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12892. 匿名 2024/05/06(月) 15:59:41
>>7098上書き
⚠️解釈違い
>>12880
「ミズクラゲの恋」 第二話
当日、待ち合わせ場所には20分前には着いた。
右から来るか、左から来るかワクワクしながら待っていたら、目の前のオシャレな喫茶店から出てきた。
そっちかー!
本物だ!本物の愈史郎だ!顎ちっさ!ってか顔全体が小さいのに、目は大きい。
あれ?
近づいてきた愈史郎は予想以上に背が高い。
そばに立ったらしっかり見上げる高さだった。
あ、そうか。私が大好きで何回も見返している愈史郎のドラマ『ガルパチ先生』の時は15歳だったはず。
本物は成長してるんだぁ。
「…田ガル子さんですか?」
やばい。うっかり見とれてた。
「はい!ガル田ガル子です。20才で鬼滅大学の3回生、浅草の星バでアルバイトしています!!」
………………ちょっと引いてる?醜女だから?
「はじめまして。愈史郎です」
あれ?あれ?
「あのー。『おい!醜女!待たせたな!』とか言わないんですか?」
愈史郎はきょとんとして吹き出した。
「それ、『醜女をプロデュース』のセリフだな」
「そうです!」
「言わないな。彼女には」
彼女!誰のこと?
あ、そうか。私か!そういう企画だった。もう始まってるんだ。さすが俳優さん。
なんだか急に現実感が湧いてきた。
思っていた展開と違って、どんな顔していいか分からなくて顔があげられない。
下を向いていたら気づいたけど、なんか格好がオシャレ。シンプルな服装にキャップだけど、素材がさりげなくいいものだってわかる。
「あの?今日って私服ですか?」
「ああ、なにか変か?」
腕を伸ばして、服を見下ろしている。手足長いなぁ。
「いえ。めっちゃくちゃかっこいいです。でも英字の書いたTシャツとかチェーンがついた財布とか、龍がついたキーホルダーで来ると思い込んでたんで……」
「今度は『ガルパチ先生』の役か。俺のパブリックイメージ酷いな」
愈史郎が苦笑してる。笑ってる顔、めっちゃ可愛い。それだけで胸がキュンとする。
そっか。生身の愈史郎は違うんだ。
「今日、一日一緒にいたら、そのイメージ上書きすることになると思うけど、構わないか?」
真っ直ぐに見つめられて、慌てて首を縦に振った。
「いいですっ!」
「がっかりさせたらごめんな」
続く
+29
-5
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12897. 匿名 2024/05/06(月) 16:07:22
>>12892
きゃー!!プライベート感満載の愈史郎とデートだが始まってた!後方モブヅラで追っかけます♡+24
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12903. 匿名 2024/05/06(月) 16:20:19
>>12892
他推しだけどめちゃくちゃ楽しみです♡✨
わくわくしながら続きもお待ちしてます。+21
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13149. 匿名 2024/05/06(月) 20:31:51
>>12892
わ!楽しそうなデート企画❤️POP STARも大好きな歌なのでテンション上がりながら続きを待ってます😊+17
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13165. 匿名 2024/05/06(月) 20:39:50
>>12892
ラスト2つのセリフに墓🪦✨+14
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13781. 匿名 2024/05/07(火) 20:17:19
>>12892
愈史郎のデート企画ー💕
楽しんで読んでいます!愈史郎ってなんでもないようなシンプルなファッションをサラッとオシャレに着こなしてそう。そしてさりげなくハイブランドだったりしてそう
+17
-4
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14111. 匿名 2024/05/08(水) 10:30:20
>>12892
「ミズクラゲの恋」 第三話
⚠️デート企画
⚠️解釈違い
「ガル子は、どこに行きたいんだ」
愈史郎に名前を呼ばれてる……夢かな、これ。
「おい!」
「あ、すみません。映画!映画に行きたいです。愈史郎が出てるシリーズの劇場版まだやってますよね?」
愈史郎と一緒に、愈史郎が出てる映画を見る。それってものすごく贅沢じゃない?
「却下」
え?
この企画で却下とかあるの?みんなやりたいことに付き合ってもらえるんじゃないの?
目が点の私の前で、愈史郎が淡々と説明する。
「第一に、俺はその映画の台本を初めから終わりまでセリフを覚えているぐらい読み込んでいて、全てのストーリーを知っている。第二にせっかくのデートなのに仕事関連のものに触れると、頭が仕事モードになる。第三に2時間も映画館にいたらその間、ガル子と話ができない」
愈史郎が私の鼻先に指を突きつけた。
「俺は自分の顔より彼女の顔を見ていたい派なんだ」
うわー!指先が触れそうです!
「異論は?」
「ないです!」
「プランBはあるか?」
プランB?あ、他に行きたいところか。
今日のためにあれこれ検索したネット情報を思い出す。
……だめだ。テンパって出てこない。
百面相の私を愈史郎は急かすわけでもなく、楽しそうに眺めている。
「ガル子、男と出かけるの初めてだろ?」
「う…」
だって、ずっと愈史郎を推してて、「愈史郎よりかっこいい人がいたら付き合う」って公言してて、それ以上の人には出会ったことないんだもん。
そんな私の貧しいプライベートを知られるのは死んでも嫌で黙っていたら、愈史郎はお構いなしで続けた。
「しかも、デートがつまらなかったら自分のせいかもしれないと気に病むタイプだな」
図星すぎる……
貧相な私の情報では映画デートからのイタリアンぐらいしかプランがなくて、時間が余ったり気づまりだったらどうしようと、ちょっと不安だった。
愈史郎の猫みたいな瞳がくるりとした。
「今日は俺に任せてみないか?つまらなかったら俺のせいにしたらいい」
いや、愈史郎の顔を見ているだけで365日過ごせるからつまらないなんてことは絶対にない。でも、そんな言い方をしてくれる優しさに気持ちが軽くなった。
「お願いします!」
「そしたら、電車に乗るぞ。軽く1時間くらい」
愈史郎は当たり前のように私の手を引いて駅に向かった。
続く
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