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15390. 匿名 2024/05/10(金) 15:42:00
>>15377 ②
「いっ、一緒にっオエッお弁当を食べようと…グエ〜ッ」
「嘘をつかないで、何か目的があるんでしょ」
首がしっ閉まって…死ぬ…死んじゃう
「お前もこの学園側の人間なの?それとも別の組織のスパイ…?」
ガル子はだんだん白目になり意識が遠のいて行く、キラキラと光る水面が見えた(この屋上…川なんてあったっけ…)わずかに残った意識の中モブ子さんの腕をガシりと掴んだ
「いい加減にしてよー!!」
ガル子はモブ子の体をぶんっと投げ飛ばしていた
モブ子のメガネがカシャーンと落ちる
「痛ったぁ」
モブ子は頭を押さえる
「いい加減にしてよ!三途の川を渡る所だったじゃない」
「キミ何?凄い力…俺を投げ飛ばすなんてやっぱり只者じゃないよね」
メガネの下には浅葱色の切れ長の瞳が隠れていた
えっ、待って…モブ子さんスッゴイ美少女
「何やってんだ」
後ろから低い声がする、するとメガネのモブ子さんがいた
「モブ子さん!」
「お前だれ?」
「良かった、ねえ、ここにモブ子さんの偽物がいるのよ、私の首をしめてコ⚪︎そうとして来たの!」
本物のモブ子さんの腕にしがみつくと、彼女もまたメガネを取る、同じ瞳の美少女だった
「ヒィッ!モブ子さんが2人?」
「無一郎、お前何やってんだよ」
「ゴメン兄さん、この人凄い力でさ…」
「ねえ、どういう事なの?双子の男の子が交代で女の子のモブ子さんになりすましていたの?あなた達、まさか学園に潜入しているスパイ?!」
ガル子はパニックになりながらも意外な勘の良さを発揮して全てを一瞬で理解した
「まずいね、兄さん」
「うんそうだな、事実を知られたからには…」
2人は見つめ合い頷く
「「消すしかないね」」
ガル子は青くなり後退りする、モブ子改め無一郎が光の速さで近づき腕が再びガル子に伸びてぐいっと引き寄せられる
「やめてぇー!コ○さないでぇ〜っ」
そのまま建物の影に連れて行かれた
「シッ!静かに」
すると屋上のドアがギィッと開き教頭と校長が入って来た「先月集まった血液は…」「もっと優秀な娘の血を大量に…」
話を聞いているとこの学園は闇の組織鬼舞辻グループと繋がっており、若い娘の血を毎月血液検査と称して集め高額で転売しているらしい
しかし、欲を出して来た鬼舞辻グループがもっと大量の血を欲しがっているとの内容だった
「鬼舞辻様は生贄の娘を欲していらっしゃる」「しかしそれはリスクが…」「報酬はいくらでも出すと仰ってくださっている」
ガル子は無一郎に手で口を塞がれたまま震えた、衝撃の内容にふらりと立ちくらみがして無一郎の胸元にふらりと顔を埋める
その時ガタン!と音を立ててしまう
「誰かいるのか?」
校長が振り返る、教頭がゆっくりと近づいて来た
無一郎と有一郎はまずいぞ、と顔を見合わせる
「…ミャーオ」
ガル子は無一郎の胸元で猫の声真似をした、思いの外似ている+20
-4
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15397. 匿名 2024/05/10(金) 16:15:12
>>15390 ③
「何だ猫か」
教頭はホッとして戻る、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り2人は屋上から出て行った
「行ったか…」「うん、危なかったね有一郎兄さん」
モブ子2改め有一郎兄さんはガル子を見る
「お前、上手いな猫の声真似」
ガル子はえへへと頭を掻く
「貧乏で遊ぶものも家になかったから動物の声真似を家でずっとしていたの、動物が好きなんだ」
ガル子はワンワンッと犬の鳴き真似をした
「わあ、そっくり!」
無一郎が目を丸くする
「ヒヒィーン、ホーホケキョッ!ウッホウッホ!」
ゴリラに至っては動きも真似る事が出来る
無一郎と有一郎は再び見つめ合い頷いた
「コイツ、使えるかもな」
「うん、消そうかと思っていたけど」
「ぱぅぱぅぱぅ!」
ガル子は調子に乗ってフクロウテナガザルの鳴き真似を始めていた
「よし、お前は今日から俺たちの仲間になれ」
「そうだね、全てを知られてしまった以上…消すか僕たちの仲間になるか、奇妙な得意技もあるしバカ力もあるし」
2人が勝手に話を進めているのでガル子は焦って叫んだ
「待って、何言ってるの、嫌よスパイになるなんて私は!」
「もちろん謝礼も用意するよ」
無一郎がどさりと体操袋をガル子の目の前に置く、中には体操服では無くたくさんの札束が入っていた
「な、何なのこれは」
ガル子の顔が青ざめる、この人達何なの?普通じゃない
「何だよ、これじゃ足りないのか?」
有一郎の言葉にガル子はキッと2人を睨んだ
「大金なんて要らない、私は普通に学園生活を終えて真面目に働いて母と祖母に孝行したいの、あなた達の事は口外しない、信じて!」
それじゃあ!とくるりと振り返りダッシュでその場を去った
「アイツ、足もめちゃくちゃ早いな」
「うん、チンパンジーよりも早いね」
その時、無一郎のスマホが鳴った
「もしもし、うん父さん?ちょっと厄介な事になって…うんまあでも大丈夫、でこの学園にいるもう1人のスパイ仲間って…今屋上に来る?分かった…」
ダダダダッと廊下を走るガル子にすれ違った先生が声をかける
「コラー廊下はゆっくり歩けェ、あと昼休みはとっくに終わってんぞォ」
「す、すみません!恭吾先生」
「気をつけろォ」
そう言ってガル子に向かってニヤリと笑うと、振り返り屋上の方にゆっくりと歩いて行った──
華やかなキメ習院女子高で繰り広げられるガル子と時透家のスパイ大作戦withキョーゴ、闇の組織鬼舞辻グループとは、そして2人の美少年とガル子の関係はどうなっていくのか、謎の男恭吾の招待とは─?風呂敷を広げるだけ広げまくった書きたい所だけお題のお話でした!
どなたか次のトピで続きを他力本願寺🙏✨
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