろう!」
    「えっ、この桜吹雪で電車も止まってるんですか?どうしよう…」
    「俺の家に来るといい!」
    「いえそんなわけには。タクシーで帰ります。」
    「金が勿体無い!気兼ねはいらんぞ!」
    「そうですか?じゃあ…すみません、お邪魔します。」
    「うむ!タクシー!!🖐️」
    「タクシーお金が勿体ないんじゃなかったでしたっけ?」
    「気にするな!運転手さん、◯◯町まで!」
    「えっ煉獄さん◯◯町にお住まいですか?私の家△△町なのでうちの方近いですよ!」
    「では君の家にお邪魔してもいいだろうか?」
    「そうですね。どの道帰れませんもんね。うちでよければどうぞ。」
    「では運転手さん、行き先は△△町に変更でお願いする!」
    🚕『△△町と◯◯町だと同じ方面で隣町なので近い方の料金でサービスしましょうか?それなら両方帰れますよ。』
    「大丈夫だ!」「大丈夫です!」

    2人ともとんちん確信犯⚠️



    +43

    -5

  • 5479. ĺŒżĺ 2024/04/21(日) 21:42:06 

    >>519 桜 >>771 悲恋 ⚠️🌊
    1/2

    それは花散らしの風が強く吹くある夜のことだった。
    桜はとうに満開の時を越え、葉桜へと姿を変えようという頃にようやく探し人をみつけた。

    「ここに居たのか。随分と探した」

    その者は闇夜の中に聳え立つ大きな桜の木を見上げ、懸命に伸ばした指先は心許なく空を切っている。

    「…何をしている」
    「…もう少し。もう少しで、掴めそう」
    「そこには、もう何も無い」
    「花びらが、雨みたいに降ってきてるの」

    漆黒の中に舞う桜の幻を見ているのだろう。
    彼女に歩み寄り無い花びらを掴もうとする手首を掴み、その動きを止めた。

    「やめろ。もう無いと言っているだろう」
    「見て、凄く綺麗」

    綺麗、と言った彼女の言葉に去年一緒に見たこの桜を思い出す。一年前、見事に咲き誇った桜はまるで薄桃色の雨のように二人に降り注ぎ、ほんの一瞬だけ、黄泉の国とはこのような場所なのかと思わせた。
    そこに、両親も姉も、親友もいる。

    ────決して、俺のような者が行ってはいけない場所。

    「知ってる?桜って、二度散るのよ」

    幸せそうに桜を見上げる彼女が、俺に言った。

    「一度目は、花びらが散る時。まさに今ね」
    「…散ったら終わりじゃないのか」
    「もう一度散るのよ」
    「もう一度?」

    そう聞き返した俺は、よっぽど間抜けな顔でもしていたのだろう。彼女はそんな俺を見てくすくすと笑いながら教えてくれた。

    「桜蕊降る、て言ってね。花びらが落ちてしまった後、今度は花びらを失った萼の部分が散るのよ。ほら、あの、……」

    そこまで言って止まってしまった彼女の言葉を、目で催促する。

    「…血のような、赤紫色の部分が萼」

    "血のような"とわざわざ喩えたのは、家族が鬼に殺された過去を思い出しているのだろうか。あと一歩間に合わずに彼女の家族を助けられなかった俺は、勝手に責められているような気になった。

