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11544. 匿名 2024/05/04(土) 01:21:14
>>10655
お題:推しとBUMP OF CHICKEN
タイトル『あの時、君に。』💎第五話
⚠️話数未定(今Partで完結予定) ⚠️解釈違い⚠️BUMP好きをまろび出した話
"なないろ"が聞こえて、瞼を開いた。
目の前の景色はすっかり見慣れたアパートの天井で、窓からは朝日が差し込んできている。予報通り、今日も晴れるみたいだ。
枕の側で振動するスマホを手に取り、画面の停止をタップした。まだ聴いていたかった音色は出勤中に改めて聴くことにするのも、いつも通り。
ぼんやりとした意識が、夢の余韻を連れてくる。
陽の光に照らされた教室、風に揺れるクリーム色のカーテン、窓から見える桜の青葉。懐かしい膝丈のチェックスカートを履いた自分と、あの頃のままの宇髄。
あぁ、また...。
目を瞑り、静かに溜め息を吐いた。
中学を卒業して十年も経ったというのに、未だにこんな夢を見てしまっている。それも、もう何度も。
言わなかったからなのかな...好きって。
高校では初めて彼氏ができたし、大学時代だっていた。どちらもそこまで長くは続かなかったけど、ちゃんとときめいたし楽しかった。なのに、私が見る夢には宇髄ばっかり出てくる。実らなかった片想いを美化しているだけだと自分に言い聞かせ続けても、全然効かない。まるで、前に進んでいるようで何も進んでいないと言われているみたいだ。
夢を見た後は、決まって願ってしまう。
"会いたい"
会って、話がしたい。
「久しぶり、元気だった?」って。
宇髄が同じように聞いてくれなくてもいい。名前を思い出してくれなくてもいい。もし覚えててくれたら、物凄く嬉しいけど。
実際私は、気付けば日常の中に宇髄を探してしまう癖がついていた。ばったり何処かで会えた時には、必ず声を掛けたかったから。
仕事の慌ただしさから解放された、職場から駅までのちょっとした距離。最寄りに着くまでの、相鉄線の電車の中。ずっとBUMPの"話がしたいよ"なんて聴きながら、この日はひとり改札口を通り抜けた。
その時、ほんの一瞬。
「────!」
何か、微かに聞こえた気がした。
けれど、後ろからは次々に人が歩いてくる。波に押されてそのまま足を動かしたら、今度はハッキリと。両耳に、確かに声が届いた。
「ガル山!!」
肩を掴まれ、引き止められた先を見上げた瞬間。誰だかなんて、考えなくてもわかった。
何色にも光るその髪も、宝石みたいなその目も。こんなキラキラした人、だって一人しか知らない。イヤホンから響く歌声が、想いを受け取って魔法をかけてくれたんじゃないかとさえ思った。満面の笑みで、私は名前を呼んでいた。
「宇髄だ...!!」
つづく💿ヨンデクダサリアリガトウゴザイマス+32
-6
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11546. 匿名 2024/05/04(土) 01:27:15
>>11544
BUMPあまり詳しくないんだけど、もしかしてそこかしこに散らばってる?!
ひゃー!改札で!名前を!!キラキラしててたまらんですな✨✨+21
-5
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11548. 匿名 2024/05/04(土) 01:29:19
>>11544
"話がしたいよ"知らなかったのですがアレクサでかけながら🌾してます
はあ〜〜夢に出てくるの分かるし、会いたくなるの分かる…
ガル子ちゃんは会えたんだね!!続き楽しみです!!+16
-6
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11558. 匿名 2024/05/04(土) 01:55:13
>>11544
おきててよかった…😭😭+16
-8
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12110. 匿名 2024/05/05(日) 08:35:43
>>11544
お題:推しとBUMP OF CHICKEN
タイトル『あの時、君に。』💎第六話
⚠️話数未定(今Partで完結予定) ⚠️解釈違い⚠️BUMP好きをまろび出した話
会えた...!!会えた...!!
宇髄に会えた!!会えちゃった!!
「久しぶり!やっぱガル山だよな??」
「うん...!そう...!ガル山...!」
「マジで凄ェ久々!元気だった??」
「うん...!うん...!元気だった...!」
「おいw受け答えがポンコツだぞw」
「だ、だって...!ビックリして...!」
「まぁ確かに、十年振りだもんな!」
白い歯を見せてニカッて笑う宇髄が、あの頃と同じなんだけどグッと大人っぽくなっている。カッコいいって言葉じゃ足りない。元々足りなかったけど、もっとだ。もう表現できない。
「宇髄、すっごい背高い...!」
「198センチ!流石に止まったわw」
「えっ...!?そ、そんなあるの...!?」
「そんなあるのよソレが。派手だろ?」
「派手だろ?」が懐かし過ぎて泣きそう。
元々高かったけど、こんなに伸びてるなんて思わなかった。しかも、なんだか凄く鍛えてそうな感じがする。ビッグシルエットのシャツでもわかる、身体の厚みというか。襟から覗く鎖骨と胸元につい目が行ってしまって、ついでに喉仏もちゃっかり見た。首筋にかかるぐらいだった髪も、肩につく長さになっている。変わらずにピョンと跳ねてる毛先が可愛い。
宇髄が私のことを覚えててくれた。
名前を呼んで声まで掛けてくれた。
「元気だった?」って聞いてくれた。
感無量の域でトートバッグの持ち手を握り締めていたら、宇髄が言ってくれた。
「なぁ!メシ行かね??」
咄嗟に反応できなかったのは、宇髄の言葉が勝手に脳内でリフレインし出したから。立て続けに嬉しいことが起きて、ちょっとショートしかけた。
「あっ......!あっ......!」
「おいw何カオナシしてんだよw」
宇髄が吹き出して、私の肩をペシペシ叩いてくる。余計に顔が火照って熱い。
「いや、えぇと...!その...!」
挙動不審になって瞬きを繰り返す。すると、宇髄が屈んで目線を合わせてきた。
「だからメーシ!てか飲み行く??」
「...い、行く!!の、飲みたい!!」
今日は最高の日としか言えない。
宇髄は爽やかに笑った後、クシャリと崩すように私の髪を撫でた。
「...変わんねぇな、そういうとこ。」
「......な、何が?」
「んー?やめとくわ、言ったらチャラいって思われそうだから。」
...ソ、ソッチこそ変わんないよ!!
なんていうか!!そういうとこ!!
何も言い返せず口をパクパクさせる私に、宇髄はやたら優しい笑顔を向けてきた。気がする。
つづく💿ヨンデクダサリアリガトウゴザイマス+29
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