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14710. 匿名 2024/05/09(木) 12:07:00
>>14612
⚠️己の趣味に全振りです
Genius そのさんじゅうご
ガルコと過ごした1週間を胸に博士課程をスタートする
この研究室での4年目の生活が始まる
新たに配属された学部4年生たちに実験の仕方を教える
ガルコの目に学部4年の僕はどう映っていたのだろう
ガルコとのメールのやりとりやオンライン通話の習慣は続いている
これがあるから頑張れる、と思っていたのは僕だけだったようだ
「忙しいから」とガルコからのメールの頻度が減り、オンライン通話も時間が短くなってきた
本当に忙しいんだろうと言葉通りに受け取ってしまった僕はなんと馬鹿なんだろう
とうとうガルコからメールが届かなくなり、オンライン通話もしなくなった
なんのためにコンビニスイーツを買ってきたのか
ガルコに見てもらいたかっただけなのに
ひとりで食べるスイーツの味気なさ
ラボのサイトからガルコの名前が消えた
ガルコ、どうしたんだよ?
どこに行ったんだよ?
国内だったら探しに行けるのに
ネガティブな気持ちに心が押しつぶされそうになる
冷たい水で顔を洗った
ガルコが帰省土産でくれた藍染の手拭いで顔を拭く
藍色の地に白い点が多数散らされている
南国でともに見た星空を思い出す
ガルコはいまどこで星空を見ているのか
ガルコと過ごした日々が過去のものとなり、2年が経った
とうとう学生でいられる最後の年になった
あのときのガルコと同じ年
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14797. 匿名 2024/05/09(木) 18:03:38
>>14710
⚠️己の趣味に全振りです
Genius そのさんじゅうろく
ガルコを忘れることはできないけれど、脇目も振らず打ち込んだ結果だろうか
とうとう研究成果を論文にまとめることができた
Kimence誌に投稿することとなり、掲載されるか否かの結果待ちにドキドキする日々を過ごす
その間もさまざまな雑誌に掲載された論文を読みながら、研究を続ける
とうとう見つけた
目に飛び込んできた論文の筆頭著者はGaruko Garuyama
やっぱり同じ空の下にいたんだ
会えなくてもこの2年、片時も忘れたことのない名前
やっと会えた
いまいるのはどこだろう?
西海岸のキメチュニア州立大学か
簡単に会いに行けるところじゃないな
「時透くん、論文掲載がきまりましたよ。おめでとうございます。この内容を今度の学会で発表しましょう」
「ありがとうございます先生」
教授の言う今度の学会は5年に一度南国で開かれる学会だ
前回ガルコが発表した学会で今度は僕が発表する
やっと追いついた
学会にはきっとガルコもくる
なぜだか強く確信した
国際空港行きの特急に乗り込んだ
苦手な飛行機もガルコに会えると思えば平気だった
長い飛行時間がもどかしい
早く到着してほしいと心から願った
南国の空港の到着ロビーで見かけたのは、ずっとずっとリアルで会いたかった後ろ姿
思わず声を出す「ガルコー!」
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