ガールズちゃんねる
  • 2077. 匿名 2024/04/15(月) 16:37:26 

    >>2074
    歌お題🌊

    3DAY
    「今日は本当に元気ないね?お友達と喧嘩した?」
    三日目にもなると、俺達は挨拶すらせずにベンチに無言で座っていた
    「喧嘩・・・では無いと思う」
    「ガル子さん?」
    何でも分かると初対面から言われたけれど、ここまで見透かされているとは
    「義勇を本当に落ち込ませるのは、剣道とガル子さんだから」
    慌てたように言われて、また恥ずかしくなる。・・・そんなに分かりやすいだろうか
    高校から一緒になった部員に、一人とんでもなく才能のある奴がいる
    獅子色の髪色で、顔にある傷跡も、見た目からしてかっこよかったがそれ以上に強かった
    本当に才能のある人間は、こういう奴のことを言うのだろう
    口下手な俺にも気さくに話しかけてくれるので、言葉を交わすようになった頃、そいつとガル子が親しくしていることに気が付いた
    クラスが一緒なのは知っていたが、委員会まで一緒だと知らなかった
    それだけだと思っていたけれど、今日会話している場面を見たら、黙って去るしかなかった
    俺に気が付いたガル子に話しかけられたが、素っ気なくして学校を出て行ってしまった

    「・・・・何でか分からないけど、ガル子が、・・・・あいつと話してるともやもやする・・・」
    「あいつ、って誰?」
    剣道が強くて、髪が獅子色で・・・と続けると、「もしかして、顔に傷跡有る?」と問われた
    「・・・何で分かったんだ?頬にけっこう目立つ傷跡がる。それも男らしいが」
    ガル実は破顔し、やがて「・・・・あははっ」と声を出して笑い出した
    「・・・・何だ、急に」
    「義勇はその人のことも好きなんだね。男らしくて、憧れてるんでしょう?」
    「・・・・そう、かもしれないな」
    俺とは違う男らしさに、逞しさに、多分最初から憧れていた

    「二人と、話せると良いね」

    がる実は笑った。とても嬉しそうに

    ──貴方がかつて、ガル子さんに語っていた友に、会えていたことが嬉しくて
    私まで幸せな気持ちになったんだ

    連投失礼しました
    後日また更新します

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  • 2081. 匿名 2024/04/15(月) 16:49:52 

    >>2077
    続きを楽しみにしてます!

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  • 2093. 匿名 2024/04/15(月) 17:35:44 

    >>2077
    引き込まれてます!

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  • 4065. 匿名 2024/04/19(金) 15:50:34 

    >>2077
    歌お題⑤
    4DAY
    今日、錆兎から声をかけられた
    「予定通り、来週は戻れるのか?」
    「・・・・多分大丈夫だと思う。週末また病院行くから、許可が降りれば」
    「そうか。また打ち合いをしたいと思ってたら来なくなったから心配してたんだ。師匠から事情を聞いて、大丈夫だと思っていたが」
    「・・・・そうか。ぜひ」
    「義勇の無駄の無い動きは本当にすごいからな。勉強になる」
    照れたような笑顔で言われてしまった

    「がる田とは幼馴染なんだろ?」
    「・・・ああ」
    「委員会が一緒だから話したけど、何か冨岡のことばっか聞かれたぞ。部活ではどうかとか」
    「・・・他に話すこと無かったんじゃないか」
    「え、そういうこと?お前」
    「何だ?」
    「・・・・いや、良い。気にするな。じゃあ来週、打ち合おうぜ。本気出してくから、よろしく」
    「?ああ」
    最初から飛ばすと良くないかもしれないが、まあ良い。こっちもうずうずしている
    いつもより足取り軽く公園に着くと、いつもの場所にガル実がいた

    「良かった。立ち直れたみたいだね」
    「・・・そうか?」
    「表情が違うもん。良かった、見れて」
    「・・・がる実?」
    「一週間は持つと思ったんだけどね、多分、明日で・・・」
    「・・・そうか」
    がる実の髪の毛が風に揺れる。
    「いつも突然なんだよね。お別れって。分かってたけど、辛いな」
    でも、とがる実は続ける
    「また会えるって、信じてるから」


    何だかいつも感じる生命力のないがる実に、もとより口下手な俺にはかける言葉が見つけられずに時間を過ごしていた
    がる実は、また恋人に会えると、それだけはとても嬉しそうに語ってくれた
    最初から一週間と言われていたし、引っ越しの予定でも早まったのだろうかと呑気に考えていた

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