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12322. 匿名 2024/05/05(日) 16:56:27
>>11795
⚠️楽しい流れを全く読まずにごめんなさい
⚠️解釈違い⚠️高専ロボコン⚠️色々許せる方のみ読んでください
⚠️キメツ高専のガル子と伊黒さん⚠️己の趣味に全振り
⚠️自分を追い込むために見切り発車! その6
「それにしてもすごいね、伊黒くん。打ち上げた衛星の名前覚えてるんだ、伊黒くんも好きだったの?」
スタンドへと向かう通路を歩きながらガル子はそう問いかけた。
「そうだな…かの有名な“はやぶさ”はともかく他はなんとなく調べてみた」
「あぁぁ?なんとなく、であの数覚える?」
「がる谷が“相模原”と叫んだので調べたが、様々な衛星たちの名前の由来も面白かったからな」
再度あの日の事を思い出し赤面するガル子は次の言葉が繋げない。
「もともとプログラムは好きだったが早く家を出たいという思いから全寮制の高専を選んだに過ぎなかったから」
一呼吸おいて伊黒が続ける。
「あれほどまで強く目標を掲げるものに興味を持ったんだ」
優しい眼差しとその言葉にガル子はドキリとする。
「私も“はやぶさ”から興味を持って。それに将来関わりたいと調べて。そしたら一般的に“成功”したと思っているミッションにも様々な困難があってそれを乗り越えてって…凄いと思ったの。そして私の夢は探査機を作ることだってはっきりしたの」
試合会場を見下ろすスタンドに出ると、丁度準々決勝が始まる所だった、試合開始を告げるアナウンスが場内に響く。
『3・2・1 スタート!』
「ああ、あの▽▽高専のマシンはウチのマシンと似たような機構のようだな」
「対戦相手の方、あの足回り、どうなってんの??」
繰り広げられるマシンの技に先ほどまでの話を忘れ、試合を進めていくマシンを見ながらそれぞれの感想を述べていた、ほぼ互角に進む試合もうすぐタイムアウト、決着がつく。
「いつかがる谷が“相模原”でその夢を叶える時に、俺も───」
『試合終了!』
「えっ?」
場内の白熱した試合の結果のどよめきと試合終了を告げるアナウンスに伊黒の声かかき消される。
聞き返したガル子の声もまた続いている歓声に消えていった。
「お、伊黒、がる谷!こっちこっち!」
気が付いたメンバーに声をかけられ、2人はその中へ入っていった。
「ふっ?」
ガル子が目を開けるとそこは見慣れた一人暮らしの自分部屋であった。+26
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12324. 匿名 2024/05/05(日) 17:00:00
>>12322
⚠️解釈違い⚠️高専ロボコン⚠️色々許せる方のみ読んでください
⚠️キメツ高専のガル子と伊黒さん⚠️己の趣味に全振り
⚠️自分を追い込むために見切り発車! その7
身体をゆっくりとした動作で起こし、ベッドサイドのデジタルフォトフレームを手に取った。
「…これのせいであの頃の夢を見たかな…」
先日もらったこのフォトフレームに入れる写真を色々と探したが結局選んだのはあのロボコン予選で会場を後にするときにメンバーで撮った集合写真、再度自分の進む道を確信したあの夏の日の写真。
あの時学校へ帰ってから調べたマシンが動かなかった原因はやはり許容範囲を超えた動作回数による電線の内部破断、という結果になった。
それを後輩たちへ継承し結実する。
“失敗”としないために。
今となっては我が母校は本選の常連学校となっていた。
思い出に浸りながらもベッドから抜け出し、仕事へ出かける準備に取り掛かる。
あの時のメンバーは卒業後企業へ就職したり大学へ編入したり、それぞれバラバラになっていて今も連絡を取り合っている者は数人しかいなかった。
ガル子は高専から大学へ編入し今は就職している。
伊黒は───
元々違う学科だったこともあり大学へ進んだとか海外へ渡ったとか人づてのうわさ程度にしかその行方を知らなかった。
当時ロボコンメンバー同士の連絡先は教えあっていたものの、いざそのロボコンが終わってしまえば連絡を取る必要もなくそのままになっているのだ。
卒業して数年、今もスマホにはそのアドレスは残っているがそのアドレスに連絡を入れて『この番号は現在使われておりません』だったらショックを受ける…いや、それならまだいい、ブロックでもされていることに気づいてしまったら立ち直れない恐怖に駆られて連絡を取ることも出来ずにいた。
「私は“相模原”に探査機を作るスタート位置にようやく立てたよ」
伊黒くんは今どこの空の下?───+24
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