ガールズちゃんねる
  • 2294. 匿名 2024/04/15(月) 21:18:27 

    >>1791

    猫と鶴🍃4
    ⚠⚠⚠解釈違い大、🍃がチャラいです。何でも許せる方向け
    ⚠モブの女性との🐚匂わせる表現あります
    ⚠長文の苦手な方は、恐れ入りますがスクロールお願いします
    ⚠当時の医学について素人であることをお許し下さい。

    「今から俺の屋敷に来るかァ?すぐそこだぜ」
    「やめて、わたしそんなつもりありません」
    がる葉は強気にも実弥の手を振り払った。鬼に襲われかけて怯えていた時とはまるで別人だ。
    そういう“お相手”には困っていないことを、往診やらおつかいで街のあちこちに出向くがる葉は知っていた。とはいえ、さすがにこのような仕事をしているとは知らなかった。もっと言えば鬼という化け物の存在、それらと刀一本で対峙し、討伐する者がいることも。
    「そりゃァ残念」
    命の恩人だと一瞬でも感謝したのが愚かだった。長い睫毛を伏せた横顔の美しさに、目を奪われた己を恥じた。何が残念か、この野郎。

    「わたし知ってるのよ?貴方、綺麗な女の人と歩いてるかと思えば、何日か後には違う女の人の家に上がり込んでるでしょ」
    実弥は肯定も否定もしない。苛立ったがる葉は言葉を続けた。
    「ひどい人、みんな相手は自分だけだと思ってるんじゃないの?」
    「言っとくがこっちもそこまで馬鹿じゃねェ、色んな意味で後腐れのない女を選んでるに決まってるだろ?こちとらいつ死ぬか分からねェ、曲がりなりにも“そういう”生業なんだからよ──それに」
    「?」
    「寧ろ向こうが喜んで招き入れてくれるんだぜ、女達の方が俺に抱かれたがってんだよ」
    「最低!」
    がる葉はカッとして手を振り上げた──が、その手はいとも容易く掴まれた。
    「気が強くて好みだなァ」
    「お断りよ!」
    がる葉は実弥の顔にお金を投げつけ走り去った。ついさっき、薬代として患者から受け取ったものだ。実弥は(出るに出られなかった)隠を呼んで言った。
    「あいつがちゃんと帰れるか見てやれ、俺は適当に引き上げる」
    「承知仕りました」
    「やれやれ……世話の焼けるこったァ」
    急いでがる葉の後ろ姿を追いかける隠を見送った後、実弥は散らばったお金を月明かりを頼りに拾い集めた。

    (コメントありがとうございます😊)

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  • 2309. 匿名 2024/04/15(月) 21:31:58 

    >>2294
    めちゃくちゃドキドキしながりずっとよんでるよ
    大好き💕

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  • 2355. 匿名 2024/04/15(月) 22:11:01 

    >>2294
    チャラいようで沈着な実弥…す、好き…💘

    +19

    -3

  • 2368. 匿名 2024/04/15(月) 22:38:31 

    >>2294
    気が強くて好みだなァ…
    気が強くて好みだなァ……
    気が強くて好みだなァ………

    +25

    -5

  • 2394. 匿名 2024/04/15(月) 23:31:09 

    >>2294
    トゥンクが止まらないわっ♥

    +16

    -0

  • 2624. 匿名 2024/04/16(火) 19:45:47 

    >>2294

    猫と鶴🍃5
    ⚠⚠⚠解釈違い大、🍃がチャラいです。何でも許せる方向け
    ⚠長文の苦手な方は、恐れ入りますがスクロールお願いします
    ⚠当時の医学について素人であることをお許し下さい。

    「しまったぁ……」
    翌日昼、がる葉は文字通り頭を抱えていた。
    「なんだがる葉、頭痛かい」
    「いえ!そんなことないわ」
    「それはそうと、モブ田さんの薬代はどうした?昨夜は遅かったから、まだもらっていなかったな」
    「(!!)あっ……!い、今持って来ます!(汗)」
    がる葉は、勉強部屋にしている家の奥の書庫に駆け込んでため息を吐いた。モブ田さんから受け取った薬代は、自分を馴れ馴れしく口説いてきた男の顔に投げつけてきてしまったのだ。自分の行動の浅はかさに、本当に頭痛がしそうだ。お小遣いの中から工面するしかないか……と思ったその時、開けていた窓の外に人の気配を感じた。顔を上げた瞬間、がる葉の呼吸は止まりそうになった。格子窓の向こう、裏庭の生け垣の上にあったのは、昨晩出会ったあの男の顔だったのだ。
    「よォ」
    「あなた、なんでここが分かったの!?」
    「さぁなァ」
    「さっさと帰らないと大声出すわよ」
    がる葉が睨みつけると、実弥はため息を吐きながら腕を伸ばし、格子窓の隙間から手を入れた。昨晩、がる葉を追いかけさせた隠にこの場所を聞き出したのだった。
    「お前なァ、俺を警戒し過ぎだろ……ほら、手ェ出せ」
    がる葉が恐る恐る広げた両手の上で、ちゃりんちゃりんと硬貨の触れる音がした。
    「これ……」
    「ちゃんと足りるかァ?」
    「あっ……うん、あ、ありがと……」
    口ぶりは素直ではないが、はぁと息を一つ吐いた顔は安堵の表情だ。がる葉の口から感謝の言葉が聞けるや否や、実弥は口角を釣り上げた。笑うと案外可愛らしい。がる葉は思わずどきりとした。
    「俺達鬼殺隊は助けた相手から金は取らねェんだよ、けどそれはお前が治療だか薬だかの対価として、患者から受け取った大事なもんだろ?」
    「うん……」
    「あとこれ、どうしても夜出歩かなきゃならねェ時は持っとけ、鬼避けになる」
    実弥は着物の懐から藤の花の匂い袋を取り出して、また生け垣の向こうから目一杯腕を伸ばした。
    「いい香り……ありがとう」
    「鬼は夜活動するから気を付けろよ、じゃあなァ」
    「待って!」
    「何だァ、逢引きの誘いか」
    「だからなんでそうなるのよ!……諸々のお礼に、お茶とお菓子くらい出してあげなくもないわ」
    「本当に素直じゃねェなァ、ちなみに茶菓子は何を出してくれるんだ?」
    「え?そこのお店のおはぎだけど……」
    「よォし!おい、どっから入ればいいんだ?」
    「ちょ、まず父にこのお金を渡してくるから待ってて!あっ、くれぐれも見つからないでよ」

    (たくさんのコメント嬉しいです!!)

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