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17400. 匿名 2024/05/12(日) 16:27:37
>>17394《ア・ポステリオリ》ハピエンルート②
⚠️趣味全振り・何でも許せる方向け
そんな顔をさせたかったわけじゃない。
ただ。事実だけを淡々と告げよう。
私の気持ちは、溢れ出さないように。
タイミング逃しちゃって言えてなかったけど、就職決まらなかったから実家に帰ることになったって。それだけ伝えて、こっちに来た時はまた遊ぼうねって。
そうしよう。
そう思ったのに────
「宇髄さん」
「ん?」
名前を呼ぶといつもそうやって。
きゅっと口角を上げて微笑んで、私の顔を見て返事をしてくれる。
そういうところも、本当に────
「大好き」
宇髄さんが息を呑んだのが伝わった。
いつだって、宇髄さんが大事に守ってくれていたこの関係にヒビを入れてしまうのは、我慢の効かない子供の私の方で。
甘えていないつもりでも。
期待していないつもりでも。
やっぱりどこか、私よりもうんと大人の宇髄さんの気遣いで成り立っていた関係だったと、思い知らされる。
そっと握られていた手に力が籠ったのが伝わった瞬間。そのまま腕を引かれて抱き寄せられた。
つづく+20
-6
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17418. 匿名 2024/05/12(日) 16:37:48
>>17400《ア・ポステリオリ》ハピエンルート③
⚠️趣味全振り・何でも許せる方向け
「…んだよお前、いつからだよ…」
独り言のように耳元で呟かれた掠れ声。
「わかんないけど…気付いたら…」
大きなため息を吐いた宇髄さんが身体を離す。
きっと困らせている。怖くて顔が上げられない。
俯く私の両頬が、そっと包まれる。
「こっちむいて」
恐る恐る顔を上げると。
いつも通り、優しい表情の宇髄さんと目が合った。
「俺も」
今度は私が、息を呑む。
「やっと言えるわ……。俺も、めちゃくちゃ好き。大好き」
くしゃっと笑った宇髄さんに、ぎゅっと抱きしめられて。嬉しすぎて泣いてしまって。
二人で人目も憚らず、しばらくぎゅっと抱きしめ合って。
それから。
夕方の飛行機に乗って実家に帰ることを話したら、すごく怒られてしまった。
つづく+22
-6
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