-
12213. 匿名 2024/05/05(日) 12:27:42
>>1214 花篝、>>1925 あのお話しの続き
⚠解釈 ☀さん
⚠12か13で書いたスーラの絵をモチーフにした話の続き。
緊張した面持ちの彼が差し出した手を、私はためらうことなく取った。
彼の体温が、指先から体中に広がっていく。初めての感覚に、心臓が飛び跳ねた。
正直、桜どころではない。
なんとなくいつもの流れで行った喫茶店でも、大好きなサンドイッチの味が分からなかった。
伝票を掴もうと同時に伸ばした手が不意に触れた。
鈍い音を立てて床に落ちた伝票を拾おうとして、再び手が触れる。ドギマギしながら顔を上げたら、眼の前に彼の顔があった。
テーブルとテーブルの隙間の狭い空間で、私達は互いを見つめ合いながら指を絡ませた。
この1年毎週のように辿った私の家までの道程だが、今日はやけに足並みが鈍る。
公園の横を通りかかった時、川の周りに灯りが燈されているのが見えた。
「寄っていかないか?」
彼の言葉に、私は頷いた。
公園の中は、篝火によって今朝とは異なった幻想的な光景が広がっている。
はらはらと舞う花弁が炎に飛び込む様子が、愛する人の胸に飛び込む乙女に見えるのは、今私が恋の真っ只中に居るからだろう。
私達の馴れ初めのベンチには、雨粒ではなく花弁が敷き詰められていた。ピンクの絨毯を脇に寄せる彼の横顔を、炎が照らす。
何故か胸がギュッとなった。
この人に触れたいと、強く思った。
「寒い」
私がそう言うと、彼は私の肩をそっと抱き寄せた。
途端に、周囲の喧騒がスゥーッと消える。
私達は、静かに寄り添っていた。
パチパチ爆ぜる薪の音が消えるまで。
おしまい
+21
-3
-
14773. 匿名 2024/05/09(木) 17:00:54
>>13462 まとめの場をありがとうございます。
👹様、🌙さん、☀さん推しです。
時間の都合でお返事出来ませんでしたが、コメントや+してくださったガル子さん、ありがとうございました。
(前回のまとめにコメントいただいたガル子さん達へ。トピが閉じた後で読ませていただきました。優しいお言葉ありがとうございました)
■👹様
・真実の愛を探して:>>11874
・交通安全当番:>>11777
・天邪鬼:>>12870
・悪いことをして慰めて欲しいなどムシが良すぎる:>>12653(「慰めて」を「褒めて」と読み間違えていました。お題主さん申し訳ありませんでした)
・ストーカーっぽい一言、大嫌い始まり:>>12311
・出られない部屋、背中合わせ、マザール・ウ・ブラッハ:>>12057
■🌙、👁、🕶さん
・クロスオーバー:>>12129
・ミャクミャク:>>11780
・ズートピア:>>11789
・他の女の子が輝いて見える:>>11827
・推しが照れる:>>12153
・サン・ジョルディ、上書き、トラウマ:>>12654
・既読スルー:>>12411
■☀さん
・沼、異世界、最後の一滴:>>11808
・花篝、あの話の続き:>>12213
・最後の🐚、残花、文学:>>11937(🐚)
・あくまでも提案、残りの寿命を買わせてよ:>>12480
・後火:>>12236
・AIにまかせてみる(おにぎり):>>12749(そこそこ気になる修正漏れを見つけたため削除依頼しました。コメントくださった方申し訳ありません)
■他
・個人的彼トピあるある:>>12062
今回は大遅刻でした。
先週の土日しかまとまった時間がとれず、実質2日間の参加となりました。素敵なお題がいっぱいで、イメージは浮かぶのに文字起こしが間に合わなかったものも。指が足りない…と何度思ったことか。トピ待ち中のお楽しみが出来たとプラスに捉えることにします。
>>11775にも書きましたが、他の方の話を全然読めてないので、ネタ被りしてたらごめんなさい。
4からの参加でいつもは早い段階で気づいていたので、残り1週間と知った時はちょっと落ち込んだんですけど、リアルとのバランス面においては今回のような短期集中が良いかもしれない。
次回も皆さんにお会いできることを楽しみにしています。+48
-3
削除すべき不適切なコメントとして通報しますか?
いいえ
通報する