ガールズちゃんねる
  • 11788. 匿名 2024/05/04(土) 16:42:39 

    >>11713
    ⚠️己の趣味に全振りです

    Genius そのじゅうなな

    「ただいま」
    「おかえり」
    駅前で高速バスからガルコが降りてくる
    「はい、これお土産」
    「ありがとう」
    ガルコがくれたのは藍染めの手拭い

    研究室にいつもの日常が戻ってきた
    休み明けなので各メンバーが地元で買ってきたお菓子たちがたくさんある
    「ガル山さんが買ってきてくれたお饅頭はお茶と本当にあいますね」
    「美味しいです」
    「地元にいる間中、ずっと雨であまり出かけられなかったから、バス乗り場で買った普通のお饅頭だけど」
    「いえいえ、なかなかお饅頭って普段買わないから貴重ですよ」
    モブ本さんたちがお饅頭を頬張っている

    実験室に入ると気が引き締まる
    ガルコは実験室に入ってこない
    居室で論文の最終仕上げをしているようだ
    ガルコに追いつきたい
    参考論文に目を通しながら、反応スキームを考える
    一足飛びに反応は進まない
    1段階ずつ着実に反応が進むように仕込んでいく

    2ヶ月後、教授が実験室でガルコに声をかける
    「おめでとう。論文掲載が決まりましたよ」
    「ありがとうございます」
    「おめでとうございます!」
    「さすがガル山さん!」
    みんなから祝福されて、はにかむガルコ
    ガルコの研究成果が認められたことが純粋に嬉しかった

    ガルコのアパートでコンビニスイーツを食べる
    「今日はいつものコンビニスイーツだけど、ちゃんとしたお祝いするからね」
    「2人でスイーツを食べるこの時間が何よりのプレゼントだよ。ありがとう」
    「これじゃ、いつもの実験がうまくいったときと変わらないよ。せっかくの論文掲載なんだから」
    「わたしだって自分の論文にかまけて、むいくんの院試合格祝いできてないし」
     注:院試→大学院の入学試験
    「そんなの良いよ。ガルコの論文掲載に比べたら大したことない」
    「成績優秀者として奨学金も決まったじゃない」
    「お祝いしあいっこになっちゃうね」

    +22

    -6

  • 11813. 匿名 2024/05/04(土) 17:29:48 

    >>11788

    かわいい理系カップル😆ずっと読んでます💕続きお待ちしております

    +18

    -3

  • 11945. 匿名 2024/05/04(土) 21:33:20 

    >>11788
    読んでます。続きありがとうございます✨

    +19

    -1

  • 12077. 匿名 2024/05/05(日) 00:38:16 

    >>11788
    追いつきましたー!このお話好きだったから続きが始まったのすごく嬉しい。理系の進路って気が長いというか進路も実験も積み重ねてるうちにすぐ時間がたっちゃうのよね。そんな中二人の恋がどう育まれていくのか見守りたいです!

    +26

    -4

  • 12107. 匿名 2024/05/05(日) 08:30:01 

    >>11788
    ⚠️己の趣味に全振りです

    Genius そのじゅうはち

    バイト代を無駄遣いしていなくてよかったと本当に思ったのは、ホテルのディナーを予約したときだ
    「こんな良いところに連れて行ってくれるの?」
    「バイト代を貯めているから心配しないで。その代わりガルコはドレスアップしてね」
    「普段は実験しやすい格好しかしていないからねぇ」

    大学入学時に買ってもらったスーツを着てガルコを迎えに行く
    スーツはこれしかない
    「わぁ!カッコいい✨」
    「何も変わらないよ」
    「部屋入って入って」
    部屋に入って差し出されたのは、薄くて長い箱
    慎重に包装をとくと、中に入っていたのはミントグリーンのネクタイとハンカチーフ
    「わたしだって何かお祝いさせてほしかったから」
    「ありがとうガルコ!」
    早速もらったネクタイを結び、ジャケットの胸ポケットにはハンカチーフを差し込む
    「一段と素敵になった✨」
    「ありがとう」
    ガルコは黒いワンピースに淡いグリーンのペンダントとイヤリングがよく似合っている
    さすがに元カレからの贈り物ではないと思いたい
    自分で買ったものではないだろうし、贈り主のセンスに嫉妬してしまう
    「これ?20歳になったときに両親がくれたの」
    「さすがガルコの親御さんの見立てだね。よく似合ってる」
    「ありがとう!」
    「そろそろ行こっか」

    レストランで案内されたのは窓際のテーブル
    夜の街並みが眼下に広がる
    「論文掲載おめでとう」
    「院試合格おめでとう」
    ワインで乾杯する
    「夢みたい。アパートでスイーツ食べてるときも幸せだけど、いまも幸せー」
    「僕も幸せを噛み締めているよ」
    ワインも料理も美味しく、楽しいときはどんどん過ぎていく
    デザートを食べながら、ガルコが意を決したように言う
    「来月アメリカに行ってこようと思うの」
    「ラボ探しってこと?」
    「目星はつけててね、面接してくれることになってる」
    「どこ?」
    「キメチュ工科大のPh.Katopireのラボだよ」
    「すごいじゃん!」
    「まだ入れてもらえるか決まってないからね」
    世界的な権威の名に、さすがガルコと思う
    寂しいけれど、ガルコの夢の邪魔はしたくない

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    -6