ガールズちゃんねる
  • 15102. 匿名 2024/05/09(木) 23:42:21 

    >>14572
    ⚠️解釈違い
    彼女の友達 6

    俺はぬるくなった飲みかけのペットボトルのお茶を手に一晩ぼーっと考えていた。
    スマホの充電ケーブルが抜けてることにも気付かないほど。
    昨日は一睡も出来なかった。
    そして気付けばもう夕方だ。
    俺はぼーっとしたまま部屋の時計の針をただ眺めていた。
    このまま時計の針も時間も止まってしまえばいいのに。
    モブ原のせいだ。
    せめてもう少しだけ自分の気持ち気付かずにいたかったのに。
    恋愛関係になるには近すぎた距離感。
    友達として固定化された相手との恋愛は無理だって。
    俺はスマホをベットの隅に放り投げる。
    夕方から降り出した雨が少し小降りになったみたいだ。
    雨音だけが一人きりの部屋に響き渡る。
    LINEしてみようか。
    でもなんて?
    いや、今はそっとしておくべきだよな。
    いつも気軽に送れてたはずのメールも送れない。
    ガル子への気持ちに気付いたからってどうなる?
    そもそも彼氏と別れるって決まったわけでもない。
    もうこのままでいいんじゃないか?
    友達のままで。
    それに言葉にしたら全部終わる気がする。
    本当の気持ちを伝えたところで返事を濁すガル子の悲しい顔が想像出来てしまうから。
    長い間友達として一緒に居すぎたんだ。
    俺はガル子のストライクゾーンにすら入れていない。
    だから今まで友達ってポジションで上手くやってこられたんだ。
    俺も無意識にガル子のことは恋愛対象からは外してたし。
    それは今まで考えないようにしてたっていうか考えちゃいけない気がしてたからだ。
    ガル子にとって俺はただの友達でいい奴止まり。
    「いい人だけど」「恋愛対象として見れない」お決まりのフレーズ。
    歴代の片思いの相手や元カノにも言われたっけ。
    「そんな彼氏別れちゃえよ」
    そう言えたら良かったな。
    肝心な所で何も言えなくなる。
    このままじゃ俺ショックを受けるガル子につけ込むようなずるい奴になってしまいそうだ。

    その時LINEの通知音が鳴った。

    続く

    +29

    -7

  • 15107. 匿名 2024/05/09(木) 23:46:04 

    >>15102
    村田さん🌺✨…切ない(´;ω;`)

    +19

    -3

  • 15156. 匿名 2024/05/10(金) 00:47:20 

    >>15102
    村田さんの心の内がリアルで切ないよ…

    +21

    -2

  • 15159. 匿名 2024/05/10(金) 00:51:49 

    >>15102
    🌺村田さんめっちゃ応援してるよ

    +20

    -0

  • 15380. 匿名 2024/05/10(金) 15:03:06 

    >>15102
    どうなるのー?!土器土器…

    +16

    -1

  • 16772. 匿名 2024/05/12(日) 00:23:27 

    >>15102
    ⚠️解釈違い
    彼女の友達 7

    俺はノロノロと起き上がるとさっき放り投げたスマホを拾い上げ画面を確認する。
    ​──​──ガル子からだ。
    その瞬間一気に目が覚めた。
    『彼氏と別れた』
    送られてきたLINEには一言だけ。
    ああやっぱり。
    その後すぐに『近くで飲んでるから出てこない?』と2件目のLINEが届いた。
    『20分くらいしたら行くよ』
    そう返信すると俺は速攻でシャワーを浴び着替えて出掛ける準備を始めた。
    外へ出ると降り出した雨は止んで雲の切れ間から月明かりが差し込んでいた。

    店に着くとガル子はすでにかなり飲んでる様子だった。
    落ち込んで泣きながら家で引きこもってるのかと思ったけど思ったより元気そうで安心した。
    思えばガル子はそういうタイプじゃなかったよな。
    俺はビールを注文するとガル子の向かい側の席に座った。
    「で、彼氏と別れたって?」
    「うん。言っとくけど私が振ったんだから!あんな顔だけのクズ男別れて清々した!今日は私が潰れるまで村田っちにやけ酒付き合ってもらうからね!」
    そう言いながらガル子は目の前の生ビールのジョッキを持つとそれをゴクゴクと飲み干す。
    「そんなハイペースで飲んでたら悪酔いするって」
    「いいの!そしたら村田っちに家まで送ってもらうから」
    その言葉に一瞬ドキッとしてしまう。
    何を勝手に…そう思いながらも家まで送らせてくれるほどガル子が俺を信用してくれてる事が嬉しかった。
    「グラスお下げしまーす」
    テーブルの上の空になったグラスを店員さんが片付け初める。
    一体どんだけ飲んでるんだよ?
    俺の心配をよそにガル子はまた追加で飲み物を注文する。
    明日はゴールデンウィーク最終日。
    バイトは午後からだし今日はガル子に付き合ってやろうと思った。
    飲み始めてから気付けば3時間以上が経過。
    その間俺はずっと別れた元彼の愚痴を一切否定せず聞いていた。
    ガル子は飲むといつも以上にテンションが高くなって饒舌になるタイプ。
    「あっちの方がスタイル良かったのは認めるけどさー顔は絶対私の方が可愛いもん!村田っちもそう思ったでしょ?」
    あ、今度は浮気相手の話題か。
    「ああ!ガル子の方が100倍可愛い!」
    どさくさ紛れで初めてガル子に可愛いとか言っちゃったよ。
    やけ酒付き合って飲みすぎたせいって思ってくれるよな?
    だけどそれ俺の本音だよ。
    「もう結構飲んでるしそろそろ出ない?ガル子も明日バイトだろ?送ってくよ」
    俺は酔いつぶれたガル子に帰るよう促した。

    続く

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