ガールズちゃんねる
  • 13919. 匿名 2024/05/07(火) 22:25:01 

    >>13682
    ほれぐすり🔥⑨最終話
    ⚠大正軸の煉獄さん ⚠解釈違いに注意

    「ガル子、俺と話をしてくれないだろうか。あれからずっと君の事が心配で、たまらなかったんだ。」
    私がコクリと頷くと、炎柱は羽織をはためかせ、私の目の前に近づいてきて、すこし掠れた声で話し始めた。
    「手紙にも書いたのことなのだが、聞いてくれるか。君が打ち明けてくれた話を考えてみたのだが、おかしいのだ。君は包帯を巻いた晩に、俺が惚れ薬を飲んだと言った。しかし、それだと理屈が合わない。」

    炎柱は、胸ポケットから丁寧に折りたたまれた和紙を取り出して私に手渡した。

    ── いつも人々の平和を守り、戦ってくださりありがとうございます。鬼狩り様のお陰で日々心穏やかに過ごすことが出来ております。いつのときも、鬼狩り様のご無事を心よりお祈り申し上げます。 ──

    それは、以前私が鬼殺隊の方一人ひとりに書いた手紙だった。私は藤の家に生まれ、人知れず命をかけて戦う鬼殺隊という方々が居ると知り、ずっと畏敬の念を抱いていた。何一つ出来ない無力な自分だけれど、せめて感謝と応援の気持ちを伝えたくて、一つ一つ手書きで想いを込めて手紙を書いたのだ。
    「この手紙をくれたガル子というのはどの子かと人に聞いて、初めて君を見たとき、君は洗濯物を干していた。大きなシーツと格闘しながらも懸命に干している姿を見て、可愛らしい人だと思った。その後も見る度、君は不器用ながらもひたむきに仕事をしていた。食事を持って廊下で俺にぶつかって来た時は……、その……」
    炎柱は、頬を染めてこちらを見た。
    「初めて話せて、とても嬉しかったんだぞ。」
    「そうだったのですか……」
    「だが、なかなか話すきっかけがなくてな。こう見えて、惚れたおなごには臆病なんだ。だからあの夜、俺の部屋に来てくれたときはびっくりした。」
    「えっ……」
    「一生懸命に包帯を巻いてくれる姿があまりにも愛しくて、ずっと胸に秘めていた君への感情が込み上げて来てしまってな」
    待って。ということは炎柱は……もっと前から、私の事を…?私はつい先程モブ恵さんから聞いた薬の事実を、炎柱に話した。
    「うむ。やはりそうだろう。このような気持ちが薬のせいなわけがあるまい。」と私の手首を掴むと、手を炎柱の胸に当てた。ドキドキと心臓が早鐘のように鳴っている。
    「あの…どうしましょう…私、信じられなくて…」
    顔がじわじわと赤くなり呼吸が苦しくなる。

    「ガル子、信じられないのか?うむ。それならば、もう一度ちゃんと伝えよう。初めて見たその時からずっと、惚れているんだ、君に。君に会えなかった半年間は、魂が抜けたみたいに苦しかった。君の事ばかりを想い、もし君がどこかで苦しい思いをしていると思うと、生きた心地がしなかった。この気持ちは、薬などと違って生涯効果が切れたりはしない。今すぐには証明出来ないが、それは、これから少しずつ伝わればいいと思っている」

    私は急なことに声も出ず、ただ呼吸が乱れ、目頭が熱くなっていく。
    「よもやよもやだ。俺ばかりが話して、ガル子の気持ちを置いてきぼりにしてしまったな。どうなのだろうか。以前君が、俺に言ってくれた言葉は、本当なのだろうか」
    炎柱が不安そうに、こちらを見つめている。
    「むう……もし本当に惚れ薬があるのならば……君に好いてもらえるのならば、頼りたいくらいだ……」
    「炎柱。あのっ。薬なんていりません。ただこんなことがあるなんて、夢にも思わなくて。私も…私も、ずっと前から、炎柱様をお慕いしておりました」
    「本当か……あぁ、良かった。」
    炎柱は安堵したように微笑み、私をギュッと抱きよせた。
    「大好きだ、ガル子。もう君を絶対に離さない。」
    強く抱きしめられて、今度こそ、後ろめたさのない本当の幸せな気持ちが、胸の中に広がっていく。幸せ過ぎて苦しいくらいに。

    炎柱の両手が私の顔を包むように固定した。鼻先はくっつきそうな距離だ。見つめ合う私達は熱を帯びていて、甘い空気が漂っている。

    これは、夢でも、ほれぐすりのせいでもない。

    ✧おわり✧

    🐢ペースの更新になってしまいましたが、無事完結出来て良かったです。読んでくださった方、コメントやプラスしてくだった方、本当に本当にありがとうございました✨

    +33

    -7

  • 13952. 匿名 2024/05/07(火) 22:57:49 

    >>13919
    わぁ✨純愛だったんですね✨
    煉獄さんの真っ直ぐな気持ちがいっぱい込められたセリフにジーンと来ました。゚(゚´ω`゚)゚。
    ガル子ちゃんも正直で真っ直ぐな良い子で、ドキドキしながら見守ってました。
    素敵なお話を読ませてくれてありがとう💕

    +15

    -4

  • 13990. 匿名 2024/05/07(火) 23:42:40 

    >>13919
    最初から惚れていたのね♡好きな相手が包帯巻いてくれて煉獄さん超うれしかっただろうな🤭
    素敵なお話ありがとう♡いつも更新楽しみにしてました🥰

    +12

    -3

  • 14073. 匿名 2024/05/08(水) 07:27:56 

    >>13919
    炎柱の告白を聞いて無事に……チーン(嬉死)

    +20

    -5

  • 14082. 匿名 2024/05/08(水) 07:52:50 

    >>13919
    ずっと読んでました!
    2人が無事幸せになってめっちゃ嬉しい!!良かったねガル子🥲良かったね煉獄さん🥲
    2人のお互いを思いやる気持ちにもどかしくなったりキュンとしたり感情揺さぶられまくりでした!
    そして煉獄さんが終始かっこよかったーー💗自分の気持ち押し付けるじゃなくガル子の気持ちもちゃんと伺おうとするところ…好き!!ってなりました🥰
    素敵なお話をありがとう✨

    +18

    -4

  • 14125. 匿名 2024/05/08(水) 11:00:00 

    >>13919
    ずっと好きだったなんて…🥲泣けてきますね、本当に愛されててガル子ちゃん羨ましいし毎回ドキドキしながら読んでいたので終わってしまってなんだか寂しいです…
    それくらい好きなお話でした❤️‍🔥素敵なお話を書いていただきありがとうございました

    +19

    -5