ガールズちゃんねる
  • 2738. 匿名 2024/04/16(火) 21:30:47 

    こんばんは妄想文失礼します

    ⚠️ヒロイン鬼化 原作軸 多少グロ有り メリーバッドエンドというやつ


    『暗澹、そして安寧』

    2-1
    生まれたときから特別体が弱かったわたしは、大切に屋敷の奥にしまわれて人生のほとんどをベッドの上で過ごしているの
    生まれつき髪の色も肌の色も真っ白でお父さまともお母さまとまちがうわたし
    日に当たると肌がやけどみたいに痛くなって、すぐに疲れて熱を出してしまうから外出もできなくて、そんなだから外の世界のことは知らない

    お父さまは事業で、お母さまもお付き合いで忙しいからゆっくりお話しできることもめったにないのよ
    たまにお手伝いさんが話しあいてになってくれるだけ
    それでもとても大切にされているし、そう思えばがまんできるわ

    つまらない毎日、つまらない時間、ままならない体、いつまでこうしていればいいのかしら
    でもね、いつもと変わらない日がとつぜん変わったの
    わたしに“きょうだい”ができたわ
    お父さまが会社を継がせるために賢い男の子を養子にしたんですって

    きょうから家族になる血がつながっていないわたしのきょうだい

    「俊國です。よろしく、がる代さん」

    俊國さんがうちにきてしばらくたったある日、その日も熱でウトウトとしていたけど物音がして目を開けたの
    そうしたら俊國さんがベッドのそばに立ってじっとわたしを見つめていたわ
    「どうしたの?眠れないのかしら?今は体が辛くて起きあがれそうにないの。だからあなたに何もしてあげられないわ…ごめんなさいね」
    そう声をかけると俊國さんはそばにあったイスを引いて座った

    「がる代さんは、いつから床にふせっているのですか?」
    「ずっとよ、生まれてからずっと…さいごに外に出たのはいつだったかしら、お日さまの下で遊んだ記憶なんて一度もないわ。日に当たると肌が焼けるように痛くなるし必ず熱が出るのよ」
    「僕も、皮膚が弱いので日光に当たれないのです」
    「そう…なら私たちは同じね」
    ぜんぜん同じじゃない、俊國さんは日に当たれないだけで体は健康そうだもの。でも不思議と同じかもって、そう思ってしまったのよ
    その時の俊國さんはほんの少しだけ驚いた顔をしていた

    それから俊國さんはたまにわたしの部屋に来て、外の世界のことを教えてくれたの。日が落ちてしまえば外出することができる俊國さんをうらやましく思ったこともあったし、あなたがうらやましいと言ったこともあったわ
    だんだんと弱っていく体がうらめしくて、早く楽になりたいと弱音を言ったときには優しく頭をなでてくれて嬉しかった


    2-2へ

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    -4

  • 2751. 匿名 2024/04/16(火) 21:39:49 

    >>2738の続き⚠️2738の⚠️見て下さい



    2-2



    夜中、急な発作で苦しくてうわ言のように俊國さんの名前をよんだ気がする
    でも、もうろうとするわたしの目に映ったのは俊國さんではなくて、大人の男の人…わたし、あのまま気を失って夢でも見ているのかな…
    その人はわたしの顔をのぞき込んできて
    「楽になりたいか?」
    と、聞いてきた
    息がくるしい、胸がいたい、らくに、なりたい…
    わたしはコクンとうなづいた

    「適応すれば動けるようになるだろう。但し、日の下には出られんままだがな」
    わたしがふたたびうなづくと、その男の人は牙のようにとがった歯で自分の唇をかんで、わたしの口に押しあててきた
    柔らかな感触と血の味がしたのと同時に、わたしは意識を失った

    それからどれくらいたったのか、わからない。次に目を覚ましたとき、近くの部屋から物が壊れるような大きな音と、女の人の悲鳴が聞こえてきた
    なんだろうと思って体を起こし部屋を出て、音がした方へ向かったの。不思議なくらい体が軽くて今までの苦しさがうそみたいだった

    音がした部屋の、少し開いていた扉から中をのぞくと、部屋の床は真っ赤に染まっていて、その上にお母さまとお手伝いさん、だったもの──が転がっていて
    その横で俊國さんがとても嬉しそうに笑っていたわ
    だれが見たっておかしい光景なのに、わたしはお母さまだったものを見ても怖くも悲しくない、それどころか──オイシソウ
    扉の影のわたしに俊國さんが気づいた
    「やはり適応したか…飢えているだろう?喰らえ」
    そう言った後、俊國さんの姿はあの日見た美しい男の人へと変わった

    その人は私の長い髪をひとすくい手に取り、愛おしそうに口付ける
    「がる代、成長した姿も想像通り美しい…私と共に来い。お前は私のモノだ。近い内に日の下を歩けるようになるだろう。そうすればどこへでも好きな場所に連れて行ってあげよう。私は鬼舞辻無惨、全ての鬼の祖だ」
    鬼舞辻無惨…無惨様。わたし、この出会いのために、この人と生きるために苦しい生を耐えてきたんだわ。私の心はかつてない幸福感に包まれた。
    飢えは満たした。もう苦しくない、痛くもない、自由になれた。
    「無惨様。私の体も魂も救ってくれた愛しい人。私の全てはあなたのものです」
    微笑んでその背にそっと腕をまわす
    たとえあなたが物の怪だろうとも、私を化け物に変えたのだとしても、私にとってあなたは唯一の希望、神様。
    「私、やっとあなたと同じになれたわ」
    たとえ行きつく先が地獄でも、あなたとなら──
    狂おしいほどに甘い口づけを交わし、そしてわたしの過去は溶けて消えた


    Fin

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  • 13693. 匿名 2024/05/07(火) 16:43:05 

    >>13462
    まとめ場所ありがとうございます✿
    彼トピに気づいてから毎日空き時間はここを開いてスクロールとプラポチと妄想文書きでGW期間はそれに加えてゲームまでして見事腱鞘炎になり申した😂
    皆さんのコメントや彼氏さんとの素敵な出来事の文章に笑ったりうるっときたり墓入りしたりと退屈しない日々を過ごさせて頂けて幸せです🌸
     妄想が枯れかけた時にはお題や他の方の妄想のおかげで新しい扉が開いてまた書けたこともあり、同担さんはもちろん他嫁さんからも沢山のエネルギーを頂きました!
     私の妄想を読んでくださった方、コメントやポチしてくださった方皆さんありがとうございます!コメントへのお返事が書けずタイミングを逃してしまっている事もあり申し訳ない気持ちもありまして…この場を借りて感謝の気持ちをお伝えします🙇
    >>1327 いつか桜の樹の下で
    >>2208 >>2848推しの第二ボタンを奪え
    >>2738 暗澹、そして安寧
    >>3224 卒業式にて
    >>4033 気ままに書き連ねる妄想(連載)ハルちゃん爆誕
    >>4655 二階堂な推し
    >>5852 お題 ナンパごっこ
    >>6047 お題回答ナンパごっこ
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