    「その萼が、地面を赤く染めるの。…幸せの後に来る、残酷みたいね」

    幸せの後の残酷。
    その景色を、今まで何度見てきただろう。

    +30

    -3

  • 5660. ĺŒżĺ 2024/04/22(㜈) 00:19:18 

    >>519桜>>630⚠️己の趣味>>4899新婚旅行
    🔥🐚
    1/3

    イタリアでの新婚旅行から帰国し、最寄り駅の改札口を出ると、満開の桜が出迎えてくれた。
    朝の光が眩しい。

    「わぁーー!!綺麗!出国のときはまだ蕾だったよね。タイムスリップしたみたい。桜ってこんなに綺麗だったっけ?」

    「本当に美しいな。君には負けるがな」ニコッ

    「もう!その笑顔さー、破壊力が凄いんだから自覚してよね!…あなたこそが桜に勝てるでしょ。むしろ、桜の方からあなたに群がってきそうだよ」

    「ハッハッハ、どんな状況だ!!」


    10日ぶりに帰宅し、 お揃いのジェラー○ピケの部屋着に着替え、久々に家のベッドに飛び込む。
    いつものように彼の腕枕で横になる。

    「はあーー、新婚旅行楽しかった~!!でも時差ボケもあってちょっと眠いなぁ」

    「明日も休みだ。ゆっくりしよう」


    彼の心地よい温もりと匂いに包まれて眠りに落ちかけた時、彼が話し始めた。

    「…イタリアのベッドで君を抱くのも非日常的で良かったが、家はとにかく落ち着くな」

    「そうだね~!…あなた、最終日の夜凄かった……私たち、朝集合時間ギリギリだったし、寝癖も凄かったから、同じツアーのみんなにバレバレだったんじゃないかな」

    「なに、カップルが多かったし、きっと最終日はみんな盛り上がったんじゃないか?」

    「ふふ…たしかに、すっぴんの子 私だけじゃなかった気がする」

    彼が愛おしそうに目を細めて私の頭を撫でる。

    「…そういえば君、フィレンツェに行った時、美術館のダビデ像を見て顔を赤らめていたな?」

    「やだ、気付いてたの」

    「勿論だ。…不甲斐なくも、少し嫉妬した」

    彼は子供のようにぷうっと頬を膨らませた。

    続く

    +28

    -17

  • 5670. ĺŒżĺ 2024/04/22(㜈) 00:37:23 

    >>5660
    >>519桜>>630⚠️己の趣味>>新婚旅行
    🔥🐚
    2/3

    「もう、拗ねちゃってたの?可愛い。…私はあの時、あなたとダビデ像を比べちゃってたの。筋肉の付き方が似てるな~、でもあなたの方がガタイがいいかな~、とか…」

    「…比べたのはそこだけか?」

    「…意地悪。」

    「どこを比べたんだ?言ってみるんだ」

    「…あなたの方が…あそこ…もう、言わせないでよ」

    思わず照れてしまい、彼から目線を逸らす。

    「いつも俺の前であられもない姿を晒してるのに照れるとは……、君は可愛いすぎるんだが…」

    その時、彼が私の頭を支えながらゆっくり腕枕を解き、あっという間に私の両手を押さえて覆い被さった。

    ふっ、と微笑んだ後、優しく一度キスをしてきたかと思ったら、
    次は強く唇を押し当ててきて、すぐにまとわりつくように舌を絡めてきた。

    「愛してる…俺の奥さん」

    「私も…あなた…」


    夢中になってキスを重ねていると、次第にお互いの身体が密着してきて、彼の中心部が熱く硬くなっていることに気付き、私も更に身体を密着させてしまう。

    「…もう、一生、俺は君しか抱かないんだな。君も一生、俺にしか抱かれないのか、、最高だな……すまん、独占欲の強い男のようで嫌な気持ちになったか」

    「ううん…!…あなたがそんなことを思ってくれてるなんて、もう嬉しくて……」

    「良かった…安心した」

    「…だって、結婚するって、そういうことだもんね?……ねぇ、私だけの旦那さまの…欲しいよ…♡」

    「……!」

    甘えるように言ったのが更に彼に火をつけたらしく、彼の目の色が変わった。

    二人とも今日は少し大胆になっているのかもしれない。

    続く

    +28

    -20

  • 5678. ĺŒżĺ 2024/04/22(㜈) 00:46:56 

    >>5670
    >>519桜>>630⚠️己の趣味>>4899新婚旅行
    🔥🐚
    3/3

    遮光カーテンの隙間から春の日差しが差し込むベッドで、私たちは夢中になってお互いを求め合った。

    気付けばもう夕方──。

    「…なんか二人とも、イタリアから帰ってきて大胆になっちゃったかな?新婚旅行より盛り上がっちゃったね」

    「家の方が興奮するかもしれないな。ベッドがどんなことになっても気にしなくていいからな」

    「もう…!あなたのせいだよ…!!♡」

    「お互い、だな!!♡…これからも、二人で色々な所に出掛けたり、美味しいものを食べたり、一緒に様々なことを感じよう。勿論、俺は君としたい🐚も溢れ出てきてるぞ!!」

    「もう、あなた♡私だって♡」

    終わり

    +28

    -18

  • 6058. ĺŒżĺ 2024/04/22(㜈) 21:14:52 

    🍀>>5710🐗HappyBirthday🎂
    >>5317地元じゃ負け知らず
    >>5353ワイルドセクシー柱
    >>519桜🌸>>552お花見
    >>591🍽️🍤

    ワイルドセクシー柱義勇&伊之助🌊🐗


    🌊🐗『ただいま』

    🎤地元じゃ負け知らず〜🌊🐗

    🌊「ワイルドセクシー🌹に、サービスショットで帰ったぞ
    今日は伊之助の好きな天ぷらを皆で食べよう🍤
    やんちゃで元気で明るく、前向きに突き進む伊之助が好きだ
    伊之助、本当におめでとう!🥂
    俺の手作りケーキだ>>6044🎂」

