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12762. 匿名 2024/05/06(月) 11:20:00
>>12684
⚠️己の趣味に全振りです
Genius そのにじゅうさん
とうとう飛行機に搭乗する
テレビでは見たことがあったけれど、実際に乗ると非日常感がいっぱいだ
滑走路を走り始める飛行機
隣のガルコがにこにこしながら、話しかけてくる
「さぁ飛ぶよー。いち、にぃ、さぁん!」
「う!うわぁ!浮いたー」
「飛んでる飛んでる。飛行に適した高度まで上昇するよ」
「う、うん」
体がこわばり、両手で肘掛けをこれでもかと力を込めて握りしめ、足を踏ん張る
肘掛けに置いた手をガルコの手が優しく撫でてくれる
「大丈夫大丈夫」
「わかってはいるけど…」
ガルコが頭を撫でてくれる
「安心して」
初めての飛行機の緊張がだんだんほぐれてきて、安心感からか眠ってしまった
肩をトントンされて目が覚める
「お楽しみの機内食の時間だよ」
目を開けると、CAが機内食を配っている
今回は選択肢がなく、みんなチキンの機内食
おかずやパン、ゼリーがのったお盆を受け取る
「これが機内食なんだね。給食みたい。飛行機で食事って良いね」
「ね!あったかいうちに食べよっか」
初めての飛行機は最初は怖かったけれど、ガルコのおかげで楽しめた
とうとう空港に着陸
南国の空港は当たり前だけれど、英語表記ばかり
外国に来たと感じる
学会は明日からなので、今日は街並みをぶらぶら歩く
浜辺で見る夕陽がとても綺麗だった
「ちょっと砂浜に座ってみようか」
「うん」
「普段は海から離れた街にいるから、潮風も椰子の木も新鮮だね」
「ガルコとこの景色が見られて良かった。ありがとうガルコ」
「どういたしまして」
ガルコと見たこの夕陽を一生忘れないようにしようと思った
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12795. 匿名 2024/05/06(月) 13:26:37
>>12762
⚠️己の趣味に全振りです
Genius そのにじゅうよん
学会初日は教授とガルコと3人で発表を聞いたり、ポスターセッションを見たりした
「どうです?初めての学会参加で、刺激が多いのではありませんか?」
教授に聞かれて、背筋を伸ばす
「どれもレベルの高い研究ばかりで、ラボに戻ったら自分ももっと頑張ろうと襟を正す思いです」
「気になる研究は本人に質問してみると良いですよ」
ポスターセッションでは、研究成果を大判のポスターを掲示しており、その横に研究者本人が立っている
何人かに質問してみる
国は違っても、同じ分野の研究をしているから、化学という共通言語が意図を繋いでくれる
自分の研究室に篭りっきりでは得られない刺激がとても楽しい
ガルコの発表は学会2日目のお昼前のセッション
英語で発表するガルコが遠く離れた存在に思えた
発表後はたくさんの質問があり、質疑応答の時間におさまりきらなかった質問はランチタイムに持ち越された
多くの研究者に囲まれ、質問に答えるガルコ
教授と2人でその光景を眺める
「いずれ時透くんもガル山さんのようになるでしょうね。教え子の成長は楽しみです」
「なれますかね…」
「なれますよ」
質問攻めが終わったガルコがこちらに来る
「たくさん質問されちゃいました。興味を持ってもらえるのはありがたいですね。でもあんなに質問されるとは思いもしませんでした。先生も助けてくださいよー」
「いやいや。ガル山さんなら1人で回答できると思っていましたよ」
「お疲れさまでした。発表も質疑応答もすごくしっかりされていて、さすがうちのラボのエースだと思いました」教授の前なのでタメ口ではなく、ガルコに話しかける
「未来のエースに一言どうぞ」と教授
「自分の信じた道を歩んで、この光景を見てほしい」
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