【2次元】鬼滅の刃で彼氏にしたいキャラPart16【妄想】

[15175. 匿名]

>>15164🎂誕生日④
⚠️🐚🔥　⚠️解釈違い


「──こっちにおいで」
　煉獄さんがソファーの隣をポンポンと叩いて、私は飼い主に呼ばれた犬みたいにしっぽを振りながら、そそくさとそこに座った。煉獄さんの腕が肩に回される。
「今日はありがとう。最高の誕生日になったよ」
　そう言って軽いキスをしてくれた煉獄さんに、さらに口付けをねだった。

────お願い、このまま私を押し倒して……
　そう思っていたのにあっけなく唇が離され、きっと今日も日付が変わる前には帰されるんだと悲しくなった。

　私の頭をくしゃっと撫でた手がテレビのリモコンに伸ばされようとしたのをそっと阻止する。
「またそうやってはぐらかすの？　いい加減、ちゃんと私に向き合ってよ。私は煉獄さんと──」
　どう言えばいいのか分からず言葉に詰まった。煉獄さんは何も言わずに私を見つめているだけ。そんな彼をずるいと思った。

「……プレゼント、何にしようか迷ったんだけど、私をあげようって決めたの。貰ってくれるよね？　じゃないと、プレゼント無しになっちゃうよ」
　こんなのただの押し付けだ。煉獄さんの顔を見るのが怖くなって首に抱きついた。

「プレゼントならもう貰った。君の手料理、嬉しかったぞ」
「それとこれとは別なの。ねぇ、煉獄さんは私のこと欲しくないの？　そう思わせる魅力がないのかな……」
「あげるだの貰うだの、そんな言い方は気に入らん。君は物ではない」
「じゃあ、抱いてって言えばいいの？　抱擁って意味じゃないのは分かってくれるよね？　私は煉獄さんの恋人なんだって、そう思える証拠が欲しいの」

　首に絡ませた腕を外すと「抱けば証拠になるのか」と、冷めた瞳が私を見据えた。
「……違うの？　だって好きな人としかしないことじゃない！」
「そうとは限らん。男はそういう生き物だ」
「だけど煉獄さんは違う！　そうでしょう？」

　いくら待っても否定も肯定もしない煉獄さんに痺れを切らした私は、ソファーから立ち上がってバッグを掴んだ。

つづく

[15266. 匿名]

>>15175
読んでます👀

[15715. 匿名]

>>15175🎂誕生日⑤
⚠️🐚🔥　⚠️解釈違い


「……もういい、帰る！」
　玄関に向かおうとしてすぐに腕を取られた。後ろから羽交締めにされ、どんなに抗っても振り切れない。
「放してってば！」
　もがく程に絡まって動けなくなる自分を、まるで蜘蛛の巣に掛かった小さな獲物みたいだと思った。諦めて大人しくした途端、くるりと体が反転して煉獄さんの胸に抱き留められた。
　お互いの心音が不揃いなリズムを刻んでいる。

「……俺は、君が思うような清廉潔白な男ではない」
　絞り出すような声。望んでいた答えではないけれど、それで彼に嫌悪感を抱くこともなかった。むしろ、どんな煉獄さんだろうと自分の気持ちが揺らぐことはないと確信した。

「だったら……どうして私のこと、いつまでも放っておくの？　とっくにそうなっててもいいはずじゃい」
　そう言うと、煉獄さんはより強く私を抱きしめた。
「……怖いんだ。俺はこれまで真剣に誰かを好きになったことがない。正しい愛し方も知らぬまま君を抱いてしまっていいものかと、ずっと思い悩んでいたんだ」
「……正しいとか正しくないとか、そんなの私には良く分かんない。なんだか煉獄さんらしくないよ、怖がったり悩んだりするなんて」
　僅かな沈黙のあとに彼の深い溜息を聞いた。

「なぁ、俺らしいとは一体何なんだ」
　うんざりしたような言葉に冷たい汗が滲む。余計なことを言ったと後悔しても、もう撤回はできない。
「俺が何かを怖がったら駄目か。常に完璧を求められるのならまっぴらだ。明朗、品行方正、そんなものは周りが決めつけた勝手な印象に過ぎない！」

　私の両肩を掴んだ煉獄さんは怖い目をしている。「ごめんなさい……」
　微かに震える手が無意識に彼のシャツを握った。

「……いいだろう。くれると言うのだから遠慮なく貰ってやる。俺がこれまでそうしてきたようにな」
　煉獄さんは私をその場に押し倒した。翳った赫い瞳が真っ直ぐに私を見下ろす。

「言い寄ってくる女を暇つぶしに抱くような俺が君には手を出せない。そんな自分に面食らったよ。俺は君を大事にしすぎた。だが、もう知らん」
「待って！　煉獄さん、私──」

　押し当てられた唇から強引に舌が入ってくる。ワンピースの裾をたくし上げながら大きな手が太ももまで届いた。肌を撫で回す手が今にも下着に触れそうで怖いと思っていたら、今度はその手がワンピースの前ボタンを乱暴に外していく。

──こんなの違う！　私の知ってる煉獄さんじゃない！
　必死に抗っても抑え込まれた手足は動かない。力の差を分からせるような煉獄さんが、まるで大きな毒蜘蛛みたいに思えた。

「いや……っ！」
　唇が離れてやっと声を出せたとき、煉獄さんは我に返ったような顔をしていた。私がいつの間にか涙を溢れさせていたからかもしれない。
「すまない……」
　ゆっくりと抱き起こされ、そのまま腕の中にすっぽりと包まれた。
「ばか。びっくりしちゃったじゃない……。お返しに涙拭いちゃうからね」
　煉獄さんのシャツに顔を押し当てる。ふたつの鼓動は走った時のようにせわしくなっている。

「くそ……っ、何やってんだ俺は……！」
　聞いたことのない口調で彼がぽつりと言った。
「本当にすまない。怖い思いをさせたな。君は何も悪くないんだ……」
　煉獄さんの大きな手が宥めるように頭を撫でる。お互いに無言のまま、流れる時間に身を委ねた。

つづく