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13374. 匿名 2024/05/06(月) 22:37:21
>>13365 真実の愛を探して 5/6
⚠解釈 美女と野獣パロ、獣化👹様
ガルコが、楽しそうに私の体をブラッシングしている。
はるか昔、極稀に体を拭かれた時は、冷たくて不快だったのに。
ガルコと一緒だと、食事が美味く感じた。
一人だった時はあんなにも酷い味だったのに。
聞き慣れない音楽が流れだすと、ガルコはニコニコ笑いながら私に抱きついてくる。
これまで本当の私に近づこうとする者など、誰一人居なかったというのに。
一緒に食事をし、一緒に遊び、一緒に眠る。これが、いわゆる普通の暮らしというものなのだろう。
どれも、あの時叶わなかったものだ。
「ムザン」
それから、私を呼ぶ声も。
─────────────
徐々に花びらの色が褪せていく。残された時間はごく僅かであるが、私はまだ愛というものを理解できない。
花の状態に連動するように、私は体調を崩すようになった。
ぴちゃん… ぴちゃん…
ガルコの涙が私の頬を伝う。
酷い鼻声で尚且つ早口なせいで、ガルコの言葉を聞き取ることは出来ぬ。しかし、意味ははっきりと分かった。
思わず口の端が上がる。ガルコの心の凝りになれるなら、このまま死ぬのも悪くない。
「最後にお前に触れたい」
力を振り絞って伸ばした私の手を、ガルコがギュッと握りしめた。
そして、私は永遠の眠りについた。
───────はずだった。
+19
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13377. 匿名 2024/05/06(月) 22:40:45
>>13374 真実の愛を探して 6/6
⚠解釈 美女と野獣パロ、獣化👹様
酷い頭痛とともに、私は目覚めた。
「ここは…どこだ」
目だけを動かし、周囲を探る。
引きち切られたばかりの蔦。
かろうじてぶら下がっているしめ縄。
そして、その奥にある青い花。
それだけだった。
私は振り出しに戻っていた。
無意識に伸ばした手が空を切る。
夢だったのか…
いや、違う。
ぴちゃん… ぴちゃん…
頬に当たる涙の感触が、まだ残っている。
私は頬をぐいっと拭い、洞窟から足を踏み出した。ぽっかり空いた胸の穴に、蓋をしつつ。
待っていろ、ガルコ。
50年後。
この場所で。
おしまい
■■お礼■■
パート15で、特定の条件下における👹様について自分の中で解釈迷子になっているというコメントをしました。ちょっと諦めかけていたんですけど、その際にお話してくれた方達のおかげで、もう一度頑張る気になれました。ありがとうございました😊
そしてトピ待ちの間に過去作を全て深堀りしていく過程で、未完だった話を2年越しに完成。当時も結末までの骨子は出来ていたものの、なんか違うと感じて投げ出していたんですよね…
いつも書いているうちにストーリーが逸れがちなんですが、これについては当初思い描いていた結末で書いてみました。その結果、書き終わってもやっぱり納得いってません(実をいうと読まれるのも恥ずかしい)。
このルートは無しということがはっきりしたのと、私の場合文字に起こしたものを人目に曝すことで妄想を終えられるタイプなので、ずっと心の片隅に残っていたのをやっと成仏させられたのが収穫でした。
余談ですが、🌙様も解釈迷子になっている設定が一つあります。機会があったら誰かお話して下さい。二匹目のドジョウ狙いです。+22
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