    🐗「半々羽織と帰ったぞ!💨
    どうだ?ワイルドセクシー柱だろ?
    これから花見しようぜ!
    半々羽織がいっぱい天ぷら奢ってくれるってさ!🍤✨
    楽しく過ごそうな!
    半々羽織と一緒のCM放送も見てくれよ!📺>>6001」

    +42

    -3

  • 9367. ĺŒżĺ 2024/04/29(㜈) 21:59:21 

    歌お題>>544
    桜>>519
    悲恋>>771
    文学>>572
    タイムリープ>>8742
    己の趣味に全振り>>630
    ⚠️死ネタあります

    「春の夜の夢」 第一話

    美しいものほど儚い。
    雪の結晶も、桜の花も、人の命も…

    何もしていなくても、ふとした時に涙がこぼれる。
    あの日から涙腺も感情も壊れてしまった。

    この家は元々、私のためにあてがわれた家ではないのに、お館さまは落ち着くまでいてもいいと言ってくださった。しかし、鬼殺隊は数ヶ月前に解散したのにいつまでも甘えているわけにはいかない。
    あの決戦で大切な人を亡くしたのは私だけではないのだから。
    尊い犠牲の上に成り立っている安寧を手放しで喜ぶことはできず、かといって皆の前で悲しむこともできず、私は伊黒さんと暮らした家で一人で過ごしていた。

    気心の知れた隠のもぶ子さんが、たまに訪ねてくれた。彼女は女性特有の勘で、早いうちから私の気持ちに気づいていた。
    気遣ってくれるのはありがたかったが、彼女の口から伊黒さんの名前が出るたび、現実を受け入れなければいけないと言われているようで苦しかった。
    「伊黒さんに気持ちを伝えたことはかったの?」
    彼女の問いに、私は下を向いて首を振った。
    鬼を滅することに心血を注いでいた伊黒さんに余分な煩わしさを与えたくなかった。
    今はそんなことは考えられないと言われるのは明白で、居た堪れなくなって暇乞いをする自分の姿まで想像できた。
    結局、私は怖かったのだ。
    近づくことも離れることもできずに、ただ伊黒さんの生き様を目に焼き付けることしかできなかった。

    空っぽになってしまった私は、縁側で鏑丸くんに話しかけるのが日課になっていた。
    伊黒さんのように以心伝心とはいかないけれど、鏑丸くんの言いたいことも、なんとなくわかるようになっていた。
    「伊黒さんに会いたいな」
    ぽろっとこぼれた言葉に、鏑丸くんが心配そうな顔をしながらとぐろから首をもたげて寄り添ってくれた。
    私は誰にも会わず、生きるのに最低限度の栄養と睡眠をとり、主を失った家の中で通り過ぎていく時をただ見送っていた。

    だから、はじめは精神を病んで幻覚を見ているのだと思った。縁側から見える桜の木の下で、白と黒の羽織が風にはためいている。
    「がる子」
    ……幻聴まで聞こえる。
    それが幻覚でないことは鏑丸くんが教えてくれた。
    私の隣で私以上に目を丸くしている。
    「伊黒さん?」

    いつのまにか冬は終わり、ぽつぽつと咲き始めた桜の花が、春の訪れを告げていた。

    『静かに思へば、万に、過ぎにしかたの恋しさのみぞせんかたなき』
    徒然草 29段より/吉田兼好

    続く

    +31

    -7

  • 10555. ĺŒżĺ 2024/05/02(㜍) 07:31:49 

    >>505 ⚠️二次絵
    >>519 推しと桜
    ⚠️苦手な方はスクロールお願いします

    キメツ学園!終了寂しいよ~というわけで、高等部3年生の皆様を桜の木の下で記念撮影させてもらいました(矢琶羽くんは地面に寝転ぶの嫌だったみたい…ゴメンネ)


















    +64

    -10

  • 11318. ĺŒżĺ 2024/05/03(金) 21:00:02 

    >>519桜🌸
    >>1153春嵐🌬
    >>6940B'z🎸
    >>2312歌って欲しい歌🎶
    >>1394言われたいセリフ🗨️
    >>3202耳打ち
    >>2918Kissで終わる話

    スケーター義勇🛼
    〜🎸B'zな義勇🌹〜

    ただいま
    今日は『スケートパトロールの日』だ
    スケーターになって帰ったぞ
    桜風吹が舞い散る中、春嵐の様に攫いに来た

    🎤🎵ALONE 僕らは 
    それぞれの花を〜🌹

    花束を出す

    🎤🎵抱いて生まれた
    巡り合う為に💐

    じっと見つめ花束を差し出す

    耳打ち
    『俺の愛の花束受け取って欲しい』
    💐💍花束の中に指輪
    Kiss

    +36

    -3