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14450. 匿名 2024/05/08(水) 22:33:46
>>14444《ア・ポステリオリ》21
⚠️趣味全振り・何でも許せる方向け
────何?
貧血?目眩?バランスを崩した私の腕を、宇髄さんが引き寄せて。
倒れかけた身体は宇髄さんに抱きとめられて、膝の上にすとんと収まった。
いつもの私だったら。
慌てて立ち上がって誤魔化すように笑っていたと思う。
でもこの時はもうそうする気力もなく、ただ宇髄さんの膝の上で茫然とするだけで。
────沈黙が流れる。
茫然としながらも、少しずつ働き出した思考回路が、このまま宇髄さんに縋りついてしまいたい衝動と戦い始めた。
でも。
「…今日も頑張ったんだな」
小さな声でそう言った宇髄さんに優しく抱き寄せられて、抗う理性は残っていなかった。
宇髄さんの肩口に顔を埋めて大きな背中に腕を回し、ぎゅっと二人で抱きしめ合う。
大きく息を吸い込んで。
吐き出して。
腕に力を込める。
宇髄さんの体温と匂いは、どうしてこんなに私を安心させてくれるんだろう。
「俺も疲れたわ…」
はぁ…と深く息を吐いた宇髄さんの息が、私の首筋を掠める。
しばらくそうしたあと、ゆっくり身体を離した宇髄さんは。
そのまま私のジャケットのボタンを外し始めた。
つづく
(連投ごめんなさい💦
🌾や➕ポチありがとうございます❀)+26
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14464. 匿名 2024/05/08(水) 22:42:18
>>14450
ドキドキしながら読んでます
お互い大変なのに相手に当たることもなく思いやれる関係素敵だなー
二人にそれぞれ感情移入してます+20
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14483. 匿名 2024/05/08(水) 22:55:26
>>14450
寝てしまう前に読めた...!!
天元様の胸の中って絶対土器土器するけど絶対安心もさせてくれそうだよね(*´ `*)
ずっと引き込まれています...どうなるのかな+18
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14486. 匿名 2024/05/08(水) 22:57:29
>>14450
ずっと切ない気持ちで読んでます…+18
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14945. 匿名 2024/05/09(木) 21:47:35
>>14450《ア・ポステリオリ》22
⚠️趣味全振り・何でも許せる方向け⚠️ほんのり🐚
ゆっくり、何か迷うような指の動きから目が離せない。
静かな部屋に、ジャケットの袖から腕を抜く衣擦れの音が響く。
脱がせたジャケットをそっとソファに置いた宇髄さんの手が、再び私の腰に添えられた。その手がそっと背中を撫で上げて、そのまま後頭部を包み込む。
覗き込まれるように、綺麗な瞳に捉えられた。
ついさっきまで。
宇髄さんの手のひらから伝わってきたのは、温かい安心感だったのに。
私の内側から溶かして解していくように、ゆっくり身体に触れられている今は、何かが違うような気がして。触れられた腰から背中、そして思考まで、甘い痺れで麻痺させられていく。
少し目を伏せて顔を傾けた宇髄さんの顔が迫ってきて、息を呑んだ。
宇髄さんの唇と私の唇が触れるまで、後数センチ。
いつも、背中にしがみつきながら感じていた心地良い体温に正面から包まれて。
今まで見たことがなかった表情と、今まで触れたことがなかった空気に。
どうしたらいいのかわからなくなって、ぎゅっと宇髄さんのワイシャツを握ってしまった時────。
はっとしたような表情を見せた宇髄さんは身体を離し、短く息を吐いて目を逸らした。軽々持ち上げた私を、そっとソファにおろす。
「掛けとくわ、これ」
私のジャケットを持って、立ち上がった。
宇髄さんは壁を越えてこなかった。
でも、私は越えたい────。
咄嗟に、歩き出した宇髄さんのワイシャツの袖を掴んでしまった。
狡かったと思う。疲れ果てて弱っている宇髄さんにつけ込んだことは。
でも、彼女の代わりでもなんでもいい。
誰かの代わりでもいいから、もう一度。
腕の中に引き入れて欲しかった。
つづく+30
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