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2751. 匿名 2024/04/16(火) 21:39:49
>>2738の続き⚠️2738の⚠️見て下さい
2-2
夜中、急な発作で苦しくてうわ言のように俊國さんの名前をよんだ気がする
でも、もうろうとするわたしの目に映ったのは俊國さんではなくて、大人の男の人…わたし、あのまま気を失って夢でも見ているのかな…
その人はわたしの顔をのぞき込んできて
「楽になりたいか?」
と、聞いてきた
息がくるしい、胸がいたい、らくに、なりたい…
わたしはコクンとうなづいた
「適応すれば動けるようになるだろう。但し、日の下には出られんままだがな」
わたしがふたたびうなづくと、その男の人は牙のようにとがった歯で自分の唇をかんで、わたしの口に押しあててきた
柔らかな感触と血の味がしたのと同時に、わたしは意識を失った
それからどれくらいたったのか、わからない。次に目を覚ましたとき、近くの部屋から物が壊れるような大きな音と、女の人の悲鳴が聞こえてきた
なんだろうと思って体を起こし部屋を出て、音がした方へ向かったの。不思議なくらい体が軽くて今までの苦しさがうそみたいだった
音がした部屋の、少し開いていた扉から中をのぞくと、部屋の床は真っ赤に染まっていて、その上にお母さまとお手伝いさん、だったもの──が転がっていて
その横で俊國さんがとても嬉しそうに笑っていたわ
だれが見たっておかしい光景なのに、わたしはお母さまだったものを見ても怖くも悲しくない、それどころか──オイシソウ
扉の影のわたしに俊國さんが気づいた
「やはり適応したか…飢えているだろう?喰らえ」
そう言った後、俊國さんの姿はあの日見た美しい男の人へと変わった
その人は私の長い髪をひとすくい手に取り、愛おしそうに口付ける
「がる代、成長した姿も想像通り美しい…私と共に来い。お前は私のモノだ。近い内に日の下を歩けるようになるだろう。そうすればどこへでも好きな場所に連れて行ってあげよう。私は鬼舞辻無惨、全ての鬼の祖だ」
鬼舞辻無惨…無惨様。わたし、この出会いのために、この人と生きるために苦しい生を耐えてきたんだわ。私の心はかつてない幸福感に包まれた。
飢えは満たした。もう苦しくない、痛くもない、自由になれた。
「無惨様。私の体も魂も救ってくれた愛しい人。私の全てはあなたのものです」
微笑んでその背にそっと腕をまわす
たとえあなたが物の怪だろうとも、私を化け物に変えたのだとしても、私にとってあなたは唯一の希望、神様。
「私、やっとあなたと同じになれたわ」
たとえ行きつく先が地獄でも、あなたとなら──
狂おしいほどに甘い口づけを交わし、そしてわたしの過去は溶けて消えた
Fin+32
-18
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2759. 匿名 2024/04/16(火) 21:46:24
>>2751
何がその人の救いになるかなんて誰にも分からないもんね…正しいことと幸せは必ずしも合致しない
すべての鬼の祖無惨様に愛されて導かれるのもいいなぁ+22
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2772. 匿名 2024/04/16(火) 21:54:21
>>2751
ここから二人の甘く苦しい時間が始まるのですね
原作のサイドストーリーのようなお話、ありがとうございました✨+21
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2785. 匿名 2024/04/16(火) 22:09:33
>>2751
仄暗いけれどふつふつと幸せが湧き上がってくるような、なんとも言い表せない感情がツボです!語彙力なくて不甲斐なし。。引き込まれました✨好きです*.ˬ.))+17
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2786. 匿名 2024/04/16(火) 22:11:22
>>2751
こういうメリバ大好きです…二人に幸あれ✨+19
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2816. 匿名 2024/04/16(火) 22:47:11
>>2751の感想くださった方へ
>>2759 >>2772 >>2785 >>2786
ありがとうございます
一度は書いてみたかったメリバ、正直かなりの自己満作品だったのですが感想や反応を頂けて嬉しかったです
+15
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