ガールズちゃんねる
  • 10886. 匿名 2024/05/02(木) 21:35:09 

    >>10372
    ⚠️解釈違い⚠️高専ロボコン
    ⚠️色々許せる方のみ読んでください
    ⚠️キメツ高専のガル子と伊黒さん
    ⚠️自分を追い込むために見切り発車! その3

    リトライ=スタート位置に戻ったマシンにあれこれアプローチするも原因はつかめないらしくただ時間だけが過ぎ去っていく。
    「〇〇高専はまた一つ石をゴールに運びましたね」
    相手チームの状況が否応なしに場内アナウンスの声で知らされる。
    そして。
    場内に試合終了の合図が鳴り響いた。


    フロアにいた3人がマシンを台車に乗せ戻ってくるのを先に控室に戻っていたガル子達が迎える。
    結局キメツ高専のマシンはスタート位置から動くことなくこの地区大会のトーナメント戦を敗退してしまった。
    「すまない…俺がちゃんとチェックしておけばよかったんだ」
    沈黙の中チームリーダーのモブ木が声をだす。
    ロボコンのマシンは他県で行われる地区大会のために一度バラして搬入し、会場で再組み立てを行う。
    その再組み立てでどこか間違ったのか──
    「でもチェックは何度も行ったし、テスト動作も大丈夫だったのに…」
    ガル子がそう口にする、他のメンバーもその言葉に頷いている。
    途中まではよかった、なぜ動かなくなった?その疑問がどうしても頭を支配する。
    学生とはいえ技術者、試合が終わればすべて終わりとはいかないのだ。
    台車から降ろされたマシンを再起動することを誰も止めなかった。
    「やっぱり足回りは問題なく動くな」
    操作担当だったワキ山がマシンをゆっくり操作しながら言う。
    「問題はこの後か…」
    「アームが伸び切って…次の動作に…」
    「えっ?!」
    メンバー全員がそう言っていた、なぜなら本番では動かなかったマシンが一瞬ではあるがアームを伸ばした次の“石”を掴む動作に移行したのだ。
    「今度はここで止まった」
    「これって接触不良か?」
    「接触不良というか電線が内部で切れてないか?」
    「…それって…私の容量計算ミスってこと…」
    ガル子が青ざめながらその言葉を口にしていた。

    つづく

    しゃべってないだけで伊黒さんはちゃんといます💦
    コメントありがとうございます、こんな細切れなもので申し訳ないです。

    +29

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  • 10998. 匿名 2024/05/03(金) 00:27:18 

    >>10886
    読んでます!こんなお話書けるの素敵✨

    +19

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  • 11794. 匿名 2024/05/04(土) 16:54:13 

    >>10886
    ⚠️解釈違い⚠️高専ロボコン
    ⚠️色々許せる方のみ読んでください
    ⚠️キメツ高専のガル子と伊黒さん
    ⚠️自分を追い込むために見切り発車! その4

    「いや、容量計算ミスであるなら学校でのテスト段階で溶断なりオーバーヒートなり起こしているだろう」
    静かな口調で伊黒が続ける。
    「フロアで見ている時には気が付かなかったがこの部分に折れたような跡がある」
    アームに沿わせた電線の一部を伊黒の細い指が指し示した、みれば確かにそのような傷が見て取れる。
    その傷をみながらメンバーそれぞれが考えを口にする。
    「これは稼働したときに挟み込んだか?」
    「バラして移動するときに付けた傷かも」
    「この部分の電線が破断して接触不良の可能性が一番高いな」
    その可能性にうんうんと皆が頷いた。
    「今この場で詳しく調べるのは無理があるな、あとは学校に帰ってから分解して調べよう」
    リーダーであるモブ木がそう結びマシンの電源をOFFにした。
    「他の学校の試合は続いているんだ、どんなマシンなのかどんな動きをするのか見に行こう」
    メンバーは試合の続きは見るためにスタンドへと向かいだした、なのにガル子はマシンを見つめたままその場を動かない、そのことに気が付いた伊黒と数人が声を掛ける。
    「がる谷?」
    「あ、うん、先に行ってて」
    その言葉を聞いて全員がスタンドへ向かったはずだったが伊黒がその場に残っていた。
    「え?伊黒くん?」
    「…まだ自分のせいだと思っているな?」
    マシンを挟んだ向こう側に伊黒のオッドアイが見える。
    「自分一人のせい、と思うのもなかなか慢心しているぞ」
    「えっ?」
    「このマシンは全員で作り上げたものだ、容量計算にしても強度にしても一人だけのチェックで作ったものじゃない」
    「それは…そうだけど…これ、もしかしてテストのしすぎで電線が疲労骨折したようなものじゃない?それならセンサーを付けられないってわかったときにもっと耐久性のある電線に変更しておくべきだったって、そこは私の失敗だよね…」
    「『失敗という言葉を使わない』のじゃないのか?」
    「…え…」
    「おおすみ、たんせい、しんせい、でんぱ、たいよう、きょっこう、じきけん、はくちょう、ひのとり、てんま、おおぞら、さきがけ、すいせい、ぎんが、あけぼの、ひてん、ようこう、あすか、はるか、のぞみ、はやぶさ、すざく、れいめい、あかり、ひので、かぐや、あかつき、イカロス…」
    何かの呪文なのかと思える伊黒の言葉にガル子の瞳はどんどん大きく開かれていく。

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