ガールズちゃんねる
  • 16772. 匿名 2024/05/12(日) 00:23:27 

    >>15102
    ⚠️解釈違い
    彼女の友達 7

    俺はノロノロと起き上がるとさっき放り投げたスマホを拾い上げ画面を確認する。
    ​──​──ガル子からだ。
    その瞬間一気に目が覚めた。
    『彼氏と別れた』
    送られてきたLINEには一言だけ。
    ああやっぱり。
    その後すぐに『近くで飲んでるから出てこない?』と2件目のLINEが届いた。
    『20分くらいしたら行くよ』
    そう返信すると俺は速攻でシャワーを浴び着替えて出掛ける準備を始めた。
    外へ出ると降り出した雨は止んで雲の切れ間から月明かりが差し込んでいた。

    店に着くとガル子はすでにかなり飲んでる様子だった。
    落ち込んで泣きながら家で引きこもってるのかと思ったけど思ったより元気そうで安心した。
    思えばガル子はそういうタイプじゃなかったよな。
    俺はビールを注文するとガル子の向かい側の席に座った。
    「で、彼氏と別れたって?」
    「うん。言っとくけど私が振ったんだから!あんな顔だけのクズ男別れて清々した!今日は私が潰れるまで村田っちにやけ酒付き合ってもらうからね!」
    そう言いながらガル子は目の前の生ビールのジョッキを持つとそれをゴクゴクと飲み干す。
    「そんなハイペースで飲んでたら悪酔いするって」
    「いいの!そしたら村田っちに家まで送ってもらうから」
    その言葉に一瞬ドキッとしてしまう。
    何を勝手に…そう思いながらも家まで送らせてくれるほどガル子が俺を信用してくれてる事が嬉しかった。
    「グラスお下げしまーす」
    テーブルの上の空になったグラスを店員さんが片付け初める。
    一体どんだけ飲んでるんだよ?
    俺の心配をよそにガル子はまた追加で飲み物を注文する。
    明日はゴールデンウィーク最終日。
    バイトは午後からだし今日はガル子に付き合ってやろうと思った。
    飲み始めてから気付けば3時間以上が経過。
    その間俺はずっと別れた元彼の愚痴を一切否定せず聞いていた。
    ガル子は飲むといつも以上にテンションが高くなって饒舌になるタイプ。
    「あっちの方がスタイル良かったのは認めるけどさー顔は絶対私の方が可愛いもん!村田っちもそう思ったでしょ?」
    あ、今度は浮気相手の話題か。
    「ああ!ガル子の方が100倍可愛い!」
    どさくさ紛れで初めてガル子に可愛いとか言っちゃったよ。
    やけ酒付き合って飲みすぎたせいって思ってくれるよな?
    だけどそれ俺の本音だよ。
    「もう結構飲んでるしそろそろ出ない?ガル子も明日バイトだろ?送ってくよ」
    俺は酔いつぶれたガル子に帰るよう促した。

    続く

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  • 16784. 匿名 2024/05/12(日) 00:34:44 

    >>16772
    わー続き来た!起きてて良かった〜✨

    +18

    -3

  • 16796. 匿名 2024/05/12(日) 00:43:09 

    >>16772
    続き待ってた🌺✨

    +17

    -2

  • 16834. 匿名 2024/05/12(日) 01:37:16 

    >>16772
    ⚠️解釈違い
    彼女の友達 8 最終回

    GW真っ只中のこの時期タクシーなんて簡単に捕まるはずない。
    駅前のタクシー乗り場には長蛇の列。
    あれを待ってたら日付が変わっても帰れそうにないな。
    「ガル子家まで歩ける?」
    ここからガル子の住むアパートまで軽く30分はかかる。
    「無理」
    だよな。仕方ない。
    「ほら」
    俺はガル子の前で地面にしゃがんだ。
    「え?いいの?わあ村田っち優しい!」
    そう言ってガル子は俺の背中に体重を預けるとふざけて強めに俺の首にぎゅっと腕を回す。
    「ちょ…やめろって!首が苦しい!」
    そんな俺の様子に笑い出すガル子。
    ガル子の顔がすぐそばにある。
    夜風に吹かれてガル子の髪が俺の頬に触れる。
    「村田っち意外と筋肉質で肩とかがっちりしてるんだねー」
    「これでもジム通いして結構鍛えてるから」
    「へーそうなんだ。でもなんでモテないんだろうね?」
    「うるさいな。余計なお世話!」
    顔が見られないこの状況で良かった。
    酔いのせいもあるけどさっきからやたら顔が熱い。
    「村田っち今日は来てくれてありがとね。こんなふうに愚痴聞いてくれてやけ酒付き合ってくれるの村田っちしか浮かばなくてさ」
    「そりゃどーも」
    ほっとけるかよ。他の用事あったとしてもすっ飛んでくるわ。
    俺が来なかったらどうしてたんだよ?
    ガル子が彼氏に振られたこのタイミングでこんなに急接近することになるなんてこれはある意味チャンスなのかもしれない。
    でも今までの心地いい関係は壊したくない。
    だけどもう少しだけ踏み出せたら…
    「俺達って昔からの友達じゃん?」
    「うん」
    「ガル子さ、今まで友達以上っていうか…恋愛対象としてその…ほんの少しでいいから俺に気持ちが傾いたりした事あった?」
    酔った勢いで思わず聞いてしまった。
    ないって即答される?笑って誤魔化される?
    そう思ったのにガル子の反応は意外なものだった。
    「…あるよ」
    「え?…」
    春の夜風が頬を撫でる。
    雲の隙間から顔をのぞかせる霞んだ月だけが俺達を見ていた。

    終わり

    最後までお付き合い頂きありがとうございました!途中コメント下さったガル子さんにも感謝です🌺🥰